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よく見れば多層構造
普段はなるべく速く通り過ぎようと足を早める場所だ。 見上げることなんてめったにない。 そう、 居心地が悪いのである。 歩きの人間なんかが通る所じゃないよ、 と言わんばかりの道路・道路・道路、 である。 こんな空間を都心と思うのはあまりにも寂しいが、 私個人にとっての都心は? と言われるとついついこんな空間に足が向いてしまうのである。
藤川敏行((株)環境開発研究所)
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東南アジア的都心景観
大阪府堺東駅前のバイタリティの感じられる都心景観である。 広告の内容は消費者金融機関のそれが主流を占めており、 都会の生活の力強さを内面からも感じられる。
日頃使っている「都市景観形成地域」といった弱々しい言葉が吹き飛びそうな“東南アジア的バイタリティ”が感じられる力強い、 一種の美しさを秘めた都市空間として評価し、 今後の都心再生のヒントにしたい。
後藤祐介((株)ジーユー計画研究所)
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都心の孤独
新しいビル、 リノベーションによる話題の店舗、 ここ数年であっという間に姿を変えてしまった南船場である。 「ほんま賑やかになったな〜」と思いながら歩くと周辺を平面駐車場に囲まれた孤独なビルがあることに気づくだろう。 まちの変化は早いのだが、 更新の時期が少しずれると痛々しい風景が生まれる。 駐車需要が結構あるようでしばらくこの状態が続くことになりそうだ。
フォーラムワーキンググループ
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都心のこだわり
これも話題の南船場である。 まわりをビルに囲まれた小さなお店。 両脇をおしゃれなレストランに挟まれている。 進む者、 留まる者、 守る者、 いろんな意味が込められていると想像するが、 とにかくビルの狭間、 高速道路、 交差点、 なんだか都市的な要素の多いところにこういうお店が残っているとつい「おおっ」を見入ってしまう。
フォーラムワーキンググループ
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雑草建築
隣接する建物にもたれかけ、 敷地境界線と船場建築線との間に建てられた薄っぺらな店舗。 昼はどんぶりや、 夜は居酒屋とフレキシブルに都心環境に対応してみせている。 雑草のような力強さと、 親しみやすさを感じる建築です。 都心だからこそ、 限られた空間を工夫して使う面白さがある。
高見恒祐(大阪大学)
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異質のコンセプトがぶつかる都心
総合設計の公開空地(手前)と船場建築後退線がつくる歩道状空地(向こう側)が出会うと、 使い勝手のよさそうなコーナー空地(バイク置き場には勿体ない)が出現する。 成立過程が異なる空間がぶつかり合い、 充実した歩行空間ができ上るという構図は都心の環境デザインの特性といえよう。 母と子の散歩姿がピッタリはまる船場の外れの光景である。
田端 修(大阪芸術大学)
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敢えて都心とさせていただきます
学生の頃よく通った新宿歌舞伎町や渋谷センター街には都心らしさを感じてはいなかった。 なぜか? きっと無意識に居心地のいいところだけを選んでいたのだろうと思っている。 そしてミナミに都心らしさを感じないのはきっと居心地がいいからだ。 ならば、 都心とは少なからず居心地の悪さを感じるところで…。
藤川敏行((株)環境開発研究所)
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A級の時間とB級の空間
都心市街地では、 大通り沿いを外れて、 狭い道幅の街区に入るほどに歴史的な遺産が残っていることが多い。 そこにはA級の時間がある。 そういう場所でも、 最近の建物は残念ながらそれほど上質ではない。 空間はB級ということである。 そんな組合せがつくる都市環境が意外に安堵感を抱かせるのは皮肉なことだが、 京都の裏寺町でもそのとおりだ。
田端 修(大阪芸術大学)
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祇園祭とマンション
京都の町並みとの不調和が、 とかく問題視されるマンションであるが、 今年の祇園祭では祭りを盛り上げるための垂幕が下ろされていた。
マンション住民は街の再生にどれだけ参加することができるのか? 新たなパートナーシップが必要なのである。(京都市中京区)
中村伸之(ランドデザイン)
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大人達の棲家になって消えた公園
97年春頃、 大阪西成区の中心、 新今宮駅に近接して奇麗な児童公園が完成した。 朝夕の車窓下に見える公園は、 いつも子供たちで賑わっていた。 そのうちパーゴラやブランコを構造体にブルーシートが張られ、 青い家が増えていった。
99年春頃、 すっかり子供たちの姿をみかけなくなった。
2001年春頃、 公園がなくなっていた。
長谷川弘直(都市環境計画研究所)
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郊外に住んでも船場っ子を育てた教育施設
ビルの谷間に残る「愛珠幼稚園」。 明治13年東区民有志によって創建された。 「細雪」に見るように郊外へ転移した人々と都心を結びつけたものは子女の教育であった。 都心で学んだ共通体験が「船場っ子」といった意識を育んできた。 店住まいが失われても、 親と同じ学校で学ばせたい気持ちは、 残っているのだろうか。
横山宜致((株)都市緑地研究所)
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