南船場や堀江で「あ、 いいお店だな」と思ったら、 たいてい間宮さんが関わっておられる、 というくらい旬のデザイナーです。
間宮:
肩書きでは「インテリアデザイナー」とか「空間デザイナー」といわれますが、 要するにお店のデザインをしています。
今年、 エルマガジン社から『間宮吉彦設計の店』という本を発行してもらいました。 予想外に好評で、 売り切れ間近だそうです。 これは、 現在お店や街に対して興味を持っている人がすごく多いからだと思います。
以前の情報誌は、 映画や音楽、 アートなどの情報で成り立っていたのですが、 最近はお店の情報がいっぱい載っています。 一般誌でもよくお店の話題が取り上げられています。
ショップデザインからはじまる
まちづくりインフィクス 間宮吉彦
盛り上がる街への関心
角野:
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それから1年後、 以前からこの辺でお店をやりたい人を集めていたのですが、 事務所ビルが移転のために空いたので、 お金をかけずに一つの複合ショップに作り変えた例です。 1階部分は以前駐車場でしたが、 ブティックに変えました。 もともとあった向かって右側の入り口を上部への動線にしています。 2階部分は事務所だったので窓がありましたが、 それを塞いでグレーチングで覆って、 ライティングしました。
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入り口の通路です。 ここは以前事務所の廊下だったのですが、 2階の床を抜いてトップライトをつけました。 これによって自然光が入り、 パブリックな雰囲気の空間をつくりっています。 出来上がった大きな壁面をギャラリーとして利用しました。
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この吹き抜けの空間を利用して、 2階にブティックを2軒つくりました。
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これは世界中の家具を扱っているメーカーの店です。 店として区切らずにパブリックな空間の延長として家具を置いています。
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ここは日本茶と中国茶をサービスするカフェですが、 ここでもお店を区切らずにカウンターを置きました。 当時小さな店がたくさん出来はじめていたのですが、 ここまでお店がまとまった施設はなかったので、 南船場を個性的な街として位置づけた建築だと思います。
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アメリカ村で活躍されていた日限萬里子さんの依頼で、 物件探しから関わったmuse大阪です。 アメリカ村は人が多くなってきたし、 ゆっくりお茶を飲めるカフェを堀江につくりたいということでした。 堀江公園の前に30坪のちょうどいい土地が見つかったのですが、 すでに7階建てのテナントビルが計画されていて、 図面も完成していました。 「今のままじゃつまらない。 一軒の店を考えるのではなく、 エリア全体を考えないと街は活性化しない」と、 日限さんが地主さんに交渉した末、 計画をとりやめてもらって、 このカフェをつくりました。
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1階は、 人が気軽に集まれるような吹き抜けの空間をつくって、 カフェにしました。
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2階は、 大阪の若いアーティスト達に解放するという目的で、 小さいながらもギャラリーにしました。
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3階は、 若い人だけではなくいろんな人が集まって語れる場として、 サロンをつくりました。 この店の誕生があって、 今の堀江の発展があると思います。
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個人オーナーがまちづくりのきっかけ
店をつくるとき、 私たちはあくまでサポートする側です。 まちをつくっていくきっかけは、 1人とか2人のオーナーがつくりたいものをつくろうとするところから生まれます。 そうやってひとつの店が人や街に刺激を与えて、 そこから新しい文化が生まれて、 街の遺伝子に発展していくと思います。
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