B・A・C・K

ここで良くありがちなトラブルとその注意点を挙げてみましょう.
1.接続が出来ない:接続には5つの関門があります.順番に挙げてみましょう.
1)TCP/IP(インターネットの大もとの設定)の「経由先」がPPPになっているか:家庭等でプロバイダに電話接続する場合は必ずPPP(ポイントツーポイントプロトコル)になっていなければなりません.
2)TCP/IPの「ネームサーバ」が正しく入力されているか:インターネットはメールであれホームページであれサーバ間を行き来するためドメインネームという名前で管理しています.このサーバを(ドメイン)ネームサーバといいます.プロバイダ経由で接続するということは,プロバイダに設置されているネームサーバを利用するのが普通です.したがってここにはプロバイダが提供しているネームサーバのアドレス(8ビット4桁の数字)を入力します.
3)PPPのユーザIDは正しいか:ここは本名でもメールアドレスでもありません.ダイアルアップログイン用の名前です.
4)パスワードは正しいか:これもPOPログイン用のパスワードでは無くダイアルアップ接続用のパスワードです.もっとも同じである場合がほとんどですが.
5)電話番号やモデムの設定は正しいか:あと物理的な問題も考えられます.電話線やモデムの線,モデムの電源なども疑ってみましょう.

2.メールが受信できない:POPアカウント(メールアドレスの@より前の名前の部分),POPサーバ(送信サーバの名前),POPパスワードこの3点を確認しましょう.

3.メールが送信できない:SMTPサーバの設定を確認しましょう.

チェック項目の数から難易度も1.2.3.の順番だということが分かっていただけると思います.

逆にこのことを十分に理解すれば次の様な利用の設定もできるようになります.
1.自宅で会社のサーバに届いたメールを読む.
2.会社でA.B.C.3つのプロバイダのメールを読む.
3.A.のプロバイダで接続してB.のプロバイダへ来たメールを読み会社のサーバから返信を行う.
4.日中は定額料金の安いプロバイダを利用するが夜は繋がりやすい(話し中の少ない)別のプロバイダで接続するが,メールは常に同じサーバを利用する.

仕事やプライベートで複数のメールアドレスを持っている人は結構いますが,このあたりの設定をうまく行い使い分けないと結局無駄になっているケースが多い様です.
この場合社長は社内の送信サーバにLANで送るだけ.1円もかからない.更に会社の送信サーバが受信サーバへ送るのもただのコピーと同じで社外のインターネットへは出ていない.
社員は出張先からプロバイダの接続サービスでインターネット接続を行い会社の受信サーバへメールを取りに行く.プロバイダのメールサービスは一切使用していない.
社員はプロバイダ接続時に一回めの認証.会社の受信サーバへ入るのに2回目の認証を行う.この二つのアカウントやパスワードは別のものである.

如何でしょうか.結局メール以外の話の方が多かったようにも思いますが,これらを理解すれば「パワーユーザー」として「メールが送れない〜」と悩んでいる人の何が悪いのか相談に乗ってやり感謝されるようになります.そしてインターネットがもっと面白くなるはずです.

しかしこういうことを初心者向けに書いている本って無いんですよね.不思議と.

T・O・P