メネデーモス

［略伝］

メガロポリスのケルキダス(Kerkida:V)(fl. 225 BC)
　政治家、立法者、詩人。前226年頃、スパルタのクレオメネース3世に対抗するため、シキュオーンのアラトス、アンティゴノス3世ドソンの間を取り持ち、アカイア同盟に対するマケドニアの援助を取り付けた。前222年、セッラシアの戦いにおいて、彼はメガロポリスの歩兵1000を指揮した。スパルタの敗北後、自分の都市の新体制を築いた。諸々の逸話は、ホメーロスに対する傾倒を証している。

諸作品
　書物、断片はほとんど伝存していない。イアムボス〔短長格〕詩の中に、唯一、明らかにだらしない生活を勧める詩（fr. 14 Powell)が伝わっている。その他の断片はすべてmelivamboi〔跛行短長格詩。詩型はイアムボス調の抒情詩だが、内容は諷刺〕で、そのなかのかなりの作品がPOxy. 1082の中に保存されている。これらの詩の内容は倫理的であり、貧者への関心を示し、因習的な態度に疑問を呈し、思弁的な考えに苛立ちを表明して、パピルスの中でケルキダスに犬儒のレッテルを貼ることと首尾一貫している。しかしながら、彼が公的な仕事に携わっていたという観点からは、彼の犬儒哲学の範囲と本質は問題である。（Fr. 1 Pow. は、シノーペーのディオゲネースに対する賛嘆を表しているが、言葉遣いは半ば皮肉である）。詩は革新的であり、大胆な新造語を伴う文学的ドーリス語で書かれ、表現は印象的で、韻律は力強い。ホメーロスやエウリピデースの引用を含むほか、広い範囲の著者に言及し、アレクサンドリアが学問を独占していたのではないことを思い起こさせる。A. D. Knoxが、ケルキダスもまた道徳的な詩句の精華集を編んだという主張は、現代では一般に否定されている。

TEXT
　Powell, Coll. Alex. 201-13;
　Diehl, Anth. Lyr. Graec. 3. 141-52;
(with trans.) A. D. Knox, Cercidas and the Choliambic Poets (bound with Theophrastus, Characters) (Loeb, 1929; repr. 1993), 403-55;
　E. Livrea, Studi cercidei (1986);
　L. Lomiento (1993);
ed. and comm. by E. Livrea and F. Williams (in prepration).
GENERAL
　D. R. Dudley, A History of Cynicism (1937), 74-84;
　J. L. López Cruces, Les Méliambes de Cercidas (1995).

(OCD, F. W.)