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back.gif<パルコスの>春の転換について

ギリシア占星術文書目録4351_009

<パルコスの>春の転換について





[底本]
TLG 4351 008
<Pavlcou> peri; trope:s e[aroV (fort. compilatore Eleutherio) (e cod. Paris. 2506, fol. 139v)
Astrol.

F. Cumont, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.1. Brussels: Lamertin, 1929]: 261-263.
Cross Reference



8,1
(261)

第355章.<パルコスの>春の転換〔春分〕について。

 春の転換を考察せよ — 太陽が最初の1分で白羊宮内に入座した時、その刻限における星々を精確に計測し、4つの基本方位と、それらの後続する諸宮とそれらの先行する諸宮とを立て、さらに、先に述べられたように、先立つ同道ないし満月と、発見されるアペテース星の家の主星、ホーロスコポスの主星、月の主星、先に生じた同道ないし満月の家の主星、デカンの主星、党派の三合の主星(昼間には太陽の〔三合の主星〕を、夜間には月の〔三合の主星〕を取れ)をも、昼夜平分日が起こる刻限にどのように — 火性宮にか土性宮にか空気性宮にか水性宮にか — 立つかを計算し:また、それらを見出す上述の諸トポスのうちに、基本方位を占めない諸星としてにせよ、後続する諸星としてにせよ、そういう性格を明らかにせよ。例えば、もし汝が、上述の5つの家の主星、ホーロスコポスや月の、先に生じた同道あるいは満月のアペテース星や、デカンの主星や、水性宮における党派の3合の主星を見出したら、雨であり水に近いと言え。だがもしある〔星々〕は火性宮の内に、ある〔星々〕は水性宮の内に〔見出しの〕なら、それらよりも有力な〔星々〕はどれどれであるかを考察せよ。そしてより有力なものを見出したら、そのものの判定を取れ。さらに月をも、水平的にいかなる風といかなる宮に、つまり、空気宮あるいは火性宮あるいは大地宮あるいは水性宮に落ちているか、また上述のものら、つまり、太陽あるいはホーロスコポスあるいは月そのものの (262) 三合にある主星とかのうち何星がこれを証言するか、を考察せよ。そうして、どれだけ〔の星々〕が月を証言し、どれだけの〔星々〕が顕著なトポスに立っているかを見出したなら、それらが、風であれ水の流れであれ、炎熱であれ、明白であり、各々のひとつの表れの自然に端的に従って明白であると言え。

 もし昼間に転換が起これば、太陽の3合の主星を考察せよ、そしてもしこの同じ太陽がホーロスコポスを、あるいはあるいは月とアスペクトにあるなら、<これらが>火性宮にあるとき、焦熱事であると言え。だがもし〔太陽が〕あるいはホーロスコポスないし月が大地〔宮〕にあるときは、大気の好天が明らかである。だがもしその同じ星々が水性〔宮〕にあるときは、水[と暑熱]の流れが明らかとなる。だがもし空気宮にあるときは、諸々の風の象徴となる。

 太陽の第2の三合星ないし木星が、もし太陽や月とアスペクトにあるなら、それらが火性宮にあるとき、風は南風になることを象徴する:だがもし空気性〔宮〕にあるときは、北風を象徴するが、もし火星〔宮〕にあるときは、風と雨が明らかとなる。

 さらにまた、第3の三合星ないし主星が、上述のごとく、それらとアスペクトにあるなら、<それらが>火性宮にあるとき、公転を明らかにする:だがもし気息宮にあるなら、風は北風であることを明らかにする。だがもし水性〔宮〕にあるなら、風と雨の明徴となる。

 以上の事柄は、太陽の3合の主星についてのみ見出される内容である。どうように夜間の<党派>に関しても、太陽について述べられたごとく、月の3合の主星を考察し、今度はホーロスコポスの主星や、見出されるアペテース星の主星や、月や3合の同道星や満月の宿の主星や、デカンの主星を探究せよ、そうしてどれだけの〔星々〕が、美しいトポスにおいて、太陽や月やホーロスコポスの3合の主星を証言するかを凝視せよ:また、もっと多くの星々が美しいトポス内に見出され、これらはもっと優れていると言え:だがもしそれら〔の星々〕が同数・同力の〔星々〕であること、そればかりか正反対の事柄を象徴することを見出したら、そのときは幸運箭がどの部分に落ちたか、何によって証言されるかを考察せよ、そうしてその人の判定を宣明せよ。

 以上が、春の転換時に起こることである:夏の転換〔夏至〕時、つまり、巨蟹宮の第1分内をも、秋の転換〔秋分〕つまり天秤宮の第2の昼夜平分日についても、同様に、冬の転換、つまり磨羯宮の〔転換〕についても、探究せよ。そこで、諸々の宮の自然のみを凝視するのは、転換がみな等しいわけではないからである:例えば、白羊宮は火性であるが、巨蟹宮は水性、天秤宮は空性、磨羯宮は土性にして海性であるからである:そこで前述のごとくせよ。

 しかし一部の人たちは次のように考察する:太陽が、各宮の第1度において宮から宮へ、移動する場合、転換を上述のごとく判定するか、12のトポスと5つの星と先に生じる同道ないし満月を精確に判定する。そうして端的に先の述べられたとおりにする。

2020.02.21. 訳了


[アペテース]
 ajfevthV←(ajfivhmi)。英語では"prorogator"と訳し、山本啓二は「延長するもの」と訳しているが、意味不明な点は違わない。
 テスターの該当箇所を挙げておこう。

 この種の寿命に関する予言は、‘移行’ directionと呼ばれる特別な種類の進行である。獣帯のA地点は別のB地点に移行され,AからBに到達するために進む度数は、いくつかの規則に従って年に換算される。質問が寿命に関する場合、Aは‘延長するもの’ prorogatorまたはhylrg(アラビア語のhaylaj に由来する一般的なラテン語形)の位置である。そこでまず最初にアフェティックな場所、すなわち‘延長するもの’の場所を見つけなければならない。それはアセンダントかMC、あるいは家のひとつ(10 番目、7番目、9番目が好まれる)の始まりである。誕生時にこの場所にある惑星が、‘延長するもの’(dominus vitae、 dimissor、 prorogator、hyleg) であり、アラビア語起源のalchodenとも呼ばれる。’延長するもの’が出発する地点がアフェティックな地点であり、そこで命が(ギリシア語の意味で)‘解放される’。次に、それが‘破壊’ anairetic 地点に出会うまで、影響を及ぼすものに対してどれだけ進まなければならないかを見る。それからそれが進んだ獣帯の度数を年、月、日などの時間に換算しなければならない。これはプトレマイオスが『テトラビブロス』III. 10で、またドロテオスや後期ギリシアのほとんどの占星術師が詳しく述べている複雑な手順である。時間への換算は、まず獣帯、すなわち黄道上の弧を赤道上の弧に変えることであり、言い換えれば斜行球の度数を直立球の度数に変えることであった。この過程は、『テトラビブロス』に説明されているが、 計算のためには『アルマゲスト』(III. 8)にある表が必要となる。
(テスター『西洋占星術の歴史』p. 227-228)
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