Atthis

アンドロティオーン断片集



[底本]
TLG 1125
ANDROTION Hist.
(5-4 B.C.: Atheniensis)
3 1
1125 003
Fragmenta, ed. K. M[u]ller, FHG 1. Paris: Didot, 1841-1870: 371-377.
frr. 1-59.
5
(Q: 1,953: Hist.)





アッティス(Atthis)』

t, ante1-1
《第1巻》

ante 1
Frag. Lexici rhet. <Kerykes>〔ケーリュクス家〕

  〔欠損〕アンドロティオーン『アッティス』首巻によれば、ケクロープスにはアグラウロス(Agraulos)、アルセー(Arse)、パンドロソス(Pandrosos)という3人の娘がいて、これ〔パンドロソス〕がヘルメスと交わって、生まれたのがケーリュクス(Keryx)である。

断片1
Harpocration「全アテーナイ祭(Panathenaia)」の項。
 ……この祭礼を執り行ったのは、ヘパイストスの子エリクトニオスだとは、ヘッラーニーコスとアンドロティオーンの主張である、両者いずれも『アッティス』首巻において。


t2-5
《第2巻》

断片2
Stepha. Byz.

 デルポイ(Delphoi)。……デルプウシア(Delphousia)もアルカディアの都市であると、アンドロティオーンが『アッティス』第2巻の中で。

断片3
Harpocration

  収入役(Apodektai)〔「国庫収入の寄託を受けて、これを保管し、その手許からそれぞれの統治部門に分配する」アリストテレス『政治学』第6巻8章 1321b30以下〕。収入役とは、アテーナイにおける一種の役職である。……コーラクレタイ(kolakretai)に代えて収入役がクレイステネスによって創設されたと、アンドロティオーン第2巻。

断片4
Schl. ad Aristoph. Aves 1540。

 コーラクレテースつまり国家財務の会計官。文法家のアリストパネス〔喜劇作家のアリストパネスとは別人。前3世紀後半、ビュザンティオンの学者。アレクサンドリア図書館長〕の主張では、彼らは裁判官の報酬の会計官で、これの管理をしたのみならず、彼の主張では、神々への奉納物をも、ここから出費し、アンドロティオーンが次のように記している。「ピュティア〔=デルポイ〕に赴く祭礼使節団には、コーラクレタイは軍船艤装費用(nauklerika)の中から旅費として銀子を、また他にも必要経費を与えた」。

断片5
Harpocration

 カルモス(Xarmos)の子ヒッパルコス(Hipparchos)は……と、リュクウルゴスは主張している。……この人物については、アンドロティオーンが第2巻の中で採り上げ、僭主ペイシストラトスの同族で、かつて陶片追放に関する法が初めて制定されたとき、最初に陶片追放された人物である。民衆指導者として、また、将軍として僭主的であったため、ペイシストラトス一門に対する猜疑があったからである。


t6-12
《第3巻》

断片6
Stephan. Byzant.

 ハリカルナッソス。……市民はハリカルナッソス人(Halikarnasseus)。……アンドロティオーンは『アッティス』第3巻の中でハリカルナッソスの人(Halikarnassios)と主張している。

断片7
Steph. Byz.

 カパイ(Kapai)。ヘレスポントスの都市。アンドロティオーン『アッティス』第3巻。

断片8
Steph. Byz.

 パナクトン(Panakton)は、アッティカの砦だと、アンドロティオーンが『アッティス』第3巻の中で。

断片9
Stephan. Byz.

 パルパローン(Parparon)は、小アジアのアイオリス地方。……市民パルパローンの人(Parparonios)は、パルパローンの属格に由来する。……アンドロティオーンは『アッティス』第3巻の中でパルパローン人(Parparoniotai)と主張している。それがパルパローニア〔地方〕(Parparonia)という言い方に由来するのは、テッサリア(Thessalia)からテッサリア人(Tessaliotes)という〔言い方ができる〕ようなものである。

断片10
Harpocrat.

 「十人」と「十人の一人」(Deka kai dekadouchos)
 ……支配したのは、「三十人(hoi triakonta)」の後に就任した「十人(hoi deka)」であった。「三十人」〔体制〕崩壊後、アテーナイ人たちに挙手採決された「十人」とそれに続く人たちについては、アンドロティオーンが第3巻の中で述べている。

断片11
Harpocrat.

 モルピス(Molpis)。……ペイライエウス市内派のモルピス。要は、「三十人」に次いで「十人」が支配権を握ってペイライエウスで支配したが、そのなかの一人がモルピスだったと、アンドロティオーンが『アッティス』第3巻の中で。

断片12
Harpocrat.

 オプリュネイオン(Ophryneion)は……トロイアスの都市だと、アンドロティオーンが『アッティス』第3巻の中で明らかにしている。


t13-14
《第4巻》

断片13
Schol. Arist. Nub. 981

 牛殺し祭(Bouphonia)とはアテーナイの極めて古い祭礼。すなわち、ディイポリア祭(Diipolia)のときに、供儀用に準備された牛(bous)という煎餅を食べるといわれている。一種のタウロン祭(Thaulona)では、どうやら、斧で牛を殺したらしいが、このことはアンドロティオーンも第4巻で言及している。

断片14
Steph. Byz.

 アルゲンヌウサ(Argennousa)〔=Arginous(s)ai〕は、トローアスの陸地近くの島……種族はアルゲンヌウサの人。アンドロティオーンが『アッティス』第4巻の第10章で。


t15-17
《第5巻》

断片15
Steph. Byz.

 マリエウス(Malieus)は、マリエウス人たちの名だたる都市。……市民はマリエウス人。マリア湾(Maliakos kolpos)もある。Maleatesとも言われる。アンドロティオーン第5巻で。

断片16
Steph. Byz.

 メトゥリアデス(Methouriades)とは、アイギナとアッティカとの中間、トロイゼン近傍にある諸島。アンドロティオーン『アッティス』第5巻に。

断片17
Harpocrat.

 ケーピソドトス(Kephisodotos)は……アンドロティオーンが『アッティス』第5巻の中で語っているところでは、アローペコンネソス(Alopekonnesos)を攻囲したために解任され、裁判に掛けられて捕らえられ、罰金5タラントンを支払ったという。


t18-23
《第6巻》

断片18
Steph. Byz.

 アイライ(Airai)とは、マケドニアの都市。他にイオニアの〔都市〕もある。〔イオニアの〕種族は(Aireus)だが、マケドニアのそれはアイライの人(Airaios)。ヘレスポントスのほとりにもあり、この都市の種族は、アンドロティオーン『アッティス』第6巻の中では(Airates)である。

断片19
Steph. Byz.

 アルケシネー(Arkesine)は、アモルゴス島にある3都市の中のひとつ。〔3都市とは〕すなわちメラニア(Melania)、ミノーア(Minoa)、アルケシネー(Arkesine)である。……種族はアルケシネー人(Arkesineus)。アンドロティオーンは『アッティス』第6巻で。「アモルゴスの人たち、ミノーア人たち、アルケシネー人たちに」。

断片20
Steph. Byz.

 グレーシノス(Gresinos)は、ケロネソスの都市。種族はグレーシノスの人(Gresinios)だと、アンドロティオーンが『アッティス』第6巻で。

断片21
Steph. Byz.

 カリュドナ(Kalydna)は、島、またテーバイの都市も。……市民はカリュドナの人(Kalydnaios)……またKalydniosともと、アンドロティオーンが『アッティス』第6巻で。

断片22
Steph. Byz.

 テーロス(Telos)は、キュクラデス群島の中の一島。……種族はテーロス人(Telios)。アンドロティオーン『アッティス』第6巻による。

断片23
Harpocrat.

 ネオーシ(Neosi)。……ポーキスの都市で、これをヘロドトスは第8巻〔32章、33章〕でネオーン(Neon)と名づけているが、アンドロティオーンは『アッティス』第6巻の中でネオーナイ(Neonai)と。


t24-25
《第7巻》

断片24
Steph. Byz.

 メタコイオン(Metachoion)は、ボイオティアの砦で、オルコメノスとコローネイアとの中間にある。……種族は、メタコイオン出身……か、あるいは(Metachoiates)である。……しかしアンドロティオーンは、第7巻の中で、メタコイオンの住民と主張しているが、おそらくは冗語である。

断片25
Steph. Byz.

 ストリュメー(Stryme)は、トラキアの都市だと、アンドロティオーンが第7巻で。


t26
《第8巻》

断片26
 Stephanus Byz.

 アコンティオン(Akontion)は、アルカディアの都市。……他にもエウボイアにあると、クセナゴラスが、またアンドロティオーンも第8巻で。


t27
《第12巻》

断片27
Harpocrat.

 アムピポリス(Amphipolis)。……トラキアの単独の都市。以前は、「九道(Ennea hodoi)」と呼ばれたと、アンドロティオーンが『アッティス』第12巻の中で。



t28-59
出典不明断片集(FRAGMENTA INCERTAE SEDIS)

断片28
Scholiastes Pind. Isthm. VII, 13

 アンドロティオーンの主張では、フェニキアから亡命したカドモスは、ちりじりばらばらになってテーバイに上陸した。そこでは、混交と分住が行われたので、スパルトイ(Spartoi)と呼ばれた。しかし、テーバイ人たちは自分たちのことをいつわって奇怪な話に仕立てた。

断片29
Schol Eurip. Phoen. 674

 ステーシロコスによれば、ヨーロッパでアテーナは歯牙を種播いた、と主張する。これに反してアンドロティオーンは、彼らがスパルトイである所以は、彼の主張では、彼らがフェニキアからカドモスについてきて、ばらばらに住んだからだという。

断片30
Tzetz. ad Lycophr. 1206

 歴史家のアンドロティオーンは、一種の分散状態で、と主張する、カドモスはテーバイに赴いた、と。

断片31
Schol. ad Homer. Od. XI, 271

 オイディプスの父ライオスは、生まれてくる自分の子が自分を亡き者にするという、ポイボス〔アポッローン〕の神託を受けて、イオカステを娶り、オイディプスを生むや、この子をシキュウオンに棄てた。しかし馬飼いたちが拾いあげて、これを育てた。かくして、若者に成長したオイディプスは、テーバイに赴き、両親を捜し求めた。しかし、心ならずも自分の父親を殺害し、知らにこととはいえ、自分の母親と結婚した。スフィンクスの謎を解いたからであるが、それは、「二足は何、三足は何、四足は何」というものであった。(もちろん、われわれなら、二足は人間、三足は杖をついた老人、四足ははいはいする幼児、と云う)。さて、かかる事情のもと、エテオクレスと、ポリュネイケス、そして二人の娘、アンティゴネとイスメネが生まれた。ところが、後になって、イオカステは、わが子と交わったことを知り、みずから縊れてはてた。他方、オイディプスの方は、クレオーンに追放され、アッティカの地に赴き、ヒッペウス・コロノスというところに住み着き、デメテルや、都市の守護神アテーナとゼウスといった神々の神殿で、嘆願者となった。(とはいえ)クレオーンのそそのかしで、テセウスを信じることができなかった。しかし、臨終に際して、オイディプスは老齢のためテセウスを呼んで、テーバイ人たちの誰にも自分の塚を教えないよう頼んだ。〔テーバイ人たちは〕彼と屍体を傷つけたがるからである。この史話はアンドロティオーンの著作にある。

断片32
Schol. Sophocl. Oed. Col. 744

 伝説では、この地でポセイドンは初めて馬たちを軛につけ、飼い慣らしたという。……つまり、コロノス・ヒッペウス〔騎兵のコロノス〕というのは、アンドロティオーンにしたがってわたしが提示した理由で名づけられたのである。

断片33
Pausan. X, 8

 この地にヘッラス人たちの同盟を設立したのは、デウカリオンの子アムピクチュオンであり、この人物にちなんで、参集者たちの呼称がアムピクチュオネスになったと一部の人たちはみなしている。しかし、アンドロティオーンは、『アッティス』という書の中で主張している、――最初は、近隣地域から寄り合ってデルポイにやって来た。そして、この参集者たちがアムピクチュオネスと名づけられたが、時代とともに、彼らの今日の名称が有力となった、と。

断片34
Schol. Sophocl. Oed. Col. 1046(1108)

 アンドロティオーンが記しているところでは、〔秘儀〕入信式を考案したのはエウモルポスではなくて、それに関してはエウモルポスは5番目の人物である。すなわち、エウモルポスの子がケーリュクス、これの子がエウモルポス、これの子が詩人ムウサイオス、これの子がエウモルポスで、入信式を継承し、大祭司(hierophantes)となった人物だと。

断片35
Steph. Byz.

 テトラポリス(Tetrapolis)〔四市〕は、アッティカの都市である……しかしアンドロティオーンは、その第4巻でテトラポリドス(Tetrapolidos)と称している。

断片36
Aelian. V. H. VIII, 6

 往古のトラキア人たちに、文字を解する者は一人もいなかった。いや、それどころか、ヨーロッパに住んでいる野蛮人たちは皆、文字の使用を恥ずべきこととみなしていた。ところが、アジアに暮らす人々は、それをよく用いていた。ここにおいてまさしく敢言されるのである、――オルペウスは、トラキア人であるから、知者などではけっしてなく、彼にまつわるもろもろの神話はわけもなく虚言しているにすぎないと。これを言っているのはアンドロティオーンである、もしも、トラキア人たちの無文字や無教養を根拠にしての立論を信ずればだが。

断片37
Tzetzes ad Lycophr. 495

 アイゲウス(Aigeus)は、アテーナイの人にして、エレクテウスの末裔である。一部の人たちの言では、この人物も、テーバイの龍の歯から生い出た人たちの一人だと言うのだが、アンドロティオーンも同様である。

断片38
Schol. Villois. B Iliad. XIII, 685

 イオネス人たち(Iones)とイアオネス人たち(Iaones)とは異なっている。アンドロティオーンがこう主張しているからである、――彼ら〔イアオネス人たち〕は標石をラケダイモーンの方に向けて立て、そうやって境とした。こちらは、ペロポンネソスではなく、イアオネス〔地方〕である。対して、イオネス人たちは反対の地点から同様にした。そちらは、イアオネスではなくて、ペロポンネソスである。したがって、後者の人たちはそちらに住み、前者の人たちはこちらに住む。

断片39
Aristid. t. III

 ヘロドトスはソロンをソフィステースと呼ばなかったであろうか? ピュタゴラスをもそうしなかったであろうか? アンドロティオーンは7人をソフィステースと呼び名しなかったであろうか? だから、わたしは〔彼らを〕知者と言うのである。

断片40
Plutarch. Solon. c. 15

 もちろん、一部の人たち――そのなかにアンドロティオーンが含まれている――は記している、――負債の帳消しによってではなく、利息の引き下げのおかげで軽減されて、貧乏人たちは喜び、その人間味のある政策と、それと同時に、量目と貨幣価値との増大を重荷降ろし(seisachtheia)と名づけたのである、と。

断片41
Athen. IX, 4〔375b〕

 アンドロティオーンの主張によれば、家畜(thremma)の子孫〔を絶やさぬ〕ために、毛を刈り込まれない羊とか子を生んでいない羊とかを血祭にしてはならないという古法があった。そのため、成獣(ta ede teleia)を食した。……今も、アテーナの女神官は子羊(amne)を供儀しないというしきたり(ethos)がある。

断片42
Schol. Arist. Acharn. 253

 パッレネイス(Palleneis)はアッティカの区であるが、ここで、僭主になろうと企むペイシストラトスと、これを防衛しようとするアテーナイ人たちとの戦いが起こった。……この件については、アンドロティオーンも、またアリストテレスもその『アテーナイ人たちの国制』〔15章(3)〕の中で、言及している。

断片43
Schol. Arist. Vesp. 941
 ミレシアスの息子トゥキュディデースは、ペリクレースの政敵であった。……しかしながら、歴史家テオポンポスは、ペリクレースの政敵はパンタイノスの子であると主張するが、しかしアンドロティオーンばかりか、ミレシアスの子本人までがこれを否定する。

断片44
Marcellin. De vita Thuc.

 同名異人の4人目のトゥキュディデースは、詩人、区はアケローンの人。この人物に言及しているのは、アンドロティオーンが『アッティス』の中で、父はアリストンだと言っている。

断片44a
Schol. Aristid. III, ad verba [(gr.)サモス攻撃に際しては、10将軍団の一人として彼つまりペリクレースが(/gr.)]

 サモスにおける10将軍の名前は、アンドロティオーンによれば以下のとおりである。アナギュルウス区民ソクラテス、コロノス出身の悲劇詩人ソポクレス、キュダテナイ区民アンドキデス、スカムボニダイ区民クレオーン、コラルゴス区民ペリクレース、ケラメイス区出身のグラウコン、アカルナイ区民カリストラトス、メリテ区民クセノポン。

断片45
Schol. Sophocl. Oed. Col. 697

 ラケダイモーン勢は、ペロポンネソス兵ならびにボイオティア兵10万でアッティカに攻めこんで、ラケダイモーンの王ゼウクシダモスの子アルキダモスの嚮導のもと、アテーナ女神のいわゆる軍団を制したと、アンドロティオーンも主張している。

断片46
Schol. Arist. Nub. 549 sqq.

 アンドロティオーンの主張では、彼(クレオーン)が戦死したのはアルカイオスが筆頭執政官の時であるという。……クレオーンが戦死したのはアミニアスが筆頭執政官の時である。これより前〔の紀年の執政官〕はイサルコスで、この人物が筆頭執政官の時に『雲』が公演されたのである。しかしながらアンドロティオーンは、アルカイオスは、アミニアスの後〔の紀年執政官〕で、その〔アルカイオスが〕筆頭執政官の時、『雲』の上演の2年後にクレオーンは戦死したという。

断片47
Schol. Arist. Av. 13

 〔『鳥』の上演の〕2年前〔前418年〕に、(アテーナイ勢は)マンティネイアを撤退したが、そのひどさたるや、将軍たちもラケスとニコストラトスとを失ったほどである。〔『戦史』第5巻64-75に詳述されている〕

断片48
Schol. Lucian. Tim. 30

 ヒュペルボロス〔前411年没〕は、アンドロティオーンの主張によれば、アンティパネスの子であったが、不行跡のせいで陶片追放されたという。

断片49
Pausan. VI, 7

 〔ロドスの〕ドリエウスの最期のもようは、『アッティス誌』の中でアンドロティオーンによって述べられている。大王の艦隊がカウノスにあったとき、コノーンもこの艦隊の将軍であったが、ロドスの民衆はコノーンの説得で、ラケダイモーンから大王ならびにアテーナイの同盟国へと寝返ったので、このときドリエウスは、ロドスを後にして、ペロポンネソスの外れの地域へと出奔した、しかしラケダイモーンの男たちに彼は捕らえられた。そしてスパルタへと連行され、不正をしたとしてラケダイモーン人たちによって有罪判決を受け、彼は死罪に処せられたという〔前395年〕。もしもアンドロティオーンがありのままの話(logos)を語ったのなら、ラケダイモーン人たちはアテーナイ人たちとほとんど同じであったようにわたしには見える、――アテーナイ人たちにも、トラシュロスや、このトラシュロスといっしょにアルギヌウサイで戦闘指揮した者たちに対する弾劾という性急さがあったからである。

断片49a
 Schol. Aristid.

 亡命者たちは300人であったと、アンドロティオーンは主張する。

断片50
Ulpian. ad Demosth. leptin. 41

 この戦闘についてはヒュペリデスが述べている。……エポロスやアンドロティオーンの著作にも、アテーナイ勢にラケダイモーン勢は圧勝したと記録している。

断片51
Pollux VIII, 10

 知られた法廷ヘリアイア(Heliaia)は……メーティコスの精華であり、これに言及しているのがアンドロティオーンである。……メーティコスの大法廷は、建築家メーティコスにちなんでそう呼ばれ、裁いたのは、三十歳以上の、完全市民権を有し、かつ、公庫に負債のない者たちであった。

断片52
Stephan. Byz.

 アイトーリア(Aitolia)。……アイトーリアもペロポンネソスの都市であり、この都市をラケダイモーンの諸都市に編入しているのは、アンドロティオーンの『アッティス』である。

断片53
Steph. Byz.

 ボリッソス(Bolissos)は、キオス(Chios)のとなり、アイオリアの山上にある都市。……アンドロティオーンがひとつの巻<σ>で書いている。

断片54
Steph. Byz.

 エパリタイ(Eparitai)は、アルカディアの種族。……この種族については、クセノポン、エポロス、アンドロティオーンが述べている。

断片55
Steph. Byz.

 トゥレア……第10巻にアカルナニアのトゥリオン(Thyrion)も出てくる。種族はトゥリオン人(Thyrieus)、〔スウニオン(Sounion)の種族が〕スウニオン人(Sounieus)〔になる〕ようなもの。アンドロティオーンはトゥリオンの人(Thourios)と主張する。

断片56
Stephan. Byz.

 イテア(Itea)は、アカマンティス部族の区。区民はイテア区民(Iteaios)。アンドロティオーンは3音節で言う。

断片57
Stephn. Byz.

 クローピア(Kropia)は、レオンティス部族の区。……しかしアンドロティオーンは、この区をクローパ(Kropa)と主張する。

断片58
Steph. Byz.

 オイヌウス(Oinous)は、ラコニアの小都市(polichnion)だと、アンドロティオーンとディデュモス〔Didumos、前40年ころのアレクサンドリアの歴史家〕が。

断片59
Etym. M. の項目

 Brisaiosと、そういうふうにディオニュソスが。第10巻では、この衝動的な人物によれば、"brizein"〔「こっくりする」の意、つまり、頷く意にも、居眠りするにもなる〕の派生語として出て来るにしても、他方、第8巻では、レスボスのブレーセー(Brese)という山にちなむとしても……。この山に言及しているのはアンドロティオーン。ブリセー(Brise)にある神の神殿はマカルによって建設されたと主張しているからである。


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