「まちづくりコーディネーター」セミナー記録
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小野郷学区のまちづくり

京都市まちづくりアドバイザー 朝倉眞一

 

 本に書いていない内容も含めて報告したいと思います。

 また、最後には私の思うところもお話ししたいと思います。

 本は11人で書いていますが、それぞれ個性があり、また立場や関わり方の違いもあるので、コーディネーターのあり方にもちがいも出ていると思います。その点も面白い点です。

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 市内中心部から車で30分もあったら着くところです。

 小野地区と大森地区の2つで小野郷学区となっています。

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 高齢化率が42.3%となっており、人口も減っています。

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 H18年から現在まで、京都市のまちづくりアドバイザーという立場で関わりっています。

 H15年には一時的にお医者さんがいなくなり、その問題に対処するために小野郷地域医療専門委員会が立ち上がり、現在も活動が続けられています。

 またH 17年には小野郷小中学校の休校が発表され、今後どうしていくのかが地域の大きな課題になりましたが、高齢者福祉施設への活用要望がまとめられました。

 今回は、それ以降の活動を三期にわけてお話しします。

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 H18年に私が初めて関わったのは、北山地域の不法投棄対策の取組でした。

 地域の要望を受け、行政主導で始まったのですが、小野郷学区も含めた三学区で地域ぐるみの取組として進められました。

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 ちょうど京都市で家庭ゴミ収集の有料化が始まった時期に重なり、不法投棄増加への懸念、事業主旨への疑問など、地域からの反発もありました。

 そこを何とかお話しして、5回のワークショップを行い、地域ぐるみで検討を進めていただき、不法投棄防止に向けた啓発看板やプランターを作られました。参加者全員で意見を出し合うワークショップ形式は初めての体験でしたので、なんでそんな面倒くさいことをするんやと言われましたが、終わる頃には良い方法だと言っていただけました。

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 また北山杉は床の間などに使う材であり、地域の誇りでもあることから、プランターに使うことについて抵抗感をもっておられました。しかし最終的にはこのように看板やプランターを地域住民の手で設置して頂けました。

 全体を通して、地域と行政が、お互いに対等な関係で進めることができたことは良かったと思います。私は行政と地域の間に立つという姿勢で臨んだのですが、さきほどのように住民の方の行政への不信感も強かったため、そのなかにあって調整する役割が大きかったと思います。

 ただ、そのときにまちづくりをコーディネートする立場とはどんなものか、私も、行政も、地域住民も分かっていなかったので、学識の先生のような扱いになったり、コンサルのようであったり、という中で進んでいきました。

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 H19年にこの小野郷小中学校が休校になりました。

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 福祉施設へという要望だったのですが、なかなか調整も進みませんでした。そのなかで社会福祉協議会や行政に相談に乗って欲しいというお話しがあり、私も関わるようになりました。

やはり小中学校は、地域住民の思い入れの強い場所ですから、そこが持つポテンシャルを活かすためには、地域の活性化と一緒に考えていくことが大事ということになりました。そして小野郷地域のまちづくり推進委員会が立ち上がり、佛教大学と社協と区役所が地域主体のまちづくりをサポートする体制ができました。

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 こちらは、地域が何をしたいのか、今後の方向性を考えてほしいと考えていました。しかし地域では、地域主体はしんどい、行政や関係機関でなんとかしてくれという声も多く聞かれました。また先生は難しいことばかり言わはるというかんじで、お互いが理解するまでには時間が必要でした。

 そのような中で、まずできることからやろうということで始まったのが休耕田プロジェクトです。佛教大学の学生さんにも参加してもらい、地域と一体となって進めていくことができました。

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 その過程で、学生が入ってくれたことで地元の良いところを見つけられたという点があります。

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 現在3年目ですが、学生も手伝ってくれています。

 地域福祉の視点からの関わりも徐々に始まっています。

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 これは食品開発部会の活動です。

 将来的にはまちづくりの活動資金も生み出していけるのではないかとの期待もあります。

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 最初はできることから初めて、徐々に信頼関係が作られていきました。

 学生さんの参加も大きかったと思います。外からの刺激が大事だということです。

 最初の一歩を踏み出すまでがすごく大変だったのですが、信頼関係もでき、立ち位置も見えてきたかなと思います。

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 私の考える、まちづくりコーディネーターの果たす役割です。

 一つ目は参加のデザインに技術的に関わること。

 二つ目は固定化した地域の関係に刺激をあたえ、主体作りをサポートすること。

 三つ目は関係する主体間の信頼関係づくりのサポートです。

 そして第三者としての立場を果たす役割が持つ意味は大きいと思います。

 またワークショップの進行役をやることが多いのですが、「あんたも一緒にやっているんだから、言いたいこと、やりたいことを言ったらいいよ」と言われた場面が印象に残っています。支援する側、される側というのではなくて、一緒にやる仲間という形で、どれだけ関係する主体間の信頼関係をつくれるかということを実感したところです。

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