神秘について

［底本］
TLG 4361.002
De mysteriis (lib. 1) (excerpta e codd. Scorial. I Φ 5, fol. 323v + Ambros. B 38 suppl., fol. 20)
Astrol.

K.O. Zuretti, Codices Hispanienses [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 11.2. Brussels: Lamertin, 1934]: 189-192.
Cross Reference

第94章　デカンに基づく顔〔形象〕の刻印〔性格〕について

　白羊宮の第1デカンはアレース〔火星〕の〔宿〕、象徴するのは火色の男で、胴の細い、痩せて、その下肢が細く、左足に徴を持ち、見境なくでたらめな者である。白羊宮の第2デカンが象徴するのは、勇猛で、肉付き善く、度量広く、思慮深く、教養深く、敵の多い男である。第3〔デカン〕が象徴するのは、色青白く、身体の格好良く、旅行多く、声の悪い男である。しかし白羊宮の終端ないし最後の度は、唖で不格好で、悪しき生き方をする男を象徴する。

　金牛宮の第1デカンが象徴するのは、眼が大きく唇厚く、喉の徴と恥部の徴を持ち、他にも左の手足に徴を有し、気前よく、友多く、すぐに怒るがすぐに迎合する男。第２デカンが象徴するのは、丸顔、胸広く、綺麗な眼をして、大きな耳を持ち、肩の上に長髪、股あるいは臍の下に徴を持ち、おそらくは(neuroponiva)でもあり、富裕で、善運、活発、機知を持った男である。第3デカンが象徴するのは、性格よく、肉付きよく、左の瞳と足に徴、眉毛美しく、勤勉な男。しかし金牛宮の終端は災難を象徴する。

　双児宮の第1デカンが象徴するのは、健やかで (190) 頭ないしての上に徴を有し、機知に富み、教養深く器用で、邪悪を憎む男である。第2〔デカン〕が象徴するのは、肥って、中年で、色黒く、腋に徴を持ち、(glukusuvntucon)、気前よく、実践と商売の経験を有し、王たちや支配者たちと交際する男である。第3〔デカン〕が象徴するのは、顔細く、眼小さく、淫らで、姦通者、嘘つきで、 捏造者の男である。しかし最後の度は、彼が喉の上に白い斑点をも持っていることを象徴する。

　巨蟹宮の第1デカンが象徴するのは、髪よく器量よく、両眉が繋がり、長鼻、左脇の下と、右腕の下にも別の徴を持ち、気が強く、物静か、おとなしくて、知慮深く友多く慎み深い男である。第2〔デカン〕が象徴するのは、非常識、？？？、切れ長の眼を持ち、順調で、万人から愛され称賛される男である。第3〔デカン〕が象徴するのは、肥った男で、ふさふさした眉毛の持ち主で、友多く、正義と男らしさを愛する男である。しかし巨蟹宮の最後の度は抜きん出た者を象徴する。

　獅子宮の第1デカンが象徴するのは、器量よし、紅く、鷹の眼を持つ、鼻のよい、胸広く、頭小さく、しばしば足が痛み、自分に聴従する者たちに対して善良、自分に対抗する者たちの破滅、不服従で多弁な男である。第2〔デカン〕が象徴するのは、赭ら顔の白い男、女たちに対してすこぶるだらしない男である。第3〔デカン〕が象徴するのは、肉付きよく、胸広く、腿細く、背中細く、神経が痛み、教養深く、友多く、旅行がち、敵の多い男である。しかし獅子宮の最後の度は病気がちで不運な者を象徴する。

　処女宮の第1デカンが象徴するのは、背が高く勇ましく、器量よく、眼が美しく、恥部に徴を持ち、気前よく、節度あり、友多く、女を持たぬ男である。第2〔デカン〕が象徴するのは、肉付きよく、姿よく、格好良い者、(191) 人生における格闘者、教養深く、性格よく、知恵者、勇敢な者である。第3〔デカン〕が象徴するのは、肉付きよく、眼が切れ長で、鼻利き、教養高く、おとなしく、思慮深く、正義を愛し、気前よい者である。しかし処女宮の最後の度は少年愛者とか災難を象徴する。もし女であれば、快楽を愛する者を象徴する。

　天秤宮の第1デカンが象徴するのは、肉付きよく、頭に傷あるいは、手ないし足に火傷を有する者である。自分の祖国を去る者は、他国においても転覆するであろう。富裕にして、用心深く、穏やか、教養高く、自分の友たちを自分の知恵によって益する者であろう。第2〔デカン〕が象徴するのは、かなり器量よくて黒髪、手に徴、臀部に別の徴を持ち、栄誉をも有する者である。第3〔デカン〕が象徴するのは、器量よく、脳髄に一種の病を有し、気前よく、友多い者である。しかし天秤宮の終端の度は、身体に傷を有する者を象徴する。

　天蝎宮の第1デカンが象徴するのは、器量よく、肉付きよく、頭に徴を有し、輝くめないし鷹の眼を有し、左足ないし右手に徴を有し、知慮深く、度量広く、敵に勝つ者である。第2〔デカン〕が象徴するのは、性格よく髪のふさふさした頭を有し、喉ないし背中に徴を有する者である。第3〔デカン〕が象徴するのは、背が低く、淫ら、裕福な者である。しかし天蝎宮の最後の度は、淫らな生まれないし親から追放宣言を受ける者を象徴する。

　人馬宮の第1デカンが象徴するのは、身体健全で、眼の綺麗な、鼻長く、眉毛が繋がり、胸に徴を有する者である。第2〔デカン〕が象徴するのは、……
第3〔デカン〕が象徴するのは、背の高い、器量のよい、勇敢で、左の下肢に徴を有する者である。しかし人馬宮の終端の度は、姦婦ないし姦夫を象徴する。

　磨羯宮の第1デカンが象徴するのは、肉付きのよい、よくうろつき、腋の下に徴を有し、思慮深く、慎重 (192) な者である。第2〔デカン〕は、身体健全、大きな耳を有し、格好良く、眼が綺麗で、気難しく怒りっぽい人である。第3〔デカン〕が象徴するのは、身体健全、蒼白く、左の肘ないし大腿の上に徴を有し、友多く、教養高く、邪悪を憎み、すぐに立腹するが女たちを思いやる者である。しかし終端の度は、生まれついての淫らさを明らかにする。

　宝瓶宮の第1デカンが象徴するのは、肉付きよく、性格よく、胸の上ないし左足の上ないし脇腹の上に徴を有し、裕福、教養高く、邪悪を憎み、節度ある人物である。第2〔デカン〕が象徴するのは、背が高く、色黒、背中の上ないし腋の下ないし胸の上に徴を有し、常に骨折って仕事する人。第3〔デカン〕が象徴するのは、紅く、腋の下に徴を有し、裕福な人である。しかし終端の度は、頭に角があるように身体的に変則的なものを有する人を象徴する。

　双魚宮の第1デカンが象徴するのは、性格よくて胸広く、脇の下と足の下に徴を有し、また多衆によって讃えられる人である。第2〔デカン〕が象徴するのは、黒髪、右足の上ないし眼の上に徴を有し、思慮深く教養高い人である。第3〔デカン〕が象徴するのは、身体健全、鷹の眼を有し、友多く、隠れた病を有する人である。しかし終端の度は、自殺するとか、みずからを死に引き渡す人を象徴する。

2017.12.13.　訳了