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原始キリスト教世界

シビュラの託宣

第7巻



7."T1"
第7巻

7.1
おお、ロードスよ。みじめなおまえよ。初めにおまえに、わたしはおまえに涙しよう。
なるほどおまえは都市の中の最初のものだが、滅びるのも最初であろう、
男たちには死なれ、生活のすべがまったく*望めまい*。

ロードスよ。おまえは船出をし、水の上で放浪を続けるであろう。

キプロスよ、かがやく海の波がいつかおまえをほろぼしつくすであろう。

シチリアよ、おまえに向かって燃えさかる火が、おまえを焼きつくすであろう。

7.6
  *  *  
7.6
   *
これが — わたしは言っておくが — 神の恐るべき、迫り来る洪水である。
7.7
  *  * 
7.7
   *
すべての人々の中で、ノアという者だけが、避難して逃れることができた。
7.8
  *  * 
7.8
   *
大地が泳ぎ出すであろう。山々が泳ぎ出すであろう。天空も泳ぎ出すであろう。
7.10
水が至るところに及び、万物は水に滅ぼされよう。
しかしそこで風がおこり、第二の永遠が始まる。
おお、フリュギアよ、おまは最初に水の表面に現われ出るであろう。
しかしおまえは最初に不敬虔におちいって、神を否み
物言わぬ偶像を喜ぶであろう。そして偶像は、みじめな者よ、おまえを
数多くの年が経めぐる中に、滅ぼしつくすであろう。

不運なエチオピアの人々は、ひどい苦痛をうけ、
身をすくめて剣に撃ち倒されるであろう。

たえず穀物のために心配りをしているエジプト、
ナイルが水流の七つの注ぎで給水するエジプトは、
7.20
相互の内紛でほろびるであろう。そこで望みを失って、
人々は、人々にとって神ならぬアビス[034]を追い出すであろう。

ああ、ああ、ラオデキアよ、おまえはいまだ神を見たことがなく、
向こう見ずにも嘘をつく。しかし、リュコス川の波がおまえを洗い流すであろう。
7.23
  *  *
7.23
   * 

*生みの親たる*大いなる神御自身が、たくさんの*星を*
創り、天空の真ん中に天軸を掛け、
高いところに柱を立て、大きな火でそれをお測りになるであろう。
それを見ることは人間たちにとって大きな恐れとなる。その火の火花は
禍いを行なう悪しき人々の群れをほろばすであろう。
いったんは、人々が神をなだめる時期が来よう。
7.30
しかし彼らには、果てることのない苦痛をとどめることはできない。
しかし、ダビデの家によって、すべては完成する。
というのは、神ご自身が彼に御座を手渡されたからである。
7.33
その御使いたちは足許で横になるであろう。
彼らは火をともし、*川をあらわし*、
市民たちを救い、風を送るであろう。
しかし、辛い生がふたたび多くの人々にふりかかる。
それは人々の魂にはいり込み、人々の思いをかえる。

しかし、すべての子らにすぐれた糧を与え続けてきた
根から、新しい若枝が生え、光をもたらすとき、
7.39
  *  * 
7.39
   *  
7.40
今しばらくの間はこのようであろう。しかし、他の人たち、つまり
戦士たちの民であるペルシア人たちが支配するようになると、
花嫁たちの部星は無法の人々のゆえに、立ちどころに恐ろしいことになるであろう。
つまり、母親は自分の息子を夫とし、息子は
親を犯すであろう。娘は父親のかたわらに添い、
あの野蛮人の習いのままに眠るであろう。しかしその後、
のアレース軍神が、数多くの槍の穂先を従えて彼らに現われるであろう。
彼らは勇士の血で多量の土をこねるであろう。
イタリアの君侯は、そのとき、槍の戦力に押されて、遁走するであろう。
他方、彼らは地の上に、金で飾った槍を残すであろう。
7.50
それはいつまでも力のしるしであるだろう。

惨めであわれなイリアスが、いたわしげに埋葬は営むが、
婿礼は営まない、そういう時が来るだろう。そこでは
たくさんの花嫁たちが嘆きの声をあげるであろう。彼女らは神を認めず、
いつも太鼓と鳴子とで騒がしい音をたてていたからである。

予言せよ、コロフォーンよ。大きな恐ろしい火がおまえに迫っている。

テッサリアのみじめな花嫁よ、大地はおまえをもはや見ることはないであろう。
灰をも。おまえはただひとり、陸地を逃れて船出するであろう。
おお、あわれなものよ、おまえはこのようにして戦闘の悲しい屑となろう。
*おお、犬と、川の流れと、剣に倒された女よ。

7.60
おお、あわれなコリントよ、おまえの身近かに厳し戦いが
おこるであろう。あわれなものよ。そしておまえたちは互いに滅んでしまうだろう。

ツロよ、おまえはたったひとりで過そうとしている。敬虔な
夫たちとは死に別れ、おまえは力なく時をすごすことになろう。

ああ、シリアの窪地、フェニキアの男たちの最後の土地よ。
— ベリュティアの海水が彼らによって注がれてそこにある 一 
みじめなおまえは、おまえの神を認めなかった。その神をかつて
ヨルダンがその水で洗った、そして霊が鳩の形をしてその上に飛び下った、
彼はつとに大地と、星をちりばめた大空との
主となったロゴスであって、御父および聖なる霊とともにあり、
7.70
肉体を着て、速やかに御父の家へと飛んで行かれた。
大空は彼のために三つの大きな砦をつくった。
そこには今や、神の気高い母たち、
慕い求められる希望と敬虔と崇敬とが住まう。
彼女らは金銀を喜ばず、人々の崇敬と、
供儀と、このうえなく義しい思慮とを喜ぶ。

不死なる、偉大な貴い神に、供え物を献げよ。
乳香の粒を火でとかしたり、刀で
毛深い山羊を打ち殺したりはしないで、
同じ血筋のすべての人とともに、野鳥を手にとって、
7.80
祈りつつ、目をあげつつ、それを天に向けて放て。
また、清い火に水を注ぎ、次のように叫べ。
「ロゴスなるあなたを御父がおうみになったように、御父よ、わたしは鳥を放ちました。
それはことばの素早い伝え手であり、ロゴスです。あのあなたの洗礼を、わたしは聖い水をもってほどこします
あなたはそれによって火の中からお現われになった」。 —
だれか他の人がおまえのところにやって来て、
貧乏と飢えとを取り去ってほしいと頼むとき、おまえは扉を閉ざしてはならない。
おまえはこの男の頭をつかまえて水を注ぎ、
三度祈り、おまえの神に向かって叫べ。
「わたしは富を欲しがりはしません。貧しいがままに貧しい人をわたしはうけ入れました。
7.90
御父よ。わたしども両人にお与えください。施し主よ。わたしの願いを聞いてください」。
そのように祈るおまえに、彼は恵んでくださるであろう。以来、男は
7.91
  *  * 
7.91
  *  
7.95
  *  *
7.95
  *
神に属する聖なる正しいこのわたしを、困らせてはならない。
ゲヘナの火で試験ずみの、聖なる、人に仕えたことのないこのわたしを。
わたしのあわれな心を強めてください、父よ。わたしはあなたを、
けがれのないあなたを見つめてきました。人の手がつくったものではないあなたを。
7.95
  *   *
7.95
   *
サルディニアよ、おまえは今は重々しいが、灰に変わるだろう。
第一〇時が来ると、おまえはもはや島ではなくなろう。
舟人たちはもはやいなくなったおまえを、水の中に探し求め、
カワセミたちはおまえの上で、悲嘆の声をあげて哀哭するであろう。

7.100
荒磯のミュグドニアよ、海の逃れがたい炬火よ、
おまえは自分が永遠であると誇っているが、長年月の間には
熱い風によってまったく痛めつけられ、数多い苦痛に狂うであろう。

ケルトの地よ、山沿いに踏破することのできないアルプスのかたわらの地よ、
うず高い砂がおまえを完全に埋めつくすであろう。おまえはもはや、穂を与えず、
茎を与えず、租税を納めることはなかろう。おまえはいつまでも、人々の住まぬ荒地となろう。
そして、冷い氷で厚くおおわれて、おまえは、
けがれたものよ、自分の気付かなかった悪逆のつぐないをするであろう。

心頑ななロ−マよ、マケドニアの戦いのあとで、
おまえはオリュンボスを照らすであろう。神はしかし、おまえにまったく耳をかさないであろう。
7.110
おまえがはるかに強く輝くべく、 坐ってとどまるのをよしとするとき、そのときわたしはおまえにこう叫ぼう。
「おまえは死につつあるときも、輝き閃めく声をあげるであろう。
ローマよ、もう一度わたしはおまえに、ふたたびもう一度おまえに声をかけるであろう」と。

今はしかし、あわれなシリアよ、わたしはおまえをあわれんで、おまえのために嘆き悲しもう。

悪しき助言をうけているテーバイよ、おまえたちには、なりわたる笛の悪いひびきが臨み、
らっばが悪いひびきをひびかせるであろう。
そしておまえたちは、全地がほろび行くのを見るであろう。

ああ、ああ、あわれなおまえ、ああ、ああ、性悪な海よ。
おまえは火にことごとく貪り尽くされ、海水で民をほろぼし尽くすであろう。
7.120
というのは、地上に荒れ狂う火が、
水のように流れて全地を滅ぼし尽くすからである。
火は山々を燃えたたせ、川々も焼き、泉をからにするだろう。
人々がほろんで行くとき、世界はもはや世界ではなくなろう。
そのとき、あわれな者たちは悪しき仕方で身を焼かれながら、
天を仰ぎ見るであろう。星によってではなく、火によって光っている天を。
しかし、彼らは速やかにほろびはしない。肉はほろびつつあるが、
霊においては永遠の年月にわたって焼かれよう。
たえずひどい試錬をうけながら、彼らは、神の律法が
偽りではないことを悟るであろう。圧迫された大地は、
7.130
神々の祭壇によって欺かれて、あえて期待したものが
煙となって天空を通り、(人々に)苦しみを与えるのを見た。
あの人たちは、たくさんの苦痛をうけるであろう — 利益のために
恥ずべきことを予言し、悪しき時をいっそうひきのばすあの人たちは。
彼らは毛深い羊の毛皮を着、
へブル人と詐称しょう。彼ら自身はしかし、この民族をうけ入れたことはない。
彼らは多言を弄し、自分のために苦痛を稼ぎ出す。
彼らがその生活をかえることほないし、義人たちを彼らが説き伏せることもない。
神と心から和解している義人たちを。

ところで、経めぐる年月の第三期、
7.140
最初の八日にふたたび他の世界が目にされる。
夜は至るところにあり、……長く、かつ厳しいであろう。
そのとき、硫黄の恐ろしい匂いが死を告げながら
ひろがるであろう。それは、あの人たちが
夜と飢えとにょって死んで行く、その時のことである。そのとき、あのかたは、
人々に清い理性をつくり出し、以前そうであったように、おまえの民を立てるであろう。
もはや曲ったすきで溝を深く掘る者はいない。
牛がまっすぐな鉄のすきで耕すこともないであろう。
ぶどうの巻き蔓も、穀物の穂もなく、すべての人はいっしょに、
白い歯で、新鮮なマナを食べるであろう。
7.150
そのときには、神も彼らといっしょにおられ、おまえを教えてくださろう、
このあわれなわたしを教えられたように。以前には何という悪を、
わたしは知りつつも行なったことか。ほかにもたくさんの悪い振る舞いを、わたしは気にもしないで行なった。
わたしには寝台は幾千とあったが、結婚はただの一つも気に留めなかった。
誰に対してもわたしは、まったく不誠実に、いい加減の誓いをなした。
物乞いたちをわたしは閉め出し、*控えの間*で
*相似た*窪に行き、神のお告げに思いを寄せなかった。
そのために、火はわたしを喰らい、貪りつくすであろう。わたし自身、もう
生を望まず、悪しき時がわたしをほろばすであろう。そしてそのとき
人々がたまたま来合わせて、わたしを海に葬るであろう。
7.160
あるいは、彼らはわたしを右打ちにして殺すであろう。というのは、わたしの父親と語らって、
*可愛い子供を*もうけたからである。わたしに〔石を〕投げてくれ、誰であれ投げなさい。
このようにわたしは生きるであろうし、目を天に据えるであろう。

2010.06.20.

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