その緑地広場に面する細長い敷地に、 橋上駅、 自由通路と市民交流施設をつくることになった。
コンコースが高いレベルになることから、 歴史の背景となった愛宕山を正面に望むことが可能になる。 前面をガラスとして、 駅への行き帰りに愛宕山や山腹に連続する寺社群を正面に臨むことが、 まちの歴史を意識させるだろうと考え、 吹き抜けの気持ちの良い階段空間を内蔵させた。 ガラスは部分的に透明とハーフミラーとし、 外部からもガラスに映る愛宕山が意識できるようにと考えた。
浮かび上がるシルエット・映し出し
現代計画研究所 江川直樹
駅前には、 歴史都市(城下町)としての要素が全くなかったので、 いぶし瓦による広場を提案し、 広場にからめて歴史上のいわれのある塔をモチーフに、 いぶし瓦の塔を建てた。 広場は、 地面から1m浮かしたレベルに設け、 周囲は和紙を間に挟んだ柔らかいガラスブロックにして、 夜間は広場そのものが光の中に浮かび上がる形とした。 塔自体も、 当初はガラスブロックで考えていたのだが、 地元の城下町倶楽部の人たちの意見を採り入れて、 歴史的なモチーフのデザインにした。 朝日や夕陽に浮かぶシルエットは、 確かに旧城下町の雰囲気を感じさせる。
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ