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back.gifダニエルの黙示〔1〕


原始キリスト教世界

ダニエルの黙示(2)




[解説]


[底本]
TLG 4362
APOCALYPSIS DANIELIS
Apocryph., Hagiogr.
Incerta

4362 003
Apocalypsis Danielis (prooemium et capitulum primum) (e cod. Paris. gr. 2316, fol. 380v)
Apocalyp., Apocryph., Astrol.

Date of manuscript = A.D. 15
P. Boudreaux, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.3. Brussels: Lamertin, 1912]: 171-179.




8.
(171)
 アイギュプトスの王プトレマイオス・ピラデルポス〔プトレマイオス2世フィラデルフォス〔在位 283-246 BC〕)は38年間王位にあった。その王国でこの人物はヘブライオイ人たちを隷従させて、ヘブライ語の聖なる書全巻をギリシア語に翻訳するよう強制し、ヘブライオイ人たちの知者70人を選んで翻訳させた。これら全巻の中にこの『預言者ダニエル』という書 — この世の終わりまでに到来する事柄を、生起する天上の不可思議の偶然のままに告げ知らせる極めて驚異的にして周知の〔書〕 — も含まれていたのである。

 ところが、コーンスタンティヌゥポリスの王コーンスタンス〔2世。在位641-68〕の御代には、アラビア人たちの始祖モアビアス〔ムアーウィア。ウマイヤ朝初代〕が最大勢力で進発して、ローマ人たちのロドスの地までも略奪しつつ (172) 下ってきて、この〔島〕も、この〔島の〕海岸〔地方〕全体をも蹂躙した。そこで王はこれを聞いて、民を集結させて、ポイニキアに到着し、このモアビアスに対抗布陣し、戦端を開いた。ローマ人たちは敗北したが、同じコーンスタンスはやっと助かって、恥辱にまみれて都市に引き返した。だがモアビアスは勝利に驕って、周辺地に殺到しつつコーンスタンティヌゥポリスそのものにまでも押し寄せ、この書に出会い、書かれている内容に驚き、個人的な対話でアラビア人たちに心変わりさせ、今日までもここに残ったのである。

 6753年には、

 神のお助けで、この書の絵は、

 初め。第1章。オクトーブリオス月[オクトーブリオス月〔8月〕の初め]は31日を有する。この月をヘッラス人たちが1年の (173) 初めとする所以は、太陽の周回がこの〔月〕から始まるからである。さらに秋の初めでもあり、この〔月〕の入口に大気の乱れが起こり、以下の徴を取れ、つまり、

 第1章。日蝕について。

 第2章。月蝕について。

 第3章。太陽の周回について。

 第4章。月の周回について。

 第5章。月の誕生について。

 第6章。尾の出現について。

 第7章。稲妻のごとき星々の発射について。

 第8章。虹ないし弓の登場について。

 第9章。天における短刀に類似したものについて。

 第10章。天における紅い

 第11章。天における風変わりな徴について。

 第12章。天における人間に類似したものの出現について。

 第13章。雷鳴について。

 第14章。稲妻について。

 第15章。閃光と発火した線について。

 第16章。大雨について。

 第17章。ひどい霧について。

 第18章。紅い降雨?

 第19章。蛙たちとか蛆虫たちとかの降雨について。もし目下の月に蛙たちや蛆虫たちの降下が<起これば>、(178) 徴候をなすのは、多量の小麦大麦・豆類の豊作と降雨。しかし四足動物の死と、自分たちの王たちのもとにいる寄留民からのひどい(そのうちの何人かは不正に依って土地を耕しもしないほどの)悪行、とくに商人たちにおける損害、強力な人間どもの死。

 第20章。われわれを取り<巻く>大気の驚異について。もし目下の月に大気が驚かせば、徴候をなすのは、人間ども同士の混乱と争い。また雨粒の欠乏、大いなる人間どもの消滅、同じ時期に住む住民の患難と動乱。

 第21章。昼から夜への交替について。もしこの月に昼が夜に交替すれば、徴候をなすのは、難関、軽視、民の喧噪を。副食物と肴は美しいが、豆類の厳密さ???と同所における船の難破。

 第22章。風の乱れについて。もしこの月に風の乱れが起これば、徴候をなすのは、大プリュギア人たちの消滅の〔徴候〕。またその地における流血と多大な悲嘆????死と腐敗がこの期間に四足動物たちに生じる。

 第23章。天上から聞こえる音や声について。もし〔それが〕<おこれば>、その徴候は敵王の対抗布陣、その地方の私人たちや寄留者たちの恐怖、騒動、同所の商人たちや旅人たちの損失の〔徴候〕。

 第24章。大地の底から聞こえる声について。この徴候は、恐怖、民の騒動、商人たちの損失を〔示し〕、湿気の期間はひどい降雨、降雪、降霜の〔徴候〕。

 第25章。地震について。> もし目下の月に地震が (179) 昼間に起これば、飽食するほどの副食物の徴候をなす。葉物も秣も野菜も同様である。だが大いなる人間は滅びる。だがもし夜間に生まれれば、病弱、過誤、恐怖、騒動を明らかにし、また合戦、羊たちの雑音?を〔明らかにし〕、アイギュプトスとバビュローニアの王たちが戦端を開き、そこにおいて両軍から多数が戦死するだろう。

2019.01.16. 訳了。

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