「まちづくりコーディネーター」セミナー記録
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計画、デザインは両刃の剣

 

 まちづくりコーディネーターという人たちの仕事は計画であり、デザインです。そして、それは無から有をつくり出す仕事です。計画とかデザインというのは人類の本能じゃないかと私(リム)は思います。単純な要素だけで済むデザインであれば、ほとんどが成功します。たとえば、通勤のためのルートを設計するような。ところがまちづくりや都市計画は、複雑な要素が入ってくるので、なかなかうまくゆきません。だから批判されるのですが、それは下手だからです。デザインや計画は無から有をつくりだすが、下手をすると悲劇が起こります。両刃の剣なのです。

 昨今、計画への風当たりは強いですね。

 1998年に京都市がやった京都の未来像を描く国際コンペの記念シンポジウムで、鷲田清一さんが「もうデザインだとか計画はないほうが良いんじゃないか、反設計、反計画だ」と発言されました。すると、上野千鶴子さんが反撃されました。

 「鷲田さんは京都市民なのに、どの顔さげてそんなことを言っているんだ。東京のような空間構造が分かりにくい都市から、平安京の遺伝子として碁盤目の都市構造が残っている京都に帰ってくると、タクシーの運転手さんに簡単に行きたい場所を説明できることに感動する。反計画とか反設計なんてよく言えたものだ」と。この鋭い反撃に、鷲田さんはすぐ白旗を掲げられたわけです。

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