title.gifBarbaroi!
back.gifキュラニデス第2巻

ヘルメス文書

キュラニデス
第3巻

Cyranides III






3."t".1
キュラニスの第3巻。鳥類について。

3.1."2t"
ワシ(ajetovV)について
3.1.3
 ワシは、ありとあらゆる鳥類の王にして、色は黒い。これが天空の下を飛ぶとき、あらゆる有翼類に対して傲然とふるまう。しかし大きな実効力を有し、これを言って、わたしは黙することをすまい。
 さて、ワシを捕獲し、これの心臓を身につけている者を、恋される者、愛される者となす。頭の皮、眼、大きな翼の先端、こういったものをお守りとして身につけていると、身につけている者を平和的で、愛される者で、恋される者となす。敵勢のただなかに落ちても、不正されること決してなく、嵐や落雷に害されることもなく、あらゆる点で恵まれ平穏な者となるであろう。ただし、これは黄金の小管のなかに【これを入れ】、それ自身の皮の中に縫いこんで身につけなければならない。
 漁師や猟師が、頭や翼の先端を持ち歩けば、漁や猟が不首尾に終わることは決してない。この禽獣は羽といっしょに調理して食されると、ダイモーンに憑かれた者(daimoniw:ntaV)を治癒させる。家の中に置くと、闘いを逆転させる。
 ワシを捕獲して、生きたまま一昼夜放置して、一昼夜のうちに排泄した糞を取って保存せよ。次いで、次の日に、ワシに足枷をつけて、その口を閉じ、その耳に言え。「おお、ワシよ、人間の友よ、われ、今、あらゆる病状の療治に汝を供儀せん。天と地の神にかけて、四つの元素にかけて、われ汝に誓う、われが汝を捧げるおのおのの療治のために、汝がわれのために働くようにと」。そうして、すべて鉄でできた両刃剣を執って、安息香と蜂蜜を焚き、混酒器を下に置いて、混酒器の上でその頭を切断せよ、すべての血が混酒器の中に注ぐようにと。次いで、すぐに〔ワシの身体を〕開いて、まだどきどきしている心臓を、すべての内臓ともども取り出し、ブドウ酒を持った別の容器に納めよ。頭には多量の塩をふりかけ、眼と脳味噌は【(para; mivan)】、その他の内臓はブドウ酒から取り出し、塩を混入し、天日で乾燥させよ。血は頭蓋骨の中に入れて乾燥させよ。
 ワシは、脚の大きな羽をむしって保存せよ。太腿の腱を取って、どちらが右でどちらが左か印をつけ、翼も肩から〔取って〕同様にせよ。肉はすべて、内臓と同様、多量の香料によってよい香りがするよう香料と混ぜ、乾燥させよ。すべてが書きつけられたとおりに、あなたにとって特別に守られるようにせよ。
 例えば、頭痛に対しては、ワシの頭の頭骨は、シカの皮に包んで患者に巻きつけられると、最大の驚異である。こめかみ〔の骨〕は、右の〔こめかみの骨〕は右のこめかみに巻きつけられ、左のは左に〔巻きつけられれば〕、半面痛を療治する。これの脳味噌は、オリーヴ油ないし少量のケドリア(kedriva)〔シリアのシダー(kedrelavth)の樹脂〕といっしょに塗油されると、めまい患者やあらゆる頭痛を療治する。これの右眼は、きれいな亜麻布に包んで、左手につかまれていると、好機を通じて大いなる恵みや成功をもたらす。これの左眼は、シカの皮に包まれると、身につけている者を決して眼炎に罹らせない。
 ワシの眼の上方の眉には、2つの石が、それぞれの眉にひとつずつ見出されて、発見される。オオカミあるいはアザラシあるいはハイエナあるいはワシの皮に包みこんで、喉につけて携行する人たちがいるが、身につけている者を、あらゆる邪悪な事柄や、獣であれ人間であれ、ダイモーンのたくらみから守る。要は、あらゆる善をこうむらせる。
 これの舌は、羊毛布によって巻きつけられると、気管の患者や咳の患者、口蓋垂炎や呼吸困難を大いに治癒させる。これの肝臓は、乾燥させて、自分の血とと酢蜜といっしょに10日間練られると、てんかん患者を治癒させる。これの胆汁も、ニガハッカの液汁、ミルラ〔(smuvrna)〕、無煙蜂蜜といっしょに、あらゆる耄碌(ajmauvrwsiV)、視力低下、白内障を療治し、眼に害悪の生じることを許さない。これの心臓は、述べられたとおり、酒蜜の中に与えて、7日間、香料で焚きしめ、次いでオオカミの皮の中に縫いこめて身につけられると、身につけている者は、いかなる害悪、虚弱、獣にも陥ることなく、成功して幸福になだろうし、成功者となるだろう。
 腎臓と睾丸は、乾燥させて、しめらせて〔?〕薬味酒(kondivtoV)にふりかけ、飲酒のときに与えられると、男であれ女であれ、服用した者を恋情の渇望と最大の友愛へと導く。右の翼の羽は成功的〔効力のある〕で、つかんだ者を近づきやすい者とする。左手の羽を取って、オリーヴ油に浸し、難産の女の腱(tevnwn)から聖骨(iJerovn ojstevon)〔仙骨〕まで塗油すれば、たちどころに出産するであろう。これの糞は、乾燥させてくすべられると、難産の女たちに益し、流産した胎児(fqovria)を堕ろす。また、下からいぶされると、子宮内に残留したものをも排出する。
 これの頸と(rJavch)との筋は、喉や脊椎骨のまわりに巻きつけられると、あらゆる関節の症状(diavqesiV)や反弓緊張を治癒させる。これの翼の筋は、中から引き出し、右のは右に、左のは左に巻きつけられると、手の痛風患者(ceiravgroV)を益する。同様に、足の痛風患者や膝の痛みをも。これの爪は、子どもたちにとっても成人にとっても、あらゆる劣悪な幻想的な邪悪やあらゆる害から身につけた者を解放する。
 これの皮は、敷かれたり、華奢な翼といっしょに身につけられたり、腹や口の中に包みこまれると〔?〕、疝痛患者に大いに益し、胃病患者にも、(kwlostovmacoV)〔肛門?〕の痛む者たちにも、そしてまた消化をよくする。夢の中では、将来起こることを預言する。ワシの口を枕頭に置いて眠ろうとすれば、望むことが彼に告げられるであろう。こういったことがワシに関して起こるのである。
 ワシだけでは行き詰まる場合には、同じような仕方でハゲワシを取って用いるがよい、ただし、より劣りはするが。ハゲワシはハゲワシで、それ独自の作用(ejnergeiva)を有している。しかし、たとえハゲワシで行き詰まり、タカは有用性をたっぷりもっていても、やはり作用は劣る。おのおのは独自の効能を有しているのであるが、ワシ〔の効能〕はどれよりも大きく、それゆえまたどれよりも強力であり、これの効能そのものも特別(eijdikw:V)である。ワシの羽を難産の女の足もとに置けば、たちどころに出産するであろう。しかし、出産と同時に、その羽は取り除くがよい。
 ワシ石(ajetivthV)は、ぶつかり合う音がする、姿のよい石で、色は炎のごとく、身につけられると、腹の胎児を護り、これが流産することを拒む。安産のお守り(eujtovkion)でもある。

3."1a"."1t"
ワシ(ajetovV)について
3."1a".2
 ワシは最大の鳥で、あらゆる有翼類の王者にして、次のような働きをもっている。
 これの胆汁は、ニガハッカ〔Dsc.III-119〕の液汁、バルサモスの煮汁、蜂蜜といっしょに練って、擦りこまれると、あらゆる眼の耄碌、霞目、白内障を治癒させる。これの羽は、くすべられると、嗜眠症や子宮閉塞や脳炎の譫妄を治癒させる。これの爪は、焼いて、古いブドウ酒といっしょに練って擦りこまれると、口蓋垂の痛み療治する。服用されると、薬漬けの人たちを解放する。
3."1a".10
 女がこの動物の髄を飲み、子宮の入り口にこれを少しでもあてれば、不妊となる。これの骨は、焼いて粉末にされたのを粉薬にして保存しておいて、ふりかけよ。そうすれば、ふりかけられると、耳の出来物を治癒させ、ブドウ酒といっしょに洗浄されると、歯痛に有効である。
 これの心臓は、煮て磨り潰し、こっそりと食べ物の中に、あるいは粉薬を飲み物の中に入れて女に与えられると、自分の夫に対する大いなる愛情と好色な渇望を植えつける。これの脚は、ぶらさげられると、敵に対する勝利に大いに貢献する。

3.2."1t"
カワセミ(ajlkuwvn)について
3.2.2
 カワセミは、すこぶる姿のよい小禽で、uJpolazouvrion、多彩な色をもっている。海岸や湖沼辺に見られる。これは海岸に産卵する。自分の卵を産むときは、予知によって海には大いなる凪が生じるので、波の起こることはない。というのは、海の縁、波が特によく起こるところに産むからである。小さな小魚を食う。さて、雛をつくり、雛が飛ぶときには、再び海はいつもどおり波立つ。
 この鳥の眼をひとが布切れに包み、数多くの夢を見る人の頭に置くと、彼から夢を追い出す。人が船に乗るとき眼をぶらさげていれば、豪雨とか嵐とかいかほどいかような災難(ajnavgkh)も恐れることはない。船の舵取りがこれの卵をぶらさげていれば、安全に嵐に遭遇せず船を舵取る。
 これの心臓は、身につけられていると、身につけている者を、姿よき、好色な、何事においても愛される人、平和な人にする。敵のまっただ中に落ちても、決して不正されることなく、嵐からも、雷からも、決して害されることなく、万事において恵まれた平静な人となる。しかし、自分の皮膚の中に縫いこめ、黄金の小筒に入れて身につけなければならない。
 漁師がこれの子宮ないし頭ないし羽をぶらさげていれば、漁を得損なうことは決してない。この小禽は、羽もろとも煮て食されると、錯乱や狂気を癒す。家の中に置かれていると、争いを逸らす。

3.3."1t"
オンドリ(ajlevktwr)について
3.3.2
 オンドリは有翼類の家禽として万人周知である。
 これの腹は、焼いて、磨り潰し服用されると、赤痢を治癒させる。睾丸と臀を持続的に食すると、強壮(e[ntasiV)と、性交に対する衝動を目覚めさせる。
 古いオンドリのスープは、服用されると、子宮を引き下ろす。これの血は、丹毒やしもやけを癒し、ウミ-ウサギ〔アメフラシのこと。IV-40〕を喰った者をも〔癒す〕。ニンニクを前もって喰って、血の熱いのをブドウ酒といっしょに飲めば、さまざまな爬虫類を恐れなくてよくなる。挽き割り麦といっしょに捏ねて、木の実の大きさにして与えられて、10日間喰えば、血を吐く者たちを救う。
 これの胆汁は、ツバメグサ〔クサノオウ。Dsc.II-211, 212〕の液汁と蜂蜜といっしょに塗布されると、すっかり明視をもたらす。これの糞は、酢といっしょに塗りこめられる、狂犬に咬まれた者たちや傷を療治する。酢といっしょに〔患部に〕あてられると、疔(ねぶと)をやわらかくする。これの脳味噌は酢といっしょに、酢によってではなく薬味酒(kondi:toV)によって服用されると、マムシに咬まれた者を善処する。睾丸はブドウ酒といっしょに飲まれると、性愛を亢進させ、良好状態をもたらす。
 腹の中にある角(つの)状の膜〔砂嚢〕、これを「ハリネズミ(ejci:noV)」、ある人たちは(sifouvkioV)と呼ぶところのものであるが、ブドウ酒に投入した後、乾燥させて、塩あるいは薬味酒といっしょに練って、服用されると、腎臓患者をすっきり治癒させる。オンドリの頭にある鶏冠(lovfoV)は、(condrolibavnoV)とシカの角(つの)少量といっしょに身につけられると、あらゆる夜の恐怖と、襲来するあらゆる不都合を退散させ、身につけている者を恐怖なき者とする。糞は、煎じ汁にして服用されると、鼻孔の鼻づまりを思いがけないくらいにに療治する。

3.4."1t"
サヨナキドリ(ajhdwvn)について
3.4.2
 サヨナキドリは、万人周知の小禽で、ツバメに似ている。これは、春の初めになると、夜も昼も、しかも澄んだ声で、決して歌をやめず、その名も、常に歌っていることからつけられた。
 これの心臓は、まだぴくぴくしているうちに、蜂蜜といっしょに飲みくだし、同じ鳥の別の心臓をその舌といっしょに身につけていると、快適にしゃべる者、美声の持ち主、快適に聞いてもらえる者となる。活きている間にその眼をえぐり出し、身につけていると、身につけている者は、それを身につけている間、まったく眠ることもできず、夢の好意を受けることもない。また、あらゆる歌をやめる。胆汁は、蜂蜜といっしょに塗られると、すっかり鋭い視力をもたらす。

3.5."1t"
ハルペー(a{rth)について
3.5.2
 ハルペーは、生き物を補食する鳥で、ハゲワシに似ているが、もう少し小さくて黄色をしている。これの胃は、乾燥させて粉末にし、挽き割り大麦といっしょに服用されると、尿の出渋りを癒し、 の石を砕き、小腸ないし大腸を手当てする。また、この鳥の胃は、食されても、身につけられても、消化を完全にする。

3.6."1t"
アイテュイア(ai[quiva)〔カモメ?〕について
3.6.2
 アイテュイアは、貪欲な海の有翼類で、万人周知である。これは、帆走する船に出会い、〔その船が〕沈没するときは、翼を広げて、危険を船に予知する。翼を閉じたり、岩の上にいるときは、よい航海を明らかにする。
 これの血は、有毒獣に対する解毒剤となる。胃は、乾燥させて服用されるなり、身につけられるなりすると、完全消化と食欲亢進をもたらす。胆汁は杉油といっしょに塗布されると、 アイテュイア全体は、塩漬けにして食されると、象皮病を癒す。脾臓に対しても同じ働きをする。これの卵は、尿の出渋りや腎臓や喉を癒す。

3.7."1t"
ボロス(borovV)〔ハシボソガラス〕について
3.7.2
 ボロスは万人周知の鳥である。というのは、これは、みながハシボソガラス(korwvnh)と名づけるところのものだからである。自然本性的に邪悪で、アイティオプス人の色をしている。
 これの糞は、ブドウ酒といっしょに服用されると、喘息や咳を癒す。血は、乾燥させて、1コテュレーだけをブドウ酒といっしょに服用されると、水腫症を癒す。心臓は、煮て、気づかれぬよう食べ物や飲み物に入れて女に与えられると、夫に対する愛情を彼女につくりだす。女も男も、お互いにであれ、別々にであれ、精神錯乱になっても、上述のように食べ物や飲み物に入れてこれを取れば、憎しみを同心に変える。
 この鳥の脳味噌は、蜂蜜・ランといっしょに恥部に塗布されると、女との性交に最大の快楽をもたらす。また、彼女からひどく愛され、あなた以外、他の誰にもくっつくことがない。

3.8."1t"
ブゥポン(bou:fon)について
3.8.2
 ブゥポンのことを、不寝番の鳥と言う人たちがいる。昼には見られないが、夜になると、大きな叫び声を発する。
 これの爪は狙いたがわず、用心深く、人間にとってあらゆる誣告に対する護符となる。戦利品を求める連中や嘘つきたちに対しても勝利する。

3.9."1t"
ハゲワシ(guvy)について
3.9.2
 ハゲワシは、最大の鳥類で、大いに有用、万人周知である。
 ハゲワシの雛の有用性は以下のとおりである。これの頭からとれる骨は、紫の縦糸で肘に巻きつけられると、頭痛を治癒させ、頭の慢性的めまいをも〔治癒させる〕。
 これの脳味噌は、(kedriva)と古いオリーヴ油といっしょに練って、こめかみに塗りつけられると、あらゆる頭痛を治癒させ、頭が重い症状(kavrwsiV)をも〔治癒させる〕。これの胆汁は、蜂蜜、ニガハッカの液汁、バルサモンの液汁といっしょに眼に擦りこまれると、鋭い視力をもたらし、いやそればかりか、眼の白内障をも療治する。硬脂は、ブタの硬脂と混ぜられると、関節痛患者、中風患者、また喘息患者、痛風患者、胃病患者、さらには流失から痙攣を起こした麻痺患者〔?〕をも助ける。
 これの心臓は、オオカミの皮に包んで、腕につけられると、あらゆる出血を制止する。あらゆるダイモーンが身につけた者を避け、盗賊たちも獣たちも〔避けるであろう〕。あらゆる人間あらゆる女たちに恩恵を施し、裕福に生活できよう。あらゆる事柄に対しても勝利者となるであろう。
 大きなハゲワシの心臓は、煮て、食事のときにひそかに与えられると、あるいは、乾燥させて飲酒のときに女に与えられると、大いなる親愛と恋情的渇望を彼女らに植えつける。
 これの脳味噌は、調理して、パンと塩といっしょに食われると、嗜眠病患者や腎臓患者を療治する。これの血は、カマイレオン〔Dsc.III-10, 11〕の根とケドリアといっしょに練って、擦りつけられると、丹毒を治癒させ、特に、ビート〔Dsc.II-149〕の上に載せて、胸の上に置かれると、炎症を治癒させる。これの内臓は、塩で煮て食されると、腹の痛みや下痢をすっきり治癒させる。この場合には、腹も融けるまで煮て食されなければならない。これの糞は、バラ油といっしょに擂りつぶして、塗りつけられると、発熱している場合、その人の熱を追い散らす。この糞だけを女の下からいぶすと、彼女の子宮に大いに益することができよう。というのは、彼女の内臓にかかわるあらゆる病状を治癒させるからである。子宮閉塞をも治癒させ、胎児をも排出し、発狂した者たちにも益する。女の狂気をも治癒させる。その診断は次のとおりである。患者をいぶして、汗をかいたら、〔その者は〕狂気に憑かれている。さもなければ、ほかの病状である。同様にてんかん患者をも検査する。
 これの足は、持ち歩かれると、言葉の幸運、行為の成功、敵の沈黙、訴訟相手への勝利に、はっきりかつ思いのほか有効である。これの爪は、焼いて、古いブドウ酒といっしょに練って、身体全体に擦りこまれ、服用されると、敵に対する勝利に有効である。これの口は、これの舌といっしょに身につけられると、夜旅に有効である。というのは、ダイモーンや獣やあらゆる爬虫類やあらゆる悪を追い払い、端的に云えば、あらゆる勝利と金銭の融通をもたらし、言葉の幸運をも〔もたらし〕、諸々の機会や評判や名誉を祝福し、身につけている者にとっての保護者となるからである。だから、聖なる者として、舌といっしょに眼も身体につけるがよい。
 女がこの鳥の随を溶かして自分の腹に7日間塗油し、自分の夫の〔腹〕にも塗油すれば、妊娠しないどころか、全然しないのである。
 これの骨は、焼いて粉末にして、乾燥剤のように保持せよ、貼られると、さまざまな潰瘍を治癒させ、ブドウ酒といっしょに服用されたり洗われたりすると、歯痛に益するからである。胆汁は、ニガハッカの液汁とバルサモンの搾り汁と蜂蜜といっしょに練られると、あらゆる(ajmauvrwsiV)、霞目、白内障をすっきりと治癒させる。
 これの羽は、くすべられると、嗜眠症、子宮閉塞、横隔膜炎患者を療治する。端的に云えば、わしの自然がなすことはすべて、ハゲワシも同じことをなし、それゆえ有用なのである。

3.10."1t"
フクロウ(glauvc)について
3.10.2
 フクロウは、有翼の鳥類で、これをヨガラス(nuktovkorac)とも人々は呼ぶが、これは輪形をした王冠ないし花冠を額の上に持っている。 jatamansi.gif
 これの脾臓は、バラ油ないし甘松香(navrdoV)注33)といっしょに塗布されると、耳痛を治癒させる。これのスープは、服用ないし食用されると、乳の分泌をうながす。頭は、食用されると、頭痛や目眩を治療する。これの卵の雄は、髪を白く染める。どれが卵の雄であるかは次のようにして知る。白い糸を針に通し、卵の真ん中を貫き通して、糸が黒くなれば、雄卵であるが、そうでなければ、雌卵である。月のない夜に、この鳥を煮て、発作にとらわれた者に食べるよう与えれば、救われるであろう。神聖病に憑かれた者にとっても同様である。すなわち、この〔病〕をもすっきり治療する。

(欠番)

3.12."1t"
キツツキ(druokolavpthV)について
3.12.2
 キツツキ — キタタキ(dendrokolavpthV)〔という人々もいる〕 — は、嘴の堅強な小禽で、産卵するときは、樹の洞で、それ以外のところでは産卵しない。だから、ひとが石でその巣をふさぎ、木であれ鉄片であれ、好きなように美しく安全にして立ち去ると、キツツキは行って、知っている植物を持ってきて、木の巣にあて、たちまち開けてしまう。この植物を手に入れた者は、仕舞われたものを何でも開けられる、何ものも彼に対抗できないだろう。
 これの眼は、身につけられていると、鋭い視力をもたらす。これの口は、腕に巻きつけられていると、あらゆる歯痛、葡萄状〔口蓋垂〕の炎症、扁桃腺、kunavgchをたちどころに治癒させる。煮られて食されると、迅速な健康を病者に回復させ、魔術的薬方にとらわれた者を治癒させ、驚異的な良好状態をもたらす。

3.13."1t"
サギ(ejrwdiovV)について
3.13.2
 サギは、諸々の都市の祭壇とか建造物の中に宿営したり、穴に潜んだりしている鳥で、その頭の上に、3本指のように、とびきり長い羽軸を王冠のようにして持っている。
 これのがに股足は、カニの胆嚢といっしょにロバの皮に入れてまとっていると、不眠症患者を眠らせる。ひとが酒宴のおりに、がに股足を入れた布切れを酒の中に置けば、これを飲む者たちは、長い間眠れなかった者のように、何も感じずに眠りこむ。

3.14."1t"
Goldfinchゼーネー(zevnh)について
3.14.2
 ゼーネーは神ゼウスの小禽で、頭部に小さな赤い羽、翼の中に黄金のような〔羽〕を持ち、全身がまったく多彩な色をしている。これをゴシキヒワ(ajstragali:novV)と呼ぶ人たちもいる。
 これは、煮て食べ物にするなり、粉にして服用されたりすると、疝痛や胃病に美しく効く。これの声を聞く者たちをも、思慮深い者となす。

3.15."1t"
「太陽の使い走り」(hJliodrovmoV)について
3.15.2
 「太陽の使い走り」はインドの有翼類で、生まれると同時に、太陽の昇る方角へ飛び立ち、太陽が日没の方角へ傾くやいなや、そこから引き返す。1年以上生きることはなく、産卵するのは雄か雌である。
 これが服用されると、恩恵をもたらす。すなわち、ひとがこれを開いて、内臓に没薬を混ぜて身につけていると、大金持ちになる。食されると、健康をもたらし、その人はその生涯の日々、病気になることがなく、上述のように、これを身につけている者はすこぶる富裕となる。

3.16."1t"
トーペイオン(qwpei:on)について
3.16.2
 トーペイオンは夜行性の鳥である。これの眼と心臓は、身につけられていると、身につけている者を、夜間、恐れなき者とし、眼に関して無害な者とする。食されると、強壮さ(eujexiva)・強健さ(eujstomaciva)をもたらす。

3.17."1t"
「狩猟者(qhreuthvV)」について
3.17.2
 「狩猟者」という有翼類がいるが、これはヒョウ(pavnqhr)とも呼ばれる。これの硬脂は、(calkavnqon)といっしょに注射されると、壊疽を治癒させる。また、蜜蝋・密陀僧(liqarguvroV)〔一酸化鉛(PbO)〕と混ぜられると、古い傷や気管支炎?を治療する。糞は、酢・バラ油といっしょに塗布されると、偏頭痛を治癒させる。

3.18."1t"
タカ(iJevrax)について
3.18.2
 タカが猛禽の有翼類であることは、万人に明らかである。この生き物は、体力の強さの点ではハゲワシと同じだけの力能を有するが、〔身体は〕もっと小さい。
 これの排泄物は、甘いブドウ酒といっしょに服用されれば、分娩を早めるが、もっと多く欲しくなる。これの胆汁は、グレープ・シロップ(glukuV)とサフランとをいっしょに溶かして混ぜ、擦りこまれると、あらゆる霞目や視力低下を治癒させる。生きたまま毟って、ユリ油といっしょに溶けるまで煮られ、油が濾されたとき、これを擦りこむと、あらゆる霞目や視力低下を治癒させるだろう。
3.18.10
 鳥は調理して食されると、神聖病を治癒させる。これの眼は、巻きつけられると、三日熱を止める。心臓は身につけられると、あらゆることに対して、身につけている者を害されることのないままにとどめる。

3.19."1t"
トビ(ijktivnoV)について
3.19.2
 トビは神聖な有翼類である。これの頭は羽を取り除いて乾燥させ、粉末にして、1オンギアの水といっしょに服用されると、足の通風・手の痛風患者に益する。

3.20."1t"
Galeridaカンムリヒバリ(korudavloV)について
3.20.2
 カンムリヒバリ(Galerida cristata)は万人周知の小禽で、頭部に冠毛をもつ。これは煮て、スープもろとも持続的に食されると、胃病患者や赤痢患者に益する。


3.21."1t"
オオガラス(kovrax)について
3.21.2
 オオガラスは万人周知である。これは、捕獲して、生きたまま馬糞の中に漬け、40日間腐らせ、しかる後に焼いて、蝋膏となったものは、痛風患者をすこぶるよく治療する。これの糞は、くすべられると、白い白皮症患者や白癩患者を治癒させる。これの卵は灰色の髪を黒くする。

3.22."1t"
ハシボソガラス(korwvnh)について
3.22.2
 ハシボソガラスはデドーネー(dedwvnh)とも呼ばれ、万人周知の有翼類であり、その心臓は身につけられていると、連れ合いの同心をもたらす。その内臓は、煮て、女にひそかに与えれば、あなたを大いに愛する。その脳味噌は、蜂蜜といっしょに恥部に塗布して女と交わると、〔女は〕あなたを大いに愛し、あなた以外に他の者とひっつくことはない。
 糞は、ブドウ酒といっしょに服用されると、息切れを治癒させる。これの卵は、恥部に塗られると、すこぶる快的にして性的魅力を増し、髪を黒くし、眼の白斑を治療する。これの血は、匙2杯を乾燥させて混ぜ合わせ、ブドウ酒といっしょに服用されると、水腫患者をすっきり治癒させる。
 ハシボソガラスを無傷のまま捕まえて、ひとがもし足に痛感があるときは、右の後ろ指を関節から切り取り、堕落していない子どもによって結んで無菌の靱帯を巻きつけよ、そうしてハシボソガラスはテレビンの香油を塗り、あるいは、全身にオリーブ油を塗布して、生きたまま飛び去るよう放し、その指を患者の足に巻きつけよ。左足に〔痛感が〕あれば、左足に。右足に〔痛感が〕あれば、右足に。こうして、巻きつけたものを洗ってはならず、地面に落としてもいけない、鹿皮の中に包みこんで身につけよ。ところで、切るときはこう言え。「汝の指を、ありとあらゆる人間どもの座骨神経痛の、痛風の治療のために取らん」。そうして、油を塗ったうえで放て。

3.23."1t"
カケス(kivssa)について
3.23.2
garrulus_glandarius.jpg  カケスは、賢い小禽で、人間の声を真似る。これの心臓は、キヅタの根といっしょに身につけられていると、女の痙攣をとめる。同様に排尿困難をも治療する。この有翼類はとりどりの色をしており、食する者を有徳者となす。

3.24."1t"
クロウタドリ(kovssufoV)について
3.24.2
 クロウタドリは、夏の間、快い声でさかんにお喋りする小禽で、羽全体は濃い黒色をしているが、嘴だけは黄金色をしている。
 これは、古いオリーブ油のなかで溶けるまで煮つめられ、この油が塗油されると、後方に反り返る痙攣を解く。同様に座骨神経痛をも治療する。

3.25."1t"
カモメ(lavroV)について
3.25.2
 カモメは海の有翼類で、カワセミと同じ効能を持つ。これの心臓を入手して、難産の女のところに行け、そうすれば、すぐに出産するであろう。しかし、出産と同時に、引き上げよ。何かほかのものまで排出しないように。子宮は干して服用したり身につけられていると、消化をすっきり助ける。

3.26."1t"
ツチボタル(lampurivV)について
3.26.2
 ツチボタルは、羽をもった蛆で、夏、飛ぶ。そして、夜間、星のように発光する。尻〔?〕(sfugkth:r)に灯火を持っている。だから、これを半ロバの皮に包んで女に結びつけておくと、慢性的な不妊とする。ツチボタルをノミのいる床の中に入れると、〔ノミは〕逃げ去るだろう。

3.27."1t"
メリッソス(melissovV)について
3.27.2
 メリッソスは小禽で、夏、美しく歌う。これは、焼いて、蜂蜜といっしょに練って、擦りこまれると、メリケリス注34)や皮脂性腫瘍を療治する。調理して食されると、赤痢患者を治癒させる。

3.28."1t"
ハエ(mui:a)について
3.28.2
 ハエの頭は、豚の硬脂といっしょに練って擂りつぶされると、キツネハゲを療治する。左手でハエをつかまえて、布の中に入れ、結びつけておくと、涙眼を治癒させる。ただし、結びつけるときに、次の言葉を言え。「このハエが空中に飛び去るように、眼病や流れもそのごとくであれ」。ハエは頭を取って擂りつぶされると、目蓋の毛を消滅させる。

3.29."1t"
マミュゲロス(mamugevroV)について
3.29.2.
 マミュゲロスは万人周知の有翼類で、オオガラス(kovrax)と言われるものである。これは捕獲して、生きたまま馬糞の中に埋め、40日間腐らせ、次いで焼いて粉末となし、古いオリーヴ油とバラ油と蜜蝋といっしょに膏薬に調剤されると、痛風患者を療治する。これの糞は、塗りたくられると白癩を治癒させる。これの卵は、明礬といっしょに白い髪の毛に擦りこまれると、時がたつと、これを黒くする。

3.30."1t"
ハチクイ(mevroy)について
3.30.2
 ハチクイは全身緑の小禽で、羽は深紅、ある人たちがgavggrainaと名づけるところのものである。賢くて、カワセミと同じくらい多くのことをする。これが子を生むとき、これの雛が捕まえられないよう望むときは、これをある場所からある場所へと移しかえる。またこれに餌をやるとき、多くの場所に往き来して、それをどこで育てているか気づかれないようにする。
 これの心臓は性的魅力に役立ち、食されると、心臓病患者に益し、黄疸患者や胃病患者をも。ハチクイとと呼ばれるのは、人間にすぐに馴れ、これに友愛の念を感じるからである〔「メロプス」の語源は、「死すべきもの」から「人間」の意とされる〕。これの胆汁は、蜂蜜やヘンルーダの液汁といっしょに眼に擦りこまれると、白内障を治癒させる。糞はブドウ酒といっしょに擦りこまれると、心臓病患者をすこぶる益する。これの心臓は、練って服用されると、黄疸患者を助け、友愛を獲得する。

3.31."1t"
アヒル(nh:ssa)について
3.31.2
 アヒルは川、湖、陸に住んでいる動物で、万人周知である。これの血は、まだ温かいうちか、あるいは乾燥させてから、ブドウ酒といっしょに服用されると、あらゆる毒獣を呑みこんだ者たちを救い、またマムシに咬まれた者たちを治癒させ、能力と健康をもたらす。塗布されても同様に毒獣に咬まれた者たちに益する。これの硬脂は、多くの点で健康に有用で、軟膏の多くの施術に貢献する。

3.32."1t"
スズメ(xou:qroV)について
3.32.2
 スズメ — strou:qoVとか、purgivthV〔櫓のもの〕とか、trwglivthV〔穴もぐり〕とかこれを呼ぶ人たちがいる — は、万人周知の小禽である。これの排泄物は、ブドウ酒といっしょに服用されると、最大の強壮剤となる。イノシシの硬脂といっしょに擦りこまれると、キツネハゲを発毛させる。調理して食われると、人間に快楽を植えつける。これの硬脂は、天日で焼いた後、アディアントン〔Dsc.IV-136、ホウライシダ〕といっしょに、日に2度、貼りつけられると、益する。

3.33."1t"
コウモリ(ojfeva)について
3.33.2
 コウモリは、(nukterivV)と言われる鳥類である。これは、確かに翼を持っているが、ただし四足獣でもある。ツバメのように飛ぶが、四足獣のように授乳もする。これの血は、見つけられた毛をあらかじめ抜いておいた場所に擦りこむと、もはや別の毛は二度と生えないであろう。頭は、三日熱や四日熱、嗜眠症や下痢の病状の人に結びつけておくと、治癒させよう。同様に、これの頭や心臓を身につけると、大いに不眠となる。
 三匹をつかまえて、その地方の高い場所にぶらさげておくと、襲来する雲霞のごときバッタがその地方から追い払われるであろう。同様に、これを高い木の上にぶらさげて、これを広げておくと、あらゆるバッタがその〔樹木〕のところに集結させられるであろう。シュリアでも同じように用いられる。
 女が自分の血を羊毛布に受けて、サテュリオンという植物〔ラン科の植物、Dsc.III-143〕といっしょに膣坐薬にして子宮に当てると、たとえ最高の不妊であっても、妊娠するであろう。

3.34."1t"
メンドリ(o[rniqoV)について
3.34.2
 メンドリは(ajlektorivV)とも言われる家禽であって、万人周知である。
 これの糞は、酢蜜といっしょに服用されると、鼻炎患者たちに吐瀉させ、解毒剤となる。これは下痢患者にもぴったりである。擦りこまれると、蟻いぼや黒髪症〔?〕を治癒させる。これの硬脂は、スタピス・アグリア〔Dsc.IV-156、キンポウゲ科ヒエンソウ属の植物〕といっしょに擦りこまれると、頭の膿漿やふけをすっきり療治する。脳味噌は、擂りつぶされると、歯の生えかけた子どもに益するが、ブドウ酒で服用されると、サソリに刺された者を助ける。これのまだどきどきしている心臓は、太腿に結びつけられると、分娩促進の最善のお守りとなる。
 これの肝臓は、練って、大麦粉、水といっしょに塗りつけられると、痛風患者に益する。硬脂はカンショウコウ〔Dsc.I-6〕といっしょにどろどろにされると、耳痛に有用であり、女たちに膣坐薬にもなり、腱の共感症〔?〕にも益する。雛たちは、割いて、毒を出す腫瘍に当てれば、その毒をすべて引き出す。ただし、もはや液汁が出なくなるまで、継続的に交換しなければならない。次いで、オリーヴの緑の葉を刻んで、オリーヴ油と塩といっしょに腫瘍に当てなければならない。
 メンドリたちの最新の糞は、擦りこまれると、凍傷や履き物の擦過傷を治癒させる。蟻いぼをも取り去る。服用されると、キノコを食った者たちに顕著に助ける。乾かして、硝石と乾燥した香油といっしょに練ると、キツネハゲをすぐに発毛させる。脳炎のときには、メンドリが喉を切られ、まだ生きているうちに割かれ、その内側にあるものすべてが放り出されたとき、彼女〔メンドリ〕が患者の頭に当てられれば、この〔患者〕を大いに利する。

3.35."1t"
ウズラ(o[rtux)について
3.35.2
 ウズラは万人周知の鳥類である。これの眼は、結びつけられていると、眼病を治癒させ、三日熱をも四日熱をも〔治癒させる〕。これが煮られ、そのスープが服用されると、腹をやわらかくする。食されると、腎臓を療治する。

3.36."1t"
コウノトリ(pelargovV)について
3.36.2
 コウノトリは最美の鳥類である。というのは、春になると、皆がいっしょに兵籍登録して飛び立つ。すると、他の異なった鳥類 — 野生のガチョウもアヒルも — のうち、あらゆる種類の鳥類もアイギュプトスやリビュアやシュリアから飛び立ち、リュキアのいわゆるクサントス河に赴き、そこで、オオガラスやハシボソガラス、コクルマガラス、ハゲワシなど、およそ肉食のものらと戦争を開始するのである。それゆえ、かの地に立ち合ったものらは皆、好機を見出すのである。
 ペリカンたちの軍勢は、河の岸の一部に対峙し、オオガラスやハゲワシや、肉食の鳥類全体の〔軍勢〕は、河の別の岸に整列する。彼らは6ヶ月の間中戦争を続ける。そして、戦争が起こるとともに、叫び声は天まで聞こえる。河の流れは、傷ついた鳥たちの血にそまり、羽は抜けてその数語り得ぬほど、このゆえに、リュキア人たちはこれらの羽を寝床の敷物に用いる。戦争の開始後、傷ついたオオガラスや、肉食鳥の残りの多数を目にするであろう、同様に、コウノトリたちやペリカンたちや、彼らの間にある他の鳥たちの少なからざるものたちをも。多くのものが戦争中に斃れて屍骸となった。しかし、相互の闘いと両者による勝利は、全人類に報される。というのは、コウノトリたちの軍勢が勝てば、穀物やその他の種子が多く惜しみなくある。オオガラスたちの〔軍勢〕が勝てば、羊や牛やその他の四つ足が多くなるからである。
 コウノトリたちは、他にも顕著な自然性を持っている。すなわち、彼らの両親が年老い、飛ぶことができなくなると、生子たちは、それぞれの腋にかかえて運んで場所から場所へと移動し、そうやって養う。さらに目が見えなくなると、生子たちは口移しでこれを養い、彼らの間の恩返しや返報のことは、(ajntipelavrgwsiV)と言われるのである。
3.36.30
 さらに、次のような効能をも持つ:これの卵は、ブドウ酒といっしょに練られると、毛を黒くする。ただし、眉間や眼をパン種で塗り固めなければならない、眉間や眼まで垂れたり〔?〕染めたりしないためである。髪が染められた後は、洗って、クマないしイノシシの硬脂の溶けこんだギンバイカ油ないし未熟なブドウの実の搾り汁(ojmfakivnon)〔Dsc.V-6〕で塗油せよ。コウノトリの小さな雛を取って、空の土器の中に入れ、蓋を閉めて、焼き釜に入れて調理し、黒こげになったら、灰を取り除いて、粉末にすると、眼の霞や涙の流れ、逆まつげ、そういったかぎりのことに対する有用な眼の軟膏として保持できよう。術者のように作用する。これを眼の水薬にしたいときは、煙を使わない蜂蜜の(to; ajrkou:n)〔?〕を加えよ、そうしていっしょに練って用いるがよい。
 生きているコウノトリの足や脚や翼から筋を引き抜いて、足の痛風患者や手の痛風患者に、似た部位に似たものを巻きつけよ、そうすれば、治癒させるであろう。コウノトリは、年に1度、春の初め、それが戦争へと飛び去る前に、煮て食されると、食した者を、筋や関節に起因する害や痛みから守り通す。足の痛風、手の痛風、膝の痛風、座骨神経痛、関節痛、反弓緊張、筋に関するかぎりの病状を逃れるからである。
 これの糞は、ヒヨス〔Dsc.II-165, 166〕やチシャ〔Dsc.II-166〕の葉といっしょに塗りこめられると、足の中風患者に益する。腹の中にある「ハリネズミ」〔砂嚢〕を取って、ブドウ酒で洗って、陰干しして、練って保持せよ。ひとが猛毒を飲んだ場合、これを引っ掻いて、海水を混入されたブドウ酒の中に入れよ。与えて飲ませよ、そうすれば、無害のままとどめられるであろう。これの内臓は、食されると、下痢患者や腎臓患者を治癒させる。胆汁は、擦りこまれると、鋭い視力(ojxudorkiva)をもたらす。
 戦争に勝利したコウノトリの心臓を取って、敗北したタカないしハゲワシの皮に包み、その際、心臓に次のように書きつける、「わが訴訟相手にわれは勝てり」、そして、右腕に巻きつければ、身につけた者は、あらゆることに征服されざる者、驚嘆すべき者となり、戦争においてであれ訴訟においてであれ、どんなことにおいてでも、自分を凌駕する者たちに勝利するであろう、不易の勝利のお守りにして、最大の護符だからである。

3.37."1t"
ハト(peristerav)について
3.37.2
 ハトとは、万人周知の有翼類である。また、インドに樹があり、両手利き(peridevxion)と呼ばれる。これの実は甘く、有用である。そのため、ハトたちがこれを喜び、宿り、営巣する。この樹をヘビが恐れ、そのため、その影からさえも逃れようとする。樹の影が日の出の方角に傾けば、ヘビは日没の方角へと逃げる。日没の方角へと樹の影がまわれば、ヘビは日の出の方角へと走る。また、この樹のせいで、ハトたちをつかまえるだけの力強さをもたない。この樹から迷い出るものがいるかどうか、わたしは知らない。しかしそういう場合は、これに息を吹きかけて、引き寄せて食べる。しかし、みながいっせいに飛ぶときは、ヘビも、タカ(ojxuvpteroV)も、これをあえてつかまえようとはしない。だから、この樹の葉や花は、くすべられると、あらゆる悪を追い払う。
 また、ハトの柔毛は熱い血をもっていて、滴らせられると、打撃による潰れ眼をひとつにして治療する。排泄物は、大麦、イリス産小麦〔?〕、オーク・ガム、豚の硬脂といっしょに〔患部に〕あてられると、壊疽を囲い込み、瘰癧を固める。
 酢といっしょに塗布されると、痣や顔のしみ、焼き印を取り除く。心臓といっしょに混ぜられると、白皮症をも〔取り除く〕、また、舐められると、癩病をもすっきり治す。アイギュプティアの栄養十分な土とサフランの調合物と酢といっしょに練られて額に塗布されると、頭痛をすっきり治療する。オリーブ油といっしょに座席に塗油されると、子宮閉塞を治す。
 雄の睾丸は、夫から妻に与えられると、性欲亢進剤となる。雌の子宮は、夫にとって〔性欲亢進剤となる〕。その〔ハトの〕卵は、食されると、勃起させる。

3.38."1t"
ヤマウズラ(pevrdix)について
3.38.2
 ヤマウズラは狡猾な有翼類で、同類を捕獲するために、あらかじめ養育する。この〔鳥〕は、ほかのものの卵を、あたかも自分のものようにはぐくむ。しかる後に、〔雛たちは〕卵から親に生長すると、立ち去る。育てたものを独り後に残して。
 これも胆汁は、蜂蜜、バルサモンの樹液、ウイキョウの汁といっしょに塗油されると、視力を鋭くする。これの肉は、マルメロやメロンといっしょに煮られ、食され、どろっとしたブドウ酒といっしょにスープが服用されると、下痢患者や胃病患者を療治する。
3.38.10
 これの卵は、食されると、性欲を亢進させる。催淫剤でもある。ハッカ(mevnta)といっしょに練って擦りこまれると、鋭い視力をもたらし、分娩を促進する。ガチョウの硬脂といっしょに練って、擦りこまれると、養い親の牝に多くの乳をもたらす。卵の残りは、蜜蝋やカラミン(kadmeiva)〔Dsc.V-84〕といっしょに練って、調合して、塗りつけられると、女たちの傾いた〔?(neneukovtoi)〕乳房を矯正する。

3.39."1t"
ラムピオス(rJamfivoV)について
3.39.2
 ラムピオスは、ネイロス〔=ナイル〕河畔に飛んでいる有翼類で、ペレカノス〔=ペリカン〕と言われ、アイギュプトス〔=エジプト〕の湖にも棲息している。  この〔鳥〕はきわめて子ども思いである。だから、雛たちを生み、〔雛たちが〕少し生長すると、彼ら〔親鳥〕の顔を打つ。すると、彼らは我慢ならず、子どもたちを打ち据え、これを死に至らせる。しかし、後になってこれを悼み、自分が殺した子どもたちのことを嘆く。かくしてちょうど3日目に、彼らの母鳥は自分の子どもたちを憐れみ、自分の脇腹をついばんで押し広げる。そして血を、当の死んだ子どもたちの死体の上にふりかけ、これを生き返らせ、ある自然な仕方によって目覚めさせるのである。
 そういう次第で、これらの胆汁は、石鹸といっしょに洗われると、白皮症の黒っぽいのを治癒させ、黒っぽい皺を同色にする。また、黒ずんだ銀を白くし、あらゆる黒い色素を治療する。またその血は、原因は何であれ発作を治癒させる。
 point.gif『自然究理家』第4話参照。

3.40."1t"
ズアオアトリ(spivnoV)について
3.40.2
 ズアオアトリは姿のよい小禽で、万人周知、田舎に棲んでいる。これは食べられると、よい姿を与え、人間を酔わなくして守る。

3.41."1t"
尻揺すり(seisopugivS)について
3.41.2
 尻揺すり〔アリスイ(Iynx torquilla)〕は水路や街路で見かけられる小禽である。これの尻は全体が動くのが、そういうふうに名づけられている所以である。
 さて、ひとがこれ全体を翼もろとも生きながら鍋(cuvtra)に入れ、丸焼きにして、粉末にし、酒宴で女に与えると、彼女を恋情から解放されたものとする。かりそめならぬ魅力があるからだが、これを知っている者は誰もいない。

3.42."1t"
クジャク(tawvn)について
3.42.2
 クジャクは神聖このうえない鳥で、極彩色、良姿、尾にいたるまで歓喜を有する。これは、交尾するとき、声をあげる。そして交尾の後、後ろに後退する。交尾するのは春のみである。
 これの卵は黄金細工に使うが、それはガンの〔卵〕と同様である。クジャクが死ぬと、腐敗することもなく、悪臭を放つこともなく、没薬を混ぜられたようでありつづける。
 これの脳味噌は性的魅力に効がある。心臓は、身につけられていると、よい姿と幸運をもたらす。これの血は、服用されると、悪霊たちを追い払う。
 これの内臓と糞は、くすべられると、あらゆる邪悪と魔術を追い払う。本体は食されると、赤痢患者を治療する。糞は、服用されると、発作を治癒させる。

3.43."1t"
ヤマバト(trugwvn)について
3.43.2
 ヤマバトは万人周知の小禽で、一夫一婦制をまもる。
 これの糞は、母乳ないし蜂蜜といっしょに塗られると、白内障をきれいにする。これの熱い血は、点眼されると、眼の〔打撃による〕充血を治癒させる。灰も薔薇油といっしょに練られ、塗られると、子宮を手当てする。ヤマバトそのものは、食されると、男性に対しても女性に対しても慎み深くさせ、黒い白皮症を治療する。これの卵は、恥部に塗られるとすこぶる気持ちよくなり、性的魅力を増し、毛髪や白皮症を黒くする。

3.44."1t"
ヒュペルイオニス(uJperionivV)について
3.44.2
 ヒュペルイオニスは雌ワシのことである。これの能力は、雄のそれと同様である。これの糞は蜂蜜といっしょに喉痛をすっきり治癒させ、クビのあたりの疾患や咳にも益する。これの心臓は、女たちに飲みくだされると、彼女たちを強くし、健康にし、男たちより強くて聡いものと〔なす〕。

3.45."1t"
モリバト(favssa)について
3.45.2
 モリバト(Columba palumbus)は万人周知の有翼類である。これの熱い血は、点滴されると、眼の充血を治癒させる。薄膜に注がれると、炎症部の炎症をとる。これの胃は、粉末にして服用されると、腎結石をきれいにする。

3.46."1t"
ヒゲワシ(fhvnh)について
3.46.2
 ヒゲワシ(Gypaetus barbatus)は、ミサゴ(ojstoklavthV)という有翼類で、これは肉食であるばかりか、骨まで食するところのものである。これの乾燥した胃腸は、粉末にしてブドウ酒といっしょに服用すれば、完全消化の働きをする。また身につけられていても、同じ働きをする。同様に、尿砂症や排尿困難をも療治する。この鳥の太腿から取った骨は、結びつけられていると、脚の静脈瘤を療治する。胆汁は、蜂蜜といっしょに擦りこまれると、白斑を療治し、癩やそれに類したものらをも〔療治する〕。

3.47."1t"
キジ(fasianovV)について
3.47.2
 キジは万人周知の鳥類である。これの糞は、擦りこまれ服用されると、強壮剤をなす。これの硬脂は、強直痙攣患者にすこぶる益し、子宮の病状にも〔益する〕。これの血は、毒獣の解剤となる。胆汁は鋭い視力をもたらす。

3.48."1t"
オオバン(falarivV)について
3.48.2
 オオバンは、いわゆる「眉間白」(leukomevtwpoV)という鳥類である。全体に黒いが、その眉間だけがじっさい白い。河や湖で見出される。これの脳味噌は、古いオリーヴ油といっしょに混ぜられると、人間に瘢痕を残すヘドラのあらゆる病状を療治する。この鳥は、食われると、毒獣に対する必要不可欠の解毒剤となる。

3.49."1t"
カラドリオス(caradriovV)について
3.49.2
 王宮にいるカラドリオスという鳥は予知能力を持っている。というのは、ひとが弱って、この鳥を自分の前に連れてきたとき、その顔を病人からそむけたら、〔病人は〕死ぬ。だが、病人を見つめたら、病気をすべて取り去り、太陽まで飛び立ち、病気をかなぐり捨てて、病者も鳥も助かる。この〔鳥の〕心臓と頭が身につけられていると、身につけているひとを、その全生涯にわたって、あらゆる苦から無病、無被害となす。
 point.gif『自然究理家』第3話参照。

3.50."1t"
ツバメ(celidwvn)について
3.50.2
 春、万物を目覚めさせるツバメは、万人周知の小禽であり、次のような効能を持っている。
 これの雛を土器に入れ、あらかじめ〔蓋を〕泥で塗りこめて火にかける、次いで土器を開けてよく調べると、二羽の雛は抱き合い、二羽の雛は互いに背きあっているのを見出すであろう。そこで、抱き合ったのを取って、バラ油といっしょに練って、女に塗油せよ、たちどころに汝のいうことを聴くであろう。逆にまた、灰を飲むよう与えると、恋情から発狂するであろう。これの解決策:背きあった雛たちの灰を取って、塗油するか服用するかせよ、そうすれば過大な恋情は逸らされるであろう。
 これ〔雛たち〕や母鳥の灰は、蜂蜜といっしょに擦りつけられると、喉痛患者を治癒させる。蜜乳といっしょに服用されると、気管支の潰瘍をも〔治癒させる〕。ツバメは継続的に食されると、神聖病を療治する。雛の腹の中にある石は、右腕に結びつけられていると、肝臓病患者をすっきり治癒させる。空咳、鼻風邪、口蓋垂炎、扁桃腺炎、そしてあらゆる眼病のお守りとなる。
 眼は、眉間に結びつけられると、眼病を止め、分娩を促進させる。これの脳味噌は、蜂蜜とともに、白内障に関係する。灰も同様には蜂蜜とともに擦りこまれると、鋭い視力をもたらす。塗りたくられると、同様に、喉や舌の、すでに拡大して壊死した腫瘍を療治する。
 これの巣にある泥は、水とともに練って、頸や喉に塗りつけられると、炎症や喉の痛みを治癒させる。アヘンと酢といっしょなら、頭痛を止める。これの糞は、服用されると結節を治癒させる。雌ヤギの胆汁といっしょに混ぜて黒髪を染めよ、そうすれば黒い白癩を治癒させる。翼の和毛はメボウキ〔Dsc.II-171、Ocymum basilicum〕といっしょに女に結びつけられると、難産の女の分娩促進のお守りとなる。
3.50.30
 他の巻から。この鳥の最初の雛たちの心臓は、割かれると、2つの石を排出する。ひとつは火色で、ひとつは白色である。そこで、白色の石は、てんかん患者によって持ち歩かれると、これを予想外に治癒させる。火色の石を結びつけておくと、痛みを運び去る。

3.51."1t"
ガチョウ(chvn)について
3.51.2
 ガチョウは万人周知の鳥類である。
 さて、活きたガチョウの舌を鋏で切り取り、眠っている男あるいは女の胸に納めると、行為したかぎりのことすべてについてあなたに同意するであろう。喉を掻き切ったばかりの、とりわけ野生のガチョウの温かい血は、毒獣を呑みこんだ者すべてにすぐに飲むよう与えよ、そうすれば不正されることはないであろう。
 これの脳味噌は、自身の硬脂とともに、また、蜂蜜ないし調理した煮汁〔?〕といっしょに押し当てられると、指のひび割れや血の出る皺、〔指の〕あらゆる炎症を療治する。バラ油と硬脂と調理された卵の黄身といっしょに練られると、子宮の炎症に効く。シカの随といっしょなら、手のひび割れとしもやけにぴったりである。ユリ香油(krinivnwon ejlaivon)といっしょに挿入されると、死んだ胎児を堕ろす。アフタには、ホオズキ〔Dsc.IV-71、Solanum nigrum〕の液汁といっしょなのが有用である。蜂蜜といっしょには、舌に関する病状を治癒させる。カンショウコウ〔Dsc.I-6〕といっしょだと、慢性的に流れる耳に効く。乾燥させたブドウの核といっしょに練られると、ようをきれいにする。
 これの、とりわけ野生のこれの胆汁は、ニラネギ〔Dsc.II-179〕ないしパソス〔Dsc.IV-4, 5〕の液汁とともに膣坐薬として当てると、妊娠させ、男にも強壮剤となる。硬脂は膣坐薬の壊れない芯に有用である。糞は水といっしょに服用されると、咳を止める。野生のガチョウの糞は、くすべられると、ダイモーンを追い払い、嗜眠症を治癒させ、膣閉塞をも〔治癒させる〕。これの胆汁は、牛の胆汁と月桂樹の液汁といっしょに難聴を治癒させる。
 これのスープは、ブドウ酒といっしょに服用されると、酒とかアコニトン〔Dsc.IV-77、キク科の植物〕とか、ドリュクニオン〔Dsc.IV-75〕とかを呑みこんだ者たちの助けになる。ガチョウの内臓は、調理して食されると、肝臓は胃病患者に益し、胃腸は下痢患者に、内臓は疝痛患者に〔益する〕。心臓と肺は肺癆患者を治癒させる。

3.52."1t"
オウム(yittakovV)について
3.52.2
 オウムは季節の鳥類で、薄緑色をしており、その脚と口は火色をしている。アイギュプトスのテーバイで見出され、インディアにも〔見出される〕。強力な口を持っており、鉄をも削るほどであるが、人間の声をも生物全体をも真似する。  これの口は、身につけられていると、ダイモーンを追い払い、あらゆる悪寒発熱をも〔追い払い〕、ガチョウができるかぎりのことができる。食されると、黄疸患者や、肺癆患者を美しく治癒させる。

3.53."1t"
ホシムクドリ(yavroV)について
3.53.2
 ホシムクドリは、斑点のある、万人周知の小禽であり、これが毒人参を食すること、ウズラがヘッレボロス(eJllevboloV)〔ユリ科バイケイソウ属の植物、Veratrum album、Dsc.IV-150〕を〔食する〕がごとしである。
 これがイネを喰らうときは、これの糞は洗浄剤となり、その結果、そばかすを払拭し、痣や目の麦粒腫〔ものもらい〕をも〔払拭する〕。これは食されると、あらゆる種類の毒獣を呑みこんだ者たちすべての助けになる。あらかじめ喰っておいても、不正されること決してなく、害されることもない。

3.54."1t"
ノガン(wjtivV)について
3.54.2
 ノガンは、万人周知の最大の鳥類である。これの硬脂は、乳香や没香といっしょに塗油されると、疥癬を療治する。ノガンの腎臓を、空腹時に継続的に食すると、決して腎臓の痛みを感じさせない。

3.55."1t"
卵(wjav)〔複数形〕について
3.55.2
 鳥類の新しい卵は、炎症患者に擦りこまれると、〔これを〕治癒させる。安産した卵は、結びつけられると、分娩促進のお守りとなる。眼の病状に対して大いに有用であり、また必要不可欠でもある。卵黄は、ギンバイカといっしょに調理されると、履き物による擦過傷を治癒さ、あらゆる炎症や粘液を抑える。膣坐薬にも、ヘドラ周囲〔の病状〕や、子宮の病状にも有用で、またあらゆる痛みを治癒させ、とりわけ単独や結節の炎症に〔有用である〕。なまのまま呑みこまれると、女の下り物や吐血を抑え、気管支〔の予後〕を明るくする〔?〕。指の炎症やひび割れやあらゆる痛みにもすっきりと効く。これの殻は、焼いて粉末にされると、鼻血をとめる〔「鼻をかむ」〕。拭われると、歯痛〔の予後〕を明るくする〔?〕。皮膜は唇のひび割れやざらざらした舌に有効であった。黄金作りにもぴったりの効果がある。ガチョウやクジャクの卵も同様である。
 トキの卵は、調理されると、獣を追い払う。ハシボソガラスの卵は、恥部に擦りこまれると、とっておきの快楽剤、性的魅力を増した。ツバメの卵も同様で、髪や白斑を黒くする。ハトの卵は、食されると、強壮剤となる。ウズラの卵は、蜂蜜といっしょに練られると、鋭い視力をもたらし、分娩促進剤値なる。ダチョウの卵は、擦りこまれると、痛風患者に益する。
 クモの卵は、三日熱には3個、四日熱には4個、毎日熱には1個、食されると、あらゆる悪寒や熱病、あらゆる悪を追い払う。鳥類の夢精卵は、ロバの尿に入れて煮て、腎臓患者、下痢患者に食うよう与えよ、そうすれば治癒させられること、驚くほどである。海のカメの卵は、食われると、精神異常者たちを療治する。
 キュラニスの第3巻の終わり。

END

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