「まちづくりコーディネーター」セミナー記録

リムボン：

　最近、エンパワメントという言葉がよく使われます。これは「力を付けさせる」という意味です。では、どうやってコミュニティのエンパワメントをするのでしょうか。三つの方法が考えられます。まず第一に、資金を与える。どんとお金を出して力をつけてもらう。たとえばクリントン大統領の頃、コミュニティエンパワメントゾーン・プロジェクトというのがあって、全米でもっとも衰退した１４地区が選ばれました。そのエンパワメントとは何かというと明らかに資金援助でした。ハーレム１地区だけで10年間で400億円を出すというものです。第二に、権限を与える。第三に、発想の転換や思想といった考え方を与える。

　この三つを複合的に提供することができれば一番いいのですが、『まちづくりコーディネーター』の著者である私たちはお金も権限もほとんど持ち合わせていません。となると、唯一あるのは発想を提供することだけです。発想の転換を促し、地域を元気にするということしかありません。でも、これだけだと、地元の人もなかなか喜んでくれないし、実際、難しいのです。

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