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計画地全景
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土橋:
大阪駅北地区は通称「北梅田の貨物ヤード」と呼ばれています。 JR大阪駅の北側に広がっている広いヤードです。
今コンペが行われていますが、 コンセプトコンペということもあって敷居が低いせいか、 聞くところによると現時点でも2000件以上の応募があるそうです。
語るべき今の景観がありませんので、 少し遡ってどういう場所であったのかということを簡単に調べております。
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拡大図
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これは明治18年の陸地測量部の地形図です。 わかりにくいのですが真ん中の少し上に「大坂停留所」と書いてあります。 (ホームページの画像では読めませんが)「さか」の字がまだ土偏です。
駅の北側は全部田んぼで水路が沢山ありました。 西の方は新田開発で割と規格が揃った町割でしたが、 このあたりは雑然としていました。 曾根崎村というのがあって、 お初天神の曽根崎心中のあの景色がまだ残っていたということです。
大阪〜神戸間の鉄道が最初に出来て、 その後京都の方に伸びていきました。 まだ淀川はつけかえられておらず、 中津川が蛇行していました。 中之島は蔵屋敷が無くなって学校や公共施設などが出来ています。 堀は今よりも高い密度で残っています。 駅の所にも堀が来ていて、 駅に着いた貨物を街の中に運んだり、 逆に街の中から駅まで持ってきたりしていたそうです。
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大正末 大阪パノラマ地図
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これは「大阪パノラマ地図」の大正末頃の様子です。
先ほど言ったように“舟入”があり、 堂島川や曾根崎川と繋がっています。 駅の北側は空き地になっていて、 その周辺には学校や工場がありました。 貨物駅は旅客駅の北側から西側にかけて張り付いています。 阪神電車もできています。 市電も沢山密度の高いネットワークを作っています。
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昭和3年梅田貨物駅開業/昭和5年梅田貨物駅船渠水路開通
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そういう場所であったのですが、 昭和5年頃の世の中は今と似たような世相で、 色々と国の統制がきつくなり、 産業も振興しなくてはいけないという情勢の中で、 昭和3年に北梅田貨物駅としてつくられました。 ちょうど御堂筋が造られたのと同じ頃です。
昭和5年には南側だけだった舟入が貨物駅のある北側にも拡張されています。
戦後しばらくまでこのような状況が続いていました。
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航空写真
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現状を上から見たところで、 北が左手になっています。 大阪駅のヨドバシカメラがあって北ヤードが見えます。 先ほどの堀などは埋められて、 大きなドーム型の貨物ヤードになっています。 西梅田の開発や、 駅前の再開発、 それから阪急の開発などが行われています。
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同上 拡大
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状況を上から見下ろしてもらおうと思いますので、 次はCGでご紹介します。
ご覧のように、 沢山の超高層ビルがいつの間にか建っているのですが、 何だかそれぞれ勝手に開発された感じです。 特にシンボリックな形のものも、 場所との関係がよくわからないまま建ったような状況です。
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同上 OBPビル群を重ねて作成した風景
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広さはだいたい22haでOBPとほぼ一緒です。 そこでOBPのデータを持ってきて置いてみるとこんな感じになりました。
バブルがはじけてもう随分経ちますので、 こんな物を造る元気はとても無いんじゃないかと思いますが、 とにかく広さ的にはOBPのスケールだということです。
では周りの風景を少しご紹介します。
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梅田スカイビル
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先ほどのスカイビルです。 先ほど角野先生から「上を隠す」という話がありましたが、 すいごい電線が写っています。
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梅田スカイビルから 梅田方面
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これはスカイビルの上から駅前方面を見た所で、 よくご存じの風景です。
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梅田スカイビルから 新淀川
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北側には本当にすぐ近くに新淀川があります。 先ほどの明治18年の地図では全然影も形も無かったオープンスペースが広がっています。
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梅田スカイビルから 足元 それなりの風景
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個別に開発されたエリアの足元に入ると、 それなりの風景があるように思えます。 ここは木立の向こうに貨物駅があって、 その後ろに西梅田のビル群が見えています。
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丸ビルと街路樹
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古くからビルになった所では、 先ほどの御堂筋の31mと同じ様な、 阪急百貨店・阪神百貨店の風景も見ることができます。
また駅前再開発の所では結構街路樹が育って、 カメラを置く場所を選ぶとそれなりの都市景観があります。
しかし西梅田はなんだか随分建て込んだ様子で、 東京の品川や汐留と似たようなタイプの開発になっています。
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人通り・大阪らしい風景
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これは駅前のヒルトンの前の横断歩道の風景なのですが、 集まってくる人の様子を見ると丸の内とは随分違った風景です。
以上で簡単ですが北ヤードの紹介を終わります。
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