ダニエルの黙示〔1〕
[解説] [底本] TLG 4362 APOCALYPSIS DANIELIS Apocryph., Hagiogr. Incerta 4362 003 Apocalypsis Danielis (prooemium et capitulum primum) (e cod. Paris. gr. 2316, fol. 380v) Apocalyp., Apocryph., Astrol. Date of manuscript = A.D. 15 P. Boudreaux, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.3. Brussels: Lamertin, 1912]: 171-179. 8. ところが、コーンスタンティヌゥポリスの王コーンスタンス〔2世。在位641-68〕の御代には、アラビア人たちの始祖モアビアス〔ムアーウィア。ウマイヤ朝初代〕が最大勢力で進発して、ローマ人たちのロドスの地までも略奪しつつ (172) 下ってきて、この〔島〕も、この〔島の〕海岸〔地方〕全体をも蹂躙した。そこで王はこれを聞いて、民を集結させて、ポイニキアに到着し、このモアビアスに対抗布陣し、戦端を開いた。ローマ人たちは敗北したが、同じコーンスタンスはやっと助かって、恥辱にまみれて都市に引き返した。だがモアビアスは勝利に驕って、周辺地に殺到しつつコーンスタンティヌゥポリスそのものにまでも押し寄せ、この書に出会い、書かれている内容に驚き、個人的な対話でアラビア人たちに心変わりさせ、今日までもここに残ったのである。 6753年には、 神のお助けで、この書の絵は、 初め。第1章。オクトーブリオス月[オクトーブリオス月〔8月〕の初め]は31日を有する。この月をヘッラス人たちが1年の (173) 初めとする所以は、太陽の周回がこの〔月〕から始まるからである。さらに秋の初めでもあり、この〔月〕の入口に大気の乱れが起こり、以下の徴を取れ、つまり、 第1章。日蝕について。 第2章。月蝕について。 第3章。太陽の周回について。 第4章。月の周回について。 第5章。月の誕生について。 第6章。尾の出現について。 第7章。稲妻のごとき星々の発射について。 第8章。虹ないし弓の登場について。 第9章。天における短刀に類似したものについて。 第10章。天における紅い 第11章。天における風変わりな徴について。 第12章。天における人間に類似したものの出現について。 第13章。雷鳴について。 第14章。稲妻について。 第15章。閃光と発火した線について。 第16章。大雨について。 第17章。ひどい霧について。 第18章。紅い降雨? 第19章。蛙たちとか蛆虫たちとかの降雨について。もし目下の月に蛙たちや蛆虫たちの降下が<起これば>、(178) 徴候をなすのは、多量の小麦大麦・豆類の豊作と降雨。しかし四足動物の死と、自分たちの王たちのもとにいる寄留民からのひどい(そのうちの何人かは不正に依って土地を耕しもしないほどの)悪行、とくに商人たちにおける損害、強力な人間どもの死。 第20章。われわれを取り<巻く>大気の驚異について。もし目下の月に大気が驚かせば、徴候をなすのは、人間ども同士の混乱と争い。また雨粒の欠乏、大いなる人間どもの消滅、同じ時期に住む住民の患難と動乱。 第21章。昼から夜への交替について。もしこの月に昼が夜に交替すれば、徴候をなすのは、難関、軽視、民の喧噪を。副食物と肴は美しいが、豆類の厳密さ???と同所における船の難破。 第22章。風の乱れについて。もしこの月に風の乱れが起これば、徴候をなすのは、大プリュギア人たちの消滅の〔徴候〕。またその地における流血と多大な悲嘆????死と腐敗がこの期間に四足動物たちに生じる。 第23章。天上から聞こえる音や声について。もし〔それが〕<おこれば>、その徴候は敵王の対抗布陣、その地方の私人たちや寄留者たちの恐怖、騒動、同所の商人たちや旅人たちの損失の〔徴候〕。 第24章。大地の底から聞こえる声について。この徴候は、恐怖、民の騒動、商人たちの損失を〔示し〕、湿気の期間はひどい降雨、降雪、降霜の〔徴候〕。 第25章。地震について。> もし目下の月に地震が (179) 昼間に起これば、飽食するほどの副食物の徴候をなす。葉物も秣も野菜も同様である。だが大いなる人間は滅びる。だがもし夜間に生まれれば、病弱、過誤、恐怖、騒動を明らかにし、また合戦、羊たちの雑音?を〔明らかにし〕、アイギュプトスとバビュローニアの王たちが戦端を開き、そこにおいて両軍から多数が戦死するだろう。 2019.01.16. 訳了。 |