シュミラクルな風景・錆びたトタンと美意識
大阪芸術大学 松久喜樹
最近のテーマパークは、 明らかに以前のたとえばディズニーランドに見られる楽園の風景の演出とは異なる風景の演出が見受けられる。 USJのウォターワールドやディズニーシーに見られる赤錆びたトタン屋根や壁で覆われた建物や風景の演出が目に付く。 元来は簡素で安っぽく、 錆びれば見にくく汚い象徴である工場や倉庫で使われた材料がこともあろうにおとぎの国テーマパークにわざわざ造られている。 しかしそこには汚らしさは感じられない、 むしろファションの世界にみるジーンズの持つカジュアルさやパッチワークのおもしろさ、 わざとすり切れたジーンズをはくかっこよさの持つ時間を感じさせるデザインなどと共通しているようにも感じられてしまう。 廃墟趣味か、 はたまた美の発見かそういえば小樽の倉庫街にも同じような錆びたトタンでできた店があった。 もうすでに遊園地や実際の街にもこの風景は広がっているようである。
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