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植物のファッション性を読み解く

 

素材―配置―場所

 素材としての植物については、 明治以前には在来種(日本の固有種)が用いられるのと平行して、 ボタンや梅のような中国からの外来種が珍重されました。 近代以降、 街路や公園などのオープンスペースに大量の植物が必要になり、 西洋からの外来種が使われてきました。 また現在、 自然再生と関連して在来種への回帰が始まっています。 これが、 ファッションでとどまってしまうのか、 あるいは定着していくのかは、 もう少し様子を見なければ分かりません。

 植物の配置についてみると、 まず近代以前は単独種複合配置が行われていました。 これは、 色々な種類あるいは単独の種類の緑を複合的に配置する方法で、 日本庭園をイメージしてもらえば良いと思います。

 近代以降に同一種群配置が行われるようになりました。 これはクスならクスだけ、 ケヤキならケヤキだけといった同一の種を群的に配置する方法です。 明治期に京都の植治こと小川治兵衛が庭園の中に初めて群植栽をしたと言われています。 街路樹は同一種群配置の一種といえます。 最近は同一種のグリッド的な配置やライン状の配置などもみられます。 このように植物の配置についても流行性やファッション性があると思います。

 ファッションといえるのか分かりませんが、 植栽の場所にも変化が起こっています。 普通は土がある場所にしか植物は生育しません。 しかし、 屋上や壁面、 屋内などの本来植物が生育しない人工地盤にも植栽が施されるようになってきました。 東京では条例が制定され、 屋上緑化が急速に進んでいます。


植物の種類

植物の種類にもファッション性があります。

 

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在来種針葉樹→コニファー/貝塚イブキ コニファー コニファーガーデン
 
 関西の代表的な在来種の針葉樹にカイズカイブキがありますが、 今はカイズカイブキの生垣を新規に植栽するところはほとんど見られません。

 それに代わって、 観賞用針葉樹のコニファーがよく使われています。

 コニファーガーデンという、 おしゃれな庭園もつくられています。

 

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ヨーロッパ・アメリカ原産の花木/アメリカハナミズキ ヒペリカム・カリシナム
 
 ヨーロッパ・アメリカ原産の花木では、 アメリカハナミズキや低木のヒペリカム・カリシナムがあげられます。 ヒペリカムは兵庫県が10年くらい前に大々的に普及させたもので、 あちこちの街路樹に使われているのをみることができます。

 

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芝生→グランドカバー/アガパンサス リュウノヒゲ グランドカバーガーデン
 
 地被類とは地上を被う草であり、 グランドカバーと呼ばれています。 その代表的なものは芝生でありましたが、 最近はアガパンサスやリュウノヒゲなど新しいグランドカバーがたくさんでてきています。

 それらを使ったグランドカバーガーデンという庭園もつくられています。

 

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薬草→ハーブ/レモングラス カモミール ハーブガーデン
 
 日本のハーブは、 中国から入ってきた薬草を指すものでした。 最近では、 ここに示したレモングラスやカモミールなど沢山の種類があります。

 一時期、 地域おこしならハーブガーデンという合言葉ができるくらいに、 日本中でバーブガーデンがつくられました。 しかし、 今では殆どのハーブガーデンが廃れて人も来ないという状況です。

 

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パンジー→多様な一年草花/カンパニュラ ネモフィラ
 
 1990年の大阪花博以前は花といえばパンジーかチューリップでした。 小学校の理科の教科書にもパンジーやチューリップくらいしか載っていませんでした。 しかし、 花博以降、 多様な一年草が出てきて、 今ではそれらに合った植栽配置やデザインが当たり前になっています。


植物の配置・植栽の場所

 
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単独種複合配置
 
 単独種複合配置の日本庭園です。 もみじや松があり、 その後ろには針葉樹があります。 また、 様々な種類の松やもみじが一本ずつ丁寧に複合的に配置されています。 これがもともとの日本のデザインだったと思います。

 

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同一種群配置
 
 それが、 同一種を群状に配置する形に変わってきました。 こちらの方がおしゃれでかっこいいと評価するべきなのかという難しさもあります。

 

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人工地盤
 
 人工地盤のデッキの上に植物がグリッド状に配置されています。 素材は同じでも配置を変えるだけで新しくなるのでしょうか。

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