藻谷浩介・丸一日中心市街地活性化塾
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メールでいただいたご感想

 

■ 三田英彦さま  

 26日の藻谷浩介さんの丸1日セミナーに参加いたしました三田英彦と申します。

 群馬県のたてばやし下町通り商店街振興組合主催、「下町夜市シタマチヨイチ」の責任者です。

 中小企業庁の「新・がんばる商店街77選」にて紹介していただいております。

 彼とは10年来のお付き合いですが、私がこのナイトバザールを手掛けたきっかけが藻谷さんでした。

 青年会議所卒業となる40歳時の2004年に、この「下町夜市」を商店主やまちづくり団体等と立上げ、10月で6周年を迎えました。毎月第三土曜日の夕方は、ふだん全く人通りの無い商店街に地域住民が集い、そこは自己実現ができる場として開放され、志のある多くの人たちとトライ&エラーを繰り返し、賑わいから次のステップに行こうと準備をしています。

 また私の自慢は、一緒に現場で汗をかきながら試行錯誤に付きあい続ける市役所職員たちです。

 彼らの多くが藻谷ファンですから、館林市役所では新刊本がよく売れると思いますよ(笑) 。

 講演会の冒頭でも本人が話していましたが、あのPowerPointを京都の夜に泣きながら作らせたのが、10年前当時の私たち日本青年会議所「まちなか創造推進委員会」のメンバーです(笑) 。

 2000年1月22日の京都国際会館での最初の彼の講演会後のJCメンバーの名刺交換の行列の長さは、今でも語り草になっています。あの日から彼の地獄の全国行脚が始まったのだと思います。

 (その環境づくりに最大限の理解を示す政策投資銀行もスゴい)。

 10年前とほとんど変わらない内容の第一部にて、今でも多くの方々が目から鱗のような顔で講演を聞いているところを見て、改めて彼のすごさを感じました。。

 また、彼の講演がおもしろいと思いながら、10年間も同じ趣旨の講演をさせ続けた世間がいかに変わることを拒んできたのか、自身も含めて反省しなければなりません。

 どこも地域を活性化させたいと願っています。ですが「活性化」という言葉自体が抽象的なので、しばしばその方法論で争い、いつしか協働とは遠いムードから陳腐なハードをこしらえてしまいます。

 それを後世まで維持させられるという悲劇の数々を、彼が勇気を持って教え続けてくれました。

 彼が今でも全国からオファーが絶えないのは、リアルに現場で起きているエピソード集の表現が痛快だからだし、虫のように地元で這いつくばって生きている「担い手」たちには優しく勇気を与え続けてくれるからです。現に私も数年に1度は彼の講演を聞きに行くことで、初心に立ち返り元気をもらってから有象無象と向き合うようにしています。

 シンガポール滞在中に書いた「デフレの正体」によって彼が更に有名となり、これまでのように講演会を聞きに行ける機会は減ることが予想されます。

 今回の講演を柱に本にまとめられることで、私のように活力の泉の枯渇を防ぎつつ、地域の活動家やその応援者が彼の発信によって勇気づけられ、日本が元気になれたらこの上ありません。

 早口で時に脱線して笑いを誘う藻谷さんの講演から本をおこすことは大変な作業かと思われますが、頑張って早く形にしていただければ嬉しいです。この度は素晴らしい講演会を企画してくださり感謝しております。

 ありがとうございました。


■ 富家大器さま TOMIIEDESIGN

 予想以上の凄い内容でした。まだまだ知らないことが多すぎます。

 ともかく、大変参考になりまた興味のつきない、そして何より勇気を沢山もらったセミナーでした。この計測不可能なエネルギーは是非今関わっている・もしくは今後関わるかも知れない地域のみなさんに還元していきたいと思います。

 有難うございました。


■ 藤井 薫さま 水都の会(水都大阪を考える会)代表

 セミナーに参加しました。水都大阪を考える会の藤井と申します。当日、アンケートを出せませんでしたので、代わりにメールいたします。よろしくお願いします。

 デフレの正体でも書かれていましたが、藻谷さんのご指摘のもっとも典型的な症状が出ているのが我が大阪だとデータでも証明しています。ということは、日本の将来を占うのも大阪ですし、大阪が何とかなれば日本も大丈夫ということになります。

 街の魅力を高めるということは、どの本にも書いています。しかし、重要なのはコアコンピタンス政策をとることかと思います。一定の繁栄を示してきた街ならどこでもその街のキラーコンテンツと呼べる強みがあるはず(あったはず)です。それを生かすことにより、現状を打破しなければならないと思います。藻谷さんが史伝子と呼ばれていた内容は、まさにこれをいっているものと感じました。

 外国からの移民は無理でも、周辺から人口を吸引し、コンパクトシティとして効率的ですみよい都市(身の丈にあったヒューマンスケールの街?)をつくるべきと考えました。

 藻谷さんにもお話しましたが、大阪では「水の都」というコンセプトだと思います。無駄な床面積を増やす北ヤードではなく、梅田の入り江を再現し、大阪駅を降りれば、そこには大小の船が波に揺られているというような、象徴的な風景を作るべきだと思います。

 (採算がとれない部分をカバーするのは、やはり借地システムでしょうか)。


■ 山崎弘子さま まちづくり役場(長浜)

 昨日は、ありがとうございました。大変熱い勉強会でした。

 まちづくりの先進地といわれ続けて20年。その長浜も、紆余曲折、様々な問題を抱えています。合併でまちが大きくなり、中心性の根拠が揺らぎはじめています。そんな中、全国多くのまちが必死にがんばっていることがよく分かりました。

 都市文化の担い手が誰なのか、まちなか存続の意義も皆さんよく理解されていることに感動しました。

 延べ10時間に及ぶ講義でしたが、藻谷先生も、お世話係の前田さんもお疲れさまでした。いつもバタバタ過ごしており、「学ぶ」ということを忘れておりましたが、新たな出会いもたくさんありました。

 本が完成するの楽しみです。


■ 小林郁雄さま 神戸

 藻谷様、こんにちは、小林郁雄/神戸です。

 昨日は終日の中心市街地活性化塾、本当にご苦労さまでした。

 (前田さん、満員の所を直前日に申込み、お手数をおかけし、ありがとうございました)。

 最後まで、是非お聞きしたかったのですが先約があり途中で失礼せざるを得ず、本当に残念でした。

 

 とりわけ、「コンパクトシティ」に関してご意見が聞けなかったことが実に残念です(ちらちらとPPTのスライドが見えておりましたので)。

 「デフレの正体」の最終にちょっと出ておりましたが、藻谷さんの現今の日本社会の将来像結論と推察しておりましたので。

 私も1999年に神戸市の委託で「コンパクトシティ構想」というのを手伝いました。

 結論は、コンパクトシティを日本語では「小規模分散自律生活圏の多重ネットワーク社会」というのでは?ということです(ネットワークは日本語じゃあないけど、日本語には言葉=概念がない!)。ということで、そこらあたりのことに興味がおありでしたら、添付をご参照下さい。神戸市ではその後「コンパクトタウン」という取り組みが進められております。

 また、「デフレの正体」を頂戴し、一読させていただいて(1冊の本を一気に通読したのはここ5年ぶりくらい)、何故に経済経営学者がこうした「現実から」説をはじめないのか?という長年の不満が一気に吹っ飛びました。彼らには無理な訳もだいたい判りました。

 都市計画法の抜本改正が取りざたされされております。私も都市計画・まちづくりを生業にして40年を越えますが、またいくつか学界や業界の委員もしておりますが(最近は官界からのお呼びがありませんが)、「都市計画法」を廃止し(市街化区域や用途地域や都市計画道路、市街地整備事業など、いまや不要です)、地区計画法とまちづくり法にする(国土形成法もあってもいいけど)というのを主張しており、「冗談言うな」と多くの顰蹙と冷笑を浴びてますが、至って本気です。

 ということで、都市計画関係者でも、お話しの生産年齢の波(もっと簡単には人口減少に向かう単純な予想)に無関心な点では、ほとんど同じ状況です。都市計画制度抜本改正での最大かつ最も基本課題は、[生産年齢]人口減少状況であると認識しております。

 もうひとつ、地権者(地主絶対権利主義)問題です。たかが土地登記をしているだけで、何故にそれだけの絶対権利を持つことになったのか?歳とって過激思想(病気要介護、年金消滅以外に恐いもありません)になっておりますので、「10年以上商店街で空き地空き家放置は没収せよ!」と言ってます。なに、終戦直後に[農地解放]を断行して歴史的大地主を没落させた国なんだから、商店街(中心市街地の花束ですね)内の小規模地主くらい、なんとかせにゃあ、ということです。

 (行政が強制的に時価で買い上げ=土地収用法ですね、地元事業に参画するか、提供する。区画整理など都市計画事業では普通のことですが・・・)。

 お忙しいところを長々とすみません。以上3点を時間があれば、ご意見をお伺いしようとおもっておりました。

 どこかでお会いすることがあるでしょうから、いずれまた(来年の全国町並みゼミとか)、まずはお礼まで。


■ 川島 洋一さま 福井工業大学

 たいへんすばらしい企画だったと思います。本当にありがとうございました。

 一夜明けた後も、まだ興奮冷めやらぬ気分です。

 講演内容もさることながら、藻谷先生のパワーに圧倒されました。

 前向きなパワーを分けていただけたという意味で、感染力の高い方だなあとあらためて感心(と尊敬)しています。

 あれぐらい感染力のある人が先頭に立てば、いろんなものごとがうまく行くんだなあということが、実感として理解できました。

 その原動力は、はやりロマンですよね。

 個人的には、銀行員にもロマンチストがいらっしゃるということがわかり、なんともうれしかったです。(銀行員にロマンチストがいることは想像できましたが、なんせ目の当たりにしたのは初めてだったもので)。

 出版後は、できるだけ多くの方に紹介できるよう努力します。


■ 我山博章さま 名張市都市整備部都市計画室

 昨日は、貴重な機会を設けていただきありがとうございました。

 さて、昨日の研修の感想ですが、全体としましては、藻谷氏の経験に裏付けされた幅広い知識と、それを我々受講者に正しく伝えようとする熱意によって、初めて氏の話を聞く私にも、難しい課題であるにもかかわらず、わかりやすい内容でした。

 重要なお話はいくつかございましたが、私が最も印象に残っていますのは、氏が最後におっしゃった「様々な人々が行き交い、仕事し、生活を営む。そこでは生まれ来る命もあれば年老いて朽ちていく命もある。そうした風景が見られるのが市街地である」という言葉です。正確ではありませんが、氏がおっしゃったそうした意味の言葉が最も印象的で、恐らく私たちの仕事はそうした世の中に少しでも近づくように、努力することなんだろうなと感じました。

 また、うがった見方だと思いますが、藻谷氏のような能力に恵まれた方が、普通の人々の営みに価値を感じ、その価値を大切に守るために働いている姿を見るのも新鮮でした。

 今回の内容で一つ注文があります。

 これは藻谷氏への注文になりますが、今回は現在の日本や都市がおかれている情況や今後の趨勢、そのことへの対応としての中心市街地のあり方とその手法についてご講演頂きましたが、ではその趨勢は将来にわたって受け入れるしかないのかということに若干の物足りなさを感じました。

 恐らく藻谷氏はある一定期間の趨勢は受け入れながらも、その先の展望は別のものをお持ちではないかと疑っています。

 避けられない趨勢として一定期間の人口減少を受け入れ、それに対応するための世の中、市街地を再構築するとしながらも、それを実践しながら人口が減り続けない社会に向けた方策についてご所見をお持ちだと思いますので、その辺りを紹介いただければより良かったと思います。

 長々と申し訳ありませんが、これが私の勝手な感想です。


■ 水野 隆さま 春日井市商店街連合会・勝川駅前通商店街(振)

 昨日は、大変、貴重なセミナーに参加させていただき、こころから感謝申し上げます。藻谷先生の講演は、以前から、是非お聞きしたいと思っていたので、絶好の機会になりました事、重ねてお礼申し上げます。

 さて、私は、愛知県春日井市、JR中央線勝川駅前の商店街で、創業110年の和食店を経営しています(4代目)。当地の勝川駅前商店街(振)の副理事長、春日井市商店街連合会の副会長を務めさせていただいています。

 ここ春日井市でもリーマンショック以後の景気低迷には、商店街を始め、全ての商業者が頭を痛めている毎日ですが、まだ良いと言われる愛知県でも、特に大手FC店が、郊外のロードサイドを中心に出退店を繰り返し、更には、大型店といえども、勝ち組は見当たらず、将に資本の勝負を繰り返しているのが現状です。反面、中心市街地に立地する中小零細店舗は、自店を守るのに汲々とし、最早、体力の限界に来ており悲鳴さえ聞かれています。以下、昨日の感想を書かせていただきます。

 今回、藻谷先生のお話を伺い、まち場の“器”の力が大切という部分に大変共感を覚えました。絶滅危惧種とも揶揄されながら、しぶとくゾンビのように生きながらえてきた商店街が、その雑種、雑多な社会的使命が再認識され、紹介いただいた各地の事例の様に、復活し、反転攻勢出来る場が、唯一中心市街地にあり、さらにこの市街地の地権者の本気度に掛っていると再認識出来ました。

 更に「規制強化、総量規制で土地の価値を防衛」「容積率より建蔽率」等々、我々がむしろ常識と捉えて考えてきた事が、先生のお話を伺い根本から見直す必要を感じ、早速、人口動態の実態を調査し、勉強をすすめていこうと決意を新たにしました。市民に必要とされる中心市街地を目指して、今後も頑張っていこうと思います。

 最後になりましたが、藻谷先生のご健勝並びに貴社のますますのご繁栄をご祈念申し上げます。

 ※悪筆のためワープロでの返答をお許しください。

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