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back.gif砂漠の師父の言葉(Ν)

原始キリスト教世界

語録集(Apophthegmata)1

砂漠の師父の言葉(Ξ)
(14/24)



312."35t"
字母Ξの初め。
312."36t"
師父クソイオスについて

312.37
1 兄弟が師父クソイオスに尋ねた、いわく。「わたしがどこかにいて、3切れのパンを喰うとしたら、多くはないでしょうか?」。これに老師が言う。「そなたは麦打ち場にでも来たのか、兄弟よ」。ところがさらに云った。「葡萄酒を三杯飲むとしたら、多くはないでしょうか?」。これに言う。「ダイモーンがいないなら、多くはない。しかし、いるなら、多い。なぜなら、葡萄酒は、に従って生きる修道者には無縁だからじゃ」。

2 師父たちの一人が、テーベの人、師父クソイオスについて言っていた、— あるとき、シナイ山に出かけて行った。そうしてそこから彼がもどるとき、彼に出会ったので、兄弟は嘆息して言った。「悩ましいことです、師父よ、雨が降らないので」。これに老師が言う。「では、なぜに祈り、願わないのか」。これに兄弟が言う。「われわれは祈りもし、連?を唱えもしていますが、雨は降らないのです」。これに老師が言う。「そなたたちは全く熱心には祈っていないのじゃ。どうすればよいか、知りたいか」。そして、彼が手を天に伸ばして祈ると、すぐに雨が降って来た。これを見て兄弟は恐れ、ひれ伏して、彼を拝んだ。しかし長老は逃げ出した。兄弟はこの出来事を皆に告げた。聞いた人々もを栄化した。〔主題別19-12〕


313."11t"
師父クサンティアースについて

313.12
1 師父クサンティアースが云った。「盗賊は十字架に付けられていたが、一言で義とされ〔ルカ23:42〕。イウゥダスも使徒たちの一人に数えられていたが、一晩でその労苦をすべて失い、諸天から冥府に墜ちた〔マタイ26:24〕。だから、何びともよいことをしたからといって、誇ってはならない。というのは、自分自身に依り頼む者は、みな滅びたからである」。〔主題別11-113b〕

2 あるとき、師父クサンティアースはスケーティスからテレヌゥティスへと上って行った。彼が休んでいるところへ、修行の苦労を癒すため、彼のために葡萄酒を少し持って来てくれた。また、聞いたある人たちが、ダイモーンに憑かれた者を彼のところに連れて来た。するとダイモーンは、「こんな酒飲みのところにわしを連れて来た」と老師を罵り始めた。しかし老師の方は、これを追い出すつもりはなかった。が、叱るために言った。「わしはキリストを信じている、この杯を飲み干さないうちに、おまえは出て行くとな」。そして、老師が飲み始めると、ダイモーンは叫んだ、いわく。「おまえがわしを焼き尽くす、わしを焼き尽くす」。そして、欽み終わる前に、クリストスの恩寵によって、出て行った。〔主題別19-20〕

3 同じ人が云った、— 犬はわたしよりもまさっている。愛をも有し、「裁きに至らない」〔ヨハネ5:24〕ゆえに。〔Anony397〕

2015.12.27.

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