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back.gifメートロクレース

犬儒派作品集成

クレオメネース




[略伝](出典:Wikipedia「Cleomenes the Cynic」

クレオメネース(KleomevnhV)(fl. c. 300 BCE)
 犬儒派の哲学者。テーバイのクラテースの弟子〔D.L. vi, 95〕。アレクサンドリアのティマルコスや、エペソスのエケクレースを教えたといわれ、後者はさらにメネデーモスを教えた〔D.L. vi, 95〕。

 彼は『子どもの指導について(PaidagwgikovV)』を書き、これをもとにディオゲネス・ライエルティオスは、シノーペーのディオゲネースに関する次の逸話を伝えている。

 また、クレオメネースが、『子供の指導について』という表題の書物のなかで謂っているところによると、知己たちが彼〔シノーペーのディオゲネース〕の身代金を払ってやろうとしたら、彼の方は、彼ら〔知己〕のことをおめでたいと云ったという。というのは、ライオンだって、飼い主たちの奴隷ではなくて、飼い主たちこそライオンの〔奴隷〕だから、と。つまり、恐れるというのは奴隷のすることだが、この野獣は人びとに恐怖をあたえるのだから、と。
 〔DL vi. 75〕

 この逸話が重要なのは、シノーペーのディオゲネースが海賊につかまって奴隷に売られたという伝説の初期の言及があり、この伝説が大いに真実らしいという考えに信任を与えるからである。


forward.gifボリュステネースのビオーン
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