見下ろしの視点
大阪大学 小浦久子
町家がつくる日本の都市には、 見下ろしの視点はなかった。 同質ではありながら個性豊かな町家が建ち並び、 道を介して地域に開かれた空間を生みだしていた。 そして、 敷地の奥にある生活の場では、 緑と光と風をとりこむ生活のかたちがあった。 新しい共同住宅の生活空間は、 通りに対しても、 地域環境に対して閉鎖性が高い。 そのかわりに、 見下ろしと空への視点を得た。 水平型の暮らしと垂直型の暮らしを共存させる高密居住のデザインが求められている。
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