砂漠の師父の言葉(Ν)
312."35t" 312.37 2 師父たちの一人が、テーベの人、師父クソイオスについて言っていた、 あるとき、シナイ山に出かけて行った。そうしてそこから彼がもどるとき、彼に出会ったので、兄弟は嘆息して言った。「悩ましいことです、師父よ、雨が降らないので」。これに老師が言う。「では、なぜ神に祈り、願わないのか」。これに兄弟が言う。「われわれは祈りもし、連?を唱えもしていますが、雨は降らないのです」。これに老師が言う。「そなたたちは全く熱心には祈っていないのじゃ。どうすればよいか、知りたいか」。そして、彼が手を天に伸ばして祈ると、すぐに雨が降って来た。これを見て兄弟は恐れ、ひれ伏して、彼を拝んだ。しかし長老は逃げ出した。兄弟はこの出来事を皆に告げた。聞いた人々も神を栄化した。〔主題別19-12〕 313."11t" 313.12 2 あるとき、師父クサンティアースはスケーティスからテレヌゥティスへと上って行った。彼が休んでいるところへ、修行の苦労を癒すため、彼のために葡萄酒を少し持って来てくれた。また、聞いたある人たちが、ダイモーンに憑かれた者を彼のところに連れて来た。するとダイモーンは、「こんな酒飲みのところにわしを連れて来た」と老師を罵り始めた。しかし老師の方は、これを追い出すつもりはなかった。が、叱るために言った。「わしはキリストを信じている、この杯を飲み干さないうちに、おまえは出て行くとな」。そして、老師が飲み始めると、ダイモーンは叫んだ、いわく。「おまえがわしを焼き尽くす、わしを焼き尽くす」。そして、欽み終わる前に、クリストスの恩寵によって、出て行った。〔主題別19-20〕 3 同じ人が云った、 犬はわたしよりもまさっている。愛をも有し、「裁きに至らない」〔ヨハネ5:24〕ゆえに。〔Anony397〕 2015.12.27. |