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都市デザインにおけるファッションとモードとは

 

 これらのことから、 私なりの考えをまとめると以下のようになります。

     
     モード(様式)は……
     長期的、 形態の定着、 コンセンサス
       機能的、 意味的、 積み重ね
     ・文化、 歴史に基づいた形態
     ・正しい継承と都市環境との調和
     ・新しい社会的意味の表現
     ・新しい価値の創造
     ………………………………………………
     ・機能性とデザインの重要性
     ・受け入れられるための時間
 
 モードが様式的なものであると仮定すると、 長期的な大多数の人のコンセンサスのもとに、 形が定着して、 機能的にも社会的意味においても揺らがないものが都市デザインの中でのモードであると思います。

 「文化や歴史に基づいた形態」「色々な現象の正しい継承と都市環境の調和」「新しい社会的意味の表現」「新しい価値の創造」が試みられ、 それらがモード化されるのだと思います。 そして、 その前提として、 形態に機能性があること、 また飽きのこない質の高いデザインであることが必要だと思います。

 先ほど流行は瞬間だという話がありましたが、 私もそう思います。 従って、 もうひとつの前提として、 何年間か継続してみんなに受け入れられる状態ができる必要があるのだと思います。

     
     ファッション(流行)は……
     感覚的、 現象的、 一部の地域と人々、 移り変わる
     …………………………………………………………………
     ・短絡的な社会現象を反映し、 社会の刺激要素として
     ・商業環境、 都市イベントなどの可変性を持つ対象に適す
      都市資産としての設備に表現することは不向き
 
 それに対しファッションとは、 感覚的・現象的であり、 全体的でなく一部の人々や地域だけに通じるものであると思います。 さらに、 移り変わることが前提にあって、 短絡的・短期的な社会現象を反映して、 良く言えば社会の刺激剤になるようなものをファッションと呼ぶのだと思います。 言葉としてはファッションより流行の方が適切かもしれません。

 都市デザインにおける流行は、 商業環境や都市イベントなどのように、 一定期間で可変性を前提としたものに対しては効果があると思います。 これを間違えて恒久的なものに対して、 流行現象を付加するためにディズニーランダイゼーションのような現象が生じるのです。

 したがって、 5年から10年単位でリニューアルしようという計画で、 商店街に流行をどんどん取り入れることは良いと思います。 しかし、 ファッションとモードがなんとなくミックスされ混同されて使われていることが、 現在の都市空間の混乱を引き起こしている一因であるのではないかと思います。 ファッションとモードをうまく使い分けていくことが重要なのだと思います。

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