街の遺伝子(写真)
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

■虚心■

画像40 都心は、 中心
 都心は、 都の中心と書く。 中心。 まちの中心。 日本の中心、 世界の中心。 中心は、 この指集れと背が高い器が目立つ。 僕が一番と競って建つ。 確かに、 遠くから目立つのだ。 もちろん、 高密度な利用ということで、 その場所に積み上げられるのだろうが、 人の側にはいない。

横山あおい(エイライン)

画像41 「都心」イコール「都市の中心」でしょ。 中心って?
 都心から連想される風景を写真に撮ってみた。 何の事はない、 やはり都市の中心に足が向きシャッターを押そうとしているではないか。 中心?? いったい大阪のどこが中心なのか。 うろうろしているうちに歩くのが楽しくなって、 ここまで来てしまった。 …訪れる者にとっての都心、 それはきっとまちのいたるところに存在するのかもしれない。

藤川敏行((株)環境開発研究所)

画像42a 都心は中空:神社拝殿
 ロラン・バルトが東京の中心には大いなる「空」が存在する語っていた。 我が国の都心の中心には、 東京に限らず「空」が存在する。 大阪の天満宮、 京都の八坂さん、 神戸の生田神社。 写真は重陽の節句(9月9日)の祭礼直前の車折神社拝殿。

土井 勉(千里国際情報事業財団)

画像42b 都心になれなかった場所
 神戸にとって旧居留地は都心に違いないが、 大阪の旧居留地にはただ教会が残るのみである。 ここは都市の中心ではなく、 江戸の町の周縁部であるが、 多くの貿易商人が居を構え、 大阪府庁が立地し、 キリスト教の学校や病院が創建された。 経済・文化・政治の中心地として、 明治には確かに都心になろうとしていた場所であった。

フォーラムワーキンググループ

画像43a 都心は虚心 その1
 高校の数学で虚数の存在を知ったときは吃驚した。 円周率など終りの無い数を無理数という。 最も論理的で、 厳密と思っていた数学に、 嘘っぱちや無理などという数字が有る、 あるいは有ることにすることで、 その数学世界が限りなく拡大していく。 この世で虚実、 無理矢理なぞ問題ではない。 都心は限りない虚心でいい。

小林郁雄(コープラン)

画像43b 都心は虚心 その2
 現代都市の〈全体〉が、 町住区と遊芸空間と交通情報生態系の3要素で構成されていくと、 我が師水谷頴介は喝破した。 都心はその遊芸空間の代表である。 生活空間側から見れば、 遊芸空間都心は虚である。 焼き尽くされた神戸西部副都心・新長田もまた、 数多くの再開発ビル群が建ちあがってきてはいるが、 虚が続いている。

小林郁雄(コープラン)

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見はJUDI

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ