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蓑原計画事務所主宰。1933年生まれ。1960年建設省入省。住宅局、都市局で政策立案に従事。茨城県の住宅課長、都市計画課長として現場を経験。1985年住宅局住宅建設課長で退官。1989年竃ェ原計画事務所を設立、主宰。2004年、都市計画と住宅政策を結びつけた業績により都市計画学会石川賞を受賞。 | ||
『都市計画の新たな挑戦』を語る2010年5月、仲間と一緒に『都市計画の新たな挑戦』(仮題)を編集&執筆中の蓑原さんをアークヒルズに訪ね、お話いただきました。政治的な混乱が続く今こそ、地方が頑張るときと意気軒昂。 聞き手:前田裕資(編集部)
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蓑原: 日本が高齢化して、今の住み方、今の街や村のあり方では21世紀はすごせないんじゃないか。もうちょっと車が少ない、もっとバスや電車に乗らなければならない世界になったときに、今のままじゃ住めないんじゃないかという問題提起として『地域主権で始まる本当の都市計画・まちづくり』を書きました。 では具体的に、これからそれをどう展開するかということについては、たくさんの専門家のいろいろなご意見があるわけですし、現に、いろいろな形で起こっている問題をどう解決するかという問題もあります。 最大の問題はコンパクトシティと言ったときに、分散化してしまっている場所を一斉に一箇所の大きな団子にまとめないといけないんじゃないかといった誤解があるんです。そういうことは現実的にあり得ないわけです。そうすると今、分散型で出来てしまっている街や村の姿を、どのようなネットワークのなかに組み入れたうえで、かつ歩いて暮らせるような街にするかということを考えなくてはいけません。 今回の本では、たくさんの専門家の方、特に今回は交通の専門家とか、福祉の専門家もまじえて議論して、新しい本を書こうということになったのです。 是非、ご期待頂ければと思いますけれども。 出版時期は?前田:いつ頃、読めるようになるのでしょうか。 蓑原: そうですね。できれば夏頃には読んで頂けるようになれば良いなあと思っています。今、こういう政治的な状況ですから、できるだけ早く読んでいただいて、できるだけたくさんの人に理解していただければと思っています。できれば参議院選挙が終わる頃には本ができればなあと期待しています。 前田:(・・・・・6月末脱稿じゃ、無理ですよ、それは) 自治体の人や地域の人に前田:いま政治的な混乱もあって、自治体の人や地域の人から「どうやっていったら良いか分からない」という声も聞こえてくるのですが? 蓑原: 今、何が起こっているかというと、今までのやり方でやってきたお金の流し方が、パイプがどんどん詰まってしまって巧くいかないということだと思います。だから全体的に活力が失せてきたということがあるのですが、逆にですね、今までの形ではないやり方でお金を流そうという政治的な意思はかなり強くなってきています。しかも今までのやり方でなければダメだという中央の強い締め付けみたいなものはどんどん弱くなってきています。 ですから、地方の方が頑張って、自ら新しいことを考えて「こういうことがやりたい」「そのためのお金と組織がいるんだ」と言えば、そういうことが実現できる可能性が非常に大きくなっていると私は思っています。 そういうことも含めて今回の本のなかで新しい力を生み出していきたいと私は思います。 前田: 有り難うございました。 |
『都市計画
(仮称)『都市計画の新たな挑戦』を改題 |
【第1編
【第2編
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○蓑原敬氏セミナー『都市計画の新たな挑戦』(20100906)