前田:
地元協議体制のご説明で、意思決定権は公開型で誰でも参加できる地区集会や、選挙で選ばれる代表委員会のどちらかにある例が多いとのことでしたが、「公開型で誰でも参加できる」となると、ヒマがあって声の大きな人が物事を決めてしまうといったことにはならないのでしょうか。
またドイツには地区協議会があり、ミニ議会のようなものが作られているとのことでしたが、それとこの社会都市の単位、エリアは一致するのでしょうか。
一致するのであれば、二重権力のようなことにならないのでしょうか。
また、日本の地区計画のエリアと似ていると言われましたが、日本で言われる「住民主体の都市計画」のように、社会都市の仕組みのなかで都市計画的なルールを決める、あるいは提案するといったことは、あるのでしょうか。
室田:
公開型のフォーラムでは、暇があって声の大きい人の思い通りに決まってしまうのではという指摘についてですが、インタビューをした範囲では、いずれもかなりの時間をかけて議論をし、概ね合意が得られるまで協議をするとのことでした。ただ、暇人が多いという指摘についてはそのような側面があるかもしれません。
議会との二重権力についてですが、範囲が一致している場合も一致していない場合も、いずれも二重権力構造になります。したがって、議会の議員に対する理解を得ることが必要になります。自分の権力が減るのではと思い、少なくとも当初は、反対する議員も多いようです。
社会都市の仕組みのなかで都市計画的なルールを決めると言うことはあまり聞いたことがありません。社会都市は既成市街地対象ですので、Bプランをつくることは基本的には必要ないと思います。団地では、減築等で規模縮小になることはありますが、それ以外は、建物規模や形態が変わることはあまりないと思いますので、必要がないと思います。
地区の意思決定について
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