No. | 30 |
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Date: | Sun, 30 Nov 1997 22:48:31 +0900 |
Subject | 石原の軍中央における権力について |
ニックネーム: | |
Name: | 堀田慎一郎 |
E-mail: | s-hotta@mua.biglobe.ne.jp |
発言: | 私は日本近代史を専攻する大学院生です。現在は特に1930年代の政治史を研究しています。同時期の政治史を研究する場合、当然陸軍の政治介入の分析が重要となります。その中で石原莞爾に即して言えば、石原が軍中央の要職に就いていた1935年から37年にかけて、どの程度権力を持っていたのかという問題があります。石原を賛美する人々はもとより、最近は歴史研究者の間でもこの時期の石原の力を非常に高く評価する傾向がありました。それに対し、私はそれは過大評価であり、同時期の陸軍を主導していたのは、梅津美治郎陸軍次官を中心とする陸軍主流であったという見解で、これについて拙稿で明らかにしました(「二・二六事件後の陸軍」、『日本史研究』第413号、97年1月)。 ただ陸軍中央の官僚としての石原はある程度明らかにできても、その人物の全体像を解明するのはなかなか容易ではありません。私の当面の興味は陸軍中央の政治的動向であり、今のところ石原莞爾論をやるつもりはありませんが、政治権力という問題ではなく、思想的影響力という面で、やはり大きな存在であることは確かです。ですから、石原莞爾についての情報ならば何でも教えてもらいたいのです。その点でこのホームページには大いに期待しています。作成者の冷静な姿勢にはとても好感がもてます。もちろん、こちらで新しい情報を入手した場合にはここで公表したいと思います。 |