テレース作品集(4/8)
[底本] TLG 1699 TELES Phil. (3 B.C.: fort. Megarensis) 5 1 1699 005 Peri_ sugkri/sewj peni/aj kai_ plou/tou (ap. Stobaeum), ed. O. Hense, Teletis reliquiae, 2nd edn. Tübingen: Mohr, 1909 (repr. Hildesheim: Olms, 1969): 45-48. 5 (Q: 456: Phil.) 『貧と富の比較(B)』 45."1t" 45.2 あるいはさらに、普通の家僕たちは、自分を養い、かつ、その主人に報酬まで払うが、自由人は、自分自身を養うことができないね。そういうわけだから、生計を持たぬ者は、そのような気がかりから解放されているので、何の持ちあわせもないことにはるかに悠々としていられる。例えば、目下の戦争において、〔生計を持たぬ者は〕自分自身のことよりほかに何も気にしていないが、富者は他人のことまで〔気にしている〕。だから、ソポクレースがオイディプゥスをしてこう言わせているのも悪くない―― さらにまた、諸々の都市においては、富者たちは貧者たちよりも尊敬されていると人々は謂う。こういう人たちは、アリステイデースのことを聞いていないようにわたしに思える。つまり、彼はアテーナイ人たちの誰よりも最も物乞い的であったのに、最も尊敬されていた、そして、アテーナイ人たちが諸々の都市に貢納を課そうとしたとき、この人物を〔査定官に〕任命した、誰ひとり〔彼〕より義しく査定する者はいないと思ったからだ。。そうして、カッリアスは、アテーナイ人たちの中で最も富者であったにもかかわらず、アリステイデースがカッリアスの〔家政者〕であるよりは、〔カッリアスが〕アリステイデースの家政者となるよう下命されたということ、また、アリステイデースがカッリアスの富を恥じること、カッリアスがアリステイデースの貧しさを〔恥じる〕よりもはるかにはなはだしかった。 あるいはまた、スパルタ人リュサンドロスよりも尊敬された者、あるいは、より多くの名誉にあたいすると思われた者が誰かいるだろうか。この人物も、娘たちに嫁資を与えて嫁がせることができなかった。他にも、富者たちよりも大きな名誉に与った人たちを、あなたが望むだけひとは云うことができよう。だから、エウリピデースがエテオクレースを称讃してこう言ったのも不適当ではなかったようにわたしに思われるのだ。つまり、欠乏した若者であったけれど、 |