砂漠の師父の言葉(Ξ)
原始キリスト教世界
語録集(Apophthegmata)1
砂漠の師父の言葉(Ο)
(15/24)
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313."34t"
字母Οの初め。
313."35t"
師父オリュムピオスについて
313.36
1 師父オリュムピオスは云った、 あるとき、ヘッラス人たちの祭司がスケーティスに下り、わしの修屋に来て、泊まった。そして、修道者たちの暮らしぶりを観て、わしに言う。「このように生活していて、あなたたちの神については何も観ないのですか」。そこでわしが彼に言う。「はい」。すると祭司がわしに言う。「わたしたちは、わたしたちの神に祭司のお勤めをしている間、わたしたちに何も隠すことなく、その神秘をわたしたちに啓示します。あなたたちも、これほどの労苦、徹夜、静寂、修行をしながら、何も観ないと言うのですか。すると全く、あなたたちが何も観ないのだとしたら、あなたがたの心中に邪悪な諸想念、あなたがたをあなたがたの神から引き離すそれを持ち、だからこそその神秘をあなたがたに啓示なさらないのでしょう」。そこで、わしは帰って、祭司の説話(rJh:ma)を老師たちに報告した。すると彼らは驚嘆し、そのとおりだと云った。告げに言った。すると、彼らは驚いて言った。「なぜなら、不浄な想念は人間から神を引き離すのじゃから」。
2 ケッリアの師父オリュムピオスは、邪淫に攻め立てられた。すると彼に想念が言う。「行け、女を娶れ」。そこで、立ち上がり、泥をこねて、女を作り、自身に言う。「見よ、おまえの女だ。だから、大いに働く必要がある、これを養うために」。そして、大変労苦して働いた。そして数日後、再び泥をこねて、自分自身に娘を作り、自分の想念に言う。「おまえの女は子を産んだ。おまえはもっともっと働く必要がある、おまえの子を養い、庇護するために」。まさにこうして、くたくたになり、想念に言う。「わしはもう労苦に耐える力がない」。そして云った。「労苦に耐える力がないならば、女を求めることもするな」。すると、神は彼の労苦を見て、彼から闘いを取り除き、彼は平安を得た。〔主題別5-50〕
316."10t"
師父オルシシオスについて
316.11
1 師父オルシシオスが云った。「生の〔焼かれていない〕煉瓦が、川の近くで土台に定礎されると、一日ともたない。しかし焼かれると、石のようにもつ。同様に、肉的な人間が思慮を持ちながら、イオーセープに倣って神への畏れによって燃やされなければ〔詩篇104:19〕、権力の座に就いても滅びてしまう。なぜなら、人間どもの中にいるこういう人たちには、数多くの誘惑があるからだ。そこで、自分の程を知って、権力の重みを避けるのが美しい。しかし、信仰をしっかり保つ人は、不動である。316.20 至聖なるイオーセープについて語ろうとする者は、言う、 地上の者ではなかった、と。彼はどれほどの試練を受けたことか、また、どのような地方で? 当時、そこには敬神のかけらもなかった。しかし、彼の父祖たちの神は彼とともにあり、彼をすべての苦患から連れ出し、今、自分の父祖たちとともに諸天の王国にいる。そういう次第で、われわれも自分自身の程を悟り、闘技しよう。そういうふうにしてこそ、辛うじて神の裁きを免れることができるからじゃ」。〔主題別15-69〕
316.30
2 彼はさらに云った。「思うに、人はおのれの心を美しく守らなければ、自分の聞いたことをすべて忘れ、気にしない。このようにしてこそ敵は彼の内に居場所を見つけ、彼を陥れる。例えば、手入れされて輝くランプが、油を入れることをゆるがせにされると、少しずつ消えていって、ついにはそれに対する闇を強める。いや、そればかりか、鼠までがそのまわりにやって来て、芯を食い尽そうとするが、油がなくなる前は、できない。しかし、光がなくなるだけではなく、火の熱もなくなると、芯を引き出そうとして、ランプをも倒す。しかし、ランプが陶器でできているならば、割れてしまう。だが、銅でできているなら、家主人はもう一度それを整えられる。それと同様に、魂が不注意であると、聖霊は少しずつ魂から退き、ついにはその熱が消えてしまう。そして、最後に敵が、魂の熱意を食い尽くし、諸悪が身体を抹消してしまう。しかし、その人が神に対して状態的に美しく、単に怠慢に引きずられているだけならば、神は憐れみ深いお方として、その人に神への畏れと罰への想起を投げかけ、その訪れのときまで、彼が素面であるよう、そして前もって注意深く見張りをするよう、準備させるのである」。〔主題別11-78〕
2015.12.28.
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