かたちと関係の風景デザイン
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関係をつくる、 場と像について

 

小樽の変貌

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小樽運河
 次に現代の都市のなかで、 風景をつくる具体的な場面を、 2、 3お話したいと思います。

 小樽運河は、 廣井勇という日本土木の先達なども計画に関係して、 大正12(1923)年に完成しました。 小樽は戦後長く斜陽時代がつづき、 戦前に造られた港や運河などの風景が、 そのままに残され産業遺構と呼ばれるようになりました。 この水辺と地域の石材でつくられた倉庫群の風景を何とか利用しようという活動がありましたが、 一番の問題は再生について語る言葉がないことでした。 しみじみとした風景が再生に役立つと感じているものの、 具体的な言葉がない。 そこで、 水辺の祭りを実験的に企画しました。

 手づくりの祭りでしたが、 当時の小樽の人口が16〜17万人のところ、 20万人の来場者があり、 それこそ何十年ぶりかに、 多くの市民が運河に集まりました。 その時、 環境が教育力を持っていると感じました。

 その後、 運河は部分的に埋め立てられ自動車道が通り、 風景が変わりました。 いまは多くの観光客で、 運河の遊歩道などは溢れかえっていますが、 なにか主役がいなくなったような風景に思えて仕方がありません。


シュミレーション画像による

「像」と「場」の形成〜川越のまちづくり
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シュミレーション画像
 CGによる景観シミュレーションの仕事を始めた頃の話しですが、 蔵づくりの街並みで有名な川越の一番街で、 「街並みを残したいけれども、 道路拡幅の計画線がある」というやっかいな都市計画の問題のなか、 行政と市民が共通の土俵で街並み保存を語れない状況がありました。

 シミュレーションは可能性を絵にして表現することができます。 一枚のシミュレーションの画像をつくることによって、 共通の場をつくり、 未来像を共有することができたように思います。


郊外の風景

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十勝デメーテル展
 郊外の新しくつくられている住宅地の風景はいま現代都市のなかで、 最もネガティブで不思議な風景だと思います。 今年帯広で国際的な現代美術展がありましたが、 そこでniall projectというチームが、 希薄な関係の郊外風景をさらに解体するような作品をつくっていました。

 
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