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back.gifキュラニデス第5巻

ヘルメス文書

キュラニデス
第6巻

Cyranides VI






6."t".1
<キュラニスの第6巻>。諸々の鉱石の効能と色について、アルファベット順に。

6.1."3t"
<アントラクス(a[nqrax)〔紅玉〕について>
6.1.4
 アントラクスは、高価で、純粋、ランプ石(lucnivthV)、火と輝き、王の渇望の的となる石で、インドに産する。これは、粉末にして服用されると、喀血患者たちを利し、サソリに刺された者たちを益する。

6.2."1t"
アカテース(ajcavthV)〔瑪瑙〕について
6.2.2
 アカテースは、全体がシトロン色をした単色の石である。マムシに咬まれた者たちを益し、ブドウ酒といっしょに服用されると、4日熱の悪寒に〔益し〕、またくすべられると、〔悪寒が〕来る前に治癒させる。

6.3."1t"
アメテュソス(ajmevqusoV)〔紫水晶〕について
6.3.2
 アメテュソスは、外観が紫色をした鉱石である。これは服用されると、酔っぱらいを正気にし、酔わない者となす。また、身につけられていても、同じ働きをする。

6.4."1t"
アゲーラトス(ajghvratoV)について
6.4.2
 アゲーラトスは、粘りけがあって汗をかく鉱石である。口蓋垂〔のどちんこ〕が炎症にかかった者たち益する。また、焼いて服用されると、胃病患者たちを治癒させる。

6.5."1t"
ダイヤモンド(ajdavmaV)について
6.5.2
 ダイヤモンドは効能のある鉱石で、臍の大きさをしている。最美なのが産するのはインドであるが、第二位は、アラビア、キュプロス、マケドニアに〔産する〕。色はやや輝き、黄玉(crusolivqoV)に類似している。効能の点でも、諸々の効能全体の基礎をなす収斂性の効用を有すること、あたかもこの鉱石そのものが繊維(ijnavria)を有するがごとくである〔?〕。しかし、この鉱石はあらゆる働きをするが、自身は何ものにも作用されない。腎臓病患者たちに有益であり、また、粉末にして塗りこめられると、大理石像にも〔有益である〕。

6.6."1t"
アルメニア石(ajrmeniakovV)について
6.6.2
 アルメニア石は洗浄剤用の石である。下腹部をきれいにし、服用されると、メランコリアに罹った人に調和する。しかし胃には悪い。

6.7."1t"
ベーリュッロス(bhruvlloV)について
6.7.2
 ベーリュッロスは暗い海の色をしている。最大の石である。これは粉末にして服用されると、テンカン患者や脳炎患者を療治する。

6.8."1t"
バビュローン石(babulwvnioV)について
6.8.2
 カルダイオイたちによってバビュローン石と呼ばれるものとは別物である。焼かれると、紅玉のように、あるいは日の出の曙光や日没の火の輝きのようになる。このサルディオス石は、バビュローンでは白くなるが、縞を持ち、ランプのように炎が燃える。これは、粉末にして服用されると、毒にあたった人の解毒剤となる。風呂の中で酢蜜といっしょに服用されると、硬化した脾臓をやわらかくする。

6.9."1t"
<乳石(galai&koV livqoV)について>
6.9.2
 乳石は、積み石よりも濁っているが、しだいに鋭くなる視力をもたらす〔?〕。出産しようとする女たちにとって、身につけられていると、痛みをなくするか、守るかし、左腿に巻きつけられていると、分娩を早める。

2008.07.21. 訳了。

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