うるま紀行 1996夏
中城復興計画(2)
(4.24. 1997)
中城 レジャー開発 夢の跡 (浮世絵太郎)
古来の城壁からさらに奥へ踏み込むと、数年前に開発途上で挫折したという食堂兼展望台に到着する。写真右上の展望台へ向かい、階段状に伸びている灰色がそれだ。
内部は凄まじい荒れようで、あまり奥へ入りたくない気にさせる。
この施設、ロケーションはいいと思うのだが、いったいなぜ頓挫したのだろう。
見晴らしはすごくいいのだ。たとえば、夜、この建物や城跡から太平洋上、東シナ海上で大輪の華を咲かせる大花火大会でも眺めるなら、ロマンチックこのうえないだろう。
古来の城壁にかがり火を立てまくっての音楽祭なりエイサ−祭なりをやれば、これまたファンタスティックで人が集まるだろうし、山麓から見上げるだけでもなかなかのスペクタクルであるに違いない。
さらに、今や恐ろしいまでに荒れ果てたこの建物の造りは、たとえ修復する費用がないとしても、このまま『風雲たけし城』的対決イベントに使えるはずだ。入口をスタート地点に、途中で幾重にも待ち受ける強敵を倒して、ゴールである最奥の展望台を目指す。対決の方法は『ぷよぷよ』だろうが「格闘ポリゴンゲーム」だろうが本当の格闘技だろうが「数学選手権」だろうが「ハブの部屋」だろうが、なんでもいい。これだけ荒れ果てた場所であれば、悪のアジトへ挑む正義の勇士的精神高揚が雰囲気を盛り上げること疑いない。
放置するのは、あまりにも惜しい!
ちょっといい話
バスの便が朝夕しかなく、私は最寄りのバス停から炎天下を1時間以上歩く羽目になった。しかも、上り坂! かなりしんどかった。
途中、中村家住宅という、今は観光用に整備されている旧士族の屋敷で一息ついた。国指定重要文化財だという。売店では無料の麦茶サービスがあり、感激至極。なかなか落ち着いた雰囲気の屋敷で、日がな一日、縁側にでも座って読書してみたい、そんな気分にさせる心地よさがある。入場券売場の人に聞いたら、そんな過ごし方をしても構わないとのこと。試してみてはいかがだろう? 私からのお勧めである。
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