プトレマイオスの『テトラビブロス』の概要
ギリシア占星術文書目録4351_001
パルコスの書『アポテレスマティカ』から
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[人物]
CCAG (特に古い方の巻)の補遺にあるほとんどのテクストの著者には注意する必要がある。編者たちが、写本の著者をそのまま受け入れ、テクストの類似性を基に断片の著者を決定することに寛大すぎるからである。偽造は言うまでもなく、年代に関する疑問や、明らかな借用などがかなりある。ピングリ一(Dumbarton Oaks Papers, 25 (1971) 203-4)は、年代や出所ばかりでなく CCAG の中で頻繁に典拠とされている「パルコス」が、アラビア語の人名中の‘出身地’であるal-Balkhî の転訛(クリックレイドのロパートの「クリックレイド」のようなもの)にすぎず、彼に帰される著作が14世紀のエレウテリオスによる編集だということを示している。このことは、CCAG のパルコスに帰された箇所を調べれば容易に確かめられる。それらが彼に帰されるのは、バルコスという名前が見られる唯一の写本 Angelicus Gr. 29 に似ているためであるが、この写本は1388年にエレウテリオスによってミテュレネで書かれたものなのである。
アブー・ママアシャル〔ラテン名アルブマサル〕は787年に現在の北アフガニスタンにあるバルフに生まれた。彼の名前の最後にあるアル=バルヒー(バルフ出身という意味)は、CCAG の補遺の中に見られる、実在しないギリシア人の「パルコス」Palchos (6世紀前半)という名前の起源でもある。これらのアラビアの著述家たちが用いた典拠は、選り分けるのが難しい。その典拠の多くが間違いなくそうであったように、彼ら自身もまた非常に折衷的であり、彼らは何でもギリシア人のせいにしたからであった。ウルマンによれば、「彼らにとってギリシア語名を持ったものはすべてギリシア語だったのである」。
(テスター『西洋占星術の歴史』)
[底本]
TLG 4351
[PALCHUS] Astrol.
A.D. 5-6
fort. Aegyptius
TLG 4351 001
Ex Palchi libro apotelesmatico (fort. compilatore Eleutherio) (fragmentum e cod. Angel. 29, fol. 141v)
Astrol.
F. Cumont, Codices Florentini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 1. Brussels: Lamertin, 1898]: 80-81.
Cross Reference
ヘッレースポントスのカッリッポス、ペロポンネーソス、ポーキス、ロクリスのピリッポス、またビテュニアのヒッパルコス。先に述べられた者たちの各々によって、諸々の恒星の〔働き?〕に関する著書がもたらされた……アンティオコス、アンティゴノス、ヘーライスコス、他にも或る人たちが、それらの力能について数々の異なったことを書いたことは、彼らの著作にあるとおりであるが、しかしセラピオーンも、彼以後に (81) 生まれたプトレマイオスも、それらについて成果をあげた。しかし、わたしが先述した人たちの誰ひとりとして、星学研究によってそれらの今ある諸々の位置を変えることはなく、それらの気質〔混合〕の作る働きを変えることもなかったのである。
2019.09.19. 訳了
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