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back.gif「草木の諸徳について(De virtutibus herbarum)」4/5

ヘルメス文書/占星術の作品

草木の諸徳について

De virtutibus herbarum(5/5)

[底本]
TLG 1004 005
De virtutibus herbarum (e codd. Paris. gr. 2256 + Venet. App. cl. V 13 + Mosq. 415)
Astrol., Med.

H.-V. Friedrich, Thessalos von Tralles [Beitr′ge zur klassischen Philologie 28. Meisenheim am Glan: Hain, 1968]: 195, 199, 203, 207, 211, 215.



草木の諸徳について(De virtutibus herbarum(5/5)

TLG1004 005
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 もしも、このようなクリマに産する植物に精通せず、にもかかわらず、必要性から、別の地方から採取せざるを得ない事態に至ったら、7曜日〔1週間〕の各曜日ごとに、それらのおのおのを採取することを考察せよ。〔その曜日は〕あの星に属するばかりか、植物も所属し、あの日の時刻も同じ星に属することは、ここ、われわれのもとにおいて説明されるのとどうようである。そこで、これを大地から引き抜くさいには、さしはさまれる祈りもつ付け加え、採取した後は、その植物が穀物や大麦の穀粒を見出すときに〔???〕、水槽の中に投げ入れよ。
 遊行する星辰の日々は以下のとおりである。
第1曜日、すなわち、太陽の主日と第1刻限、この日時の植物はキコーリオン〔ムラサキ科ダチルリソウ属の植物、Dsc.IV-194〕とポリュゴノン〔Dsc.IV-4, 5〕
第2曜日、第1刻限、月の〔主日〕、アグラオパントン〔=シャクヤク〕とキュノバテー〔?〕
第3曜日、第1刻限、火星の〔主日〕、ペウデカノン〔?〕とオオバコ〔Dsc.II-153〕
第4曜日、第1刻限、水星の〔主日〕、プロモス〔ゴマノハグサ科の植物(Verbascum sinuatum)、Dsc.IV-104〕とペンタピュッロン〔「五つ葉」の意。Dsc.IV-42〕
第5曜日、第1刻限、木星の〔主日〕、サンカローニオン〔?〕とエウパトリオン〔Dsc.IV-41〕
第6曜日、第1刻限、金星の〔主日〕、パナケイア〔Dsc.III-55, 56, 57〕とペリステレオーン〔IV-60, 61〕
第7曜日、第1刻限、土星の〔主日〕、アエイゾーオン〔「永遠の生き物」の意。ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属の植物、あるいは、ベンケイソウ科キリンソウ属の植物、Dsc.IV-89, 90, 91〕とツルボラン〔Dsc.II-199〕
これらに加えて、月が満月であったり、その宮を通過するとき、その日の遊行する星に属するとせよ。
 それぞれの植物の採取(sugkomidhv)時に言われる祈り —
 「万能者たる主よ、見えざるもの・見えるものあらゆる被造物の造物主よ、この目に見える被造物の諸部分 — 同生、同音のものらは、それによって生じる〔結果?〕において相互に等しい効能を有するようになし、逆に共感性なく同音でないものらは、相互の混合と合一から、まさしく同じように節度ある混淆ができあがり、これらが御身の偉大さのとどろきわたる伝令者となるようにさせるかたよ、今もみずから、ここにある恐るべき植物 — 遊行する〔星辰〕から生まれたの恐るべき星と共感するよう定めたもうた〔この植物〕 — の調合によって、御身の形成物にふりかかる諸々の病を退散させるために、治療の用をなすよう、こ〔の植物〕が強力であり、有力であり、激烈であって、御身の名が永遠の永遠に至るまで祝福され、誉め讃えられようにとの御身の命令によって、明らかに同じ星に対する協働者となることをおはからいください、アメーン」。
 この祈りは、病気の療治の必要な際にも言え、調製の際には特に。

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しかしながら、前述の植物としては、アイギュプトス、アラビア、アシア、シュリア、さらにはまたイタリアに産するものらを用いよ。というのは、これらのクリマは、その他の〔クリマ〕よりも熱いらしいからである。

というのは、地上に生えるあらゆる〔植物〕は、気息の抜け道が二倍に増えることができないので、クリマのより寒い地帯では、植物の通気孔は塞がって、その厚さのせいで気息は充分な抜け道をもたず、それゆえ、それら〔植物〕の効能は弱々しいものとなるが、上述のクリマでは、熱さに由来する植物の開放性のせいで、宮の大気がたっぷりと自分に引き寄せられるので、これら〔効能〕は、より強力、強烈なものとなるからである。

2008.11.09. 訳了。

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