学芸出版社2010年/学芸セミナーまちづくりコーディネーターと
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乱立する看板〜立誠学区 | 大学生との交流〜小野郷学区 |
趣旨
コミュニティ・レベルの住民主体のまちづくりが注目され、その重要性が叫ばれているが、実際の現場では、さまざまな困難も抱えている。
まず、課題はなんとなく皆に認識されていても、その思いをまとめていく住民同士のつながりが失われていたり、以前からの自治組織がその思いにうまく応えられない場合もある。
そして、まちづくりを成功に導くためには、地域が直面している問題を冷静に分析し、問題を解決するための選択肢を明らかにする作業が必要だが、それは、まちづくりを生業としているわけではない地域住民だけでは、なかなか手におえない。
そこに、住民を元気づけ、ともに活動していくなかから繋がりを回復し、また専門的な作業を分野や事業にとらわれずにサポートする「まちづくりコーディネーター」の役割がある。
京都市景観・まちづくりセンターでは、十数年間、地域をサポートするまちづくりコーディネーターのあるべき姿を求めて試行を繰り返してきた。
昨年出版した『まちづくりコーディネーター』では、その実践のなかから「コミュニティのエンパワメント」「企業とのパートナーシップのつなぎ役」「行政マン・コーディネーターの可能性」の三つの視点から、協働社会の影の主役、まちづくりコーディネーターの役割を明らかにしたが、今回はコミュニティのエンパワメントに焦点をあてて、その役割を考えたい。
リム ボン
○小野郷学区のまちづくり
−−−−−−京都市まちづくりアドバイザー 朝倉眞一
○議論
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佐藤 友一(さとうゆういち)
朝倉 眞一(あさくらしんいち)
本セミナー担当編集者による紹介(ブログ)
・コーディネーターの役割〜議論の枠組みの提示
・立誠学区〜立ち上げ時期の課題(繁華街での取組)
・
小野郷学区〜地域ぐるみで積み重ねる活性化(山間部での取組)
・徹底討論
リム ボン
「デザイナー」。まちづくりコーディネーターの資質を一言であらわすなら、こう呼ぶほかはない。デザインは、人類のみが持ち得る本能であり、無から有を創造する。しかも無限の可能性を秘めている。他方で、悲劇を招くこともある。まさに、両刃の剣なのだ。
佐藤友一
放置自転車の反乱、看板の乱立、性風俗店や客引きの増加、治安の悪化、ゴミの散乱……京都一の繁華街・立誠学区では、繁華街に特有の問題が相互に絡み合っていて、どこをどう解決したらいいのか見えにくくなっていた。「立誠まちづくり委員会」立ち上げ時期にコーディネーターとして関わった立場から、どのように解決への道筋を模索していたのか、振り返る。
朝倉眞一
京都市北区の山間地域にある小野郷学区は、少子高齢化や林業の衰退などの課題を抱えているが、市街地からも比較的近い自然環境に恵まれた地域である。小野郷学区では、大学生との交流などをきっかけに、地域住民主体での地域活性化に取り組んできた。主体的に活動する人の輪を少しずつ広げながら、豊かな地域資源を生かす特産品づくりや暮らしやすい地域に向けた地域福祉の取組など、地域ぐるみで試行錯誤を重ねている。
リム ボン
『まちづくりコーディネーター』の執筆者たちは、何をどのようにデザインしたのか? それは地域社会の役に立ったのか? 成功の秘訣は何か? 失敗の教訓は何か? 徹底的に総括してみたい。 ……喧嘩、売ります!……。
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