有効なやり方だと信じ、プロセスを開示しながら活動し、それを「劇場的街づくり」と呼んでいる。
 サスティナブルだ創造都市だと耳にするが私としては自分流にサスティナブルとは「近視眼的に儲けない仕組み」、創造都市とは文化を大事にした街づくりと解釈している。淀屋橋WESTに最初に入村したスペイン料理店は、メジャーリーグへ乗り込んだ野茂投手みたいな開拓者になってほしいとの思いを込めて誘致した。2年経った現在周辺の人通りは多くないものの連日遅くまで賑わいオフィス街にもかかわらず土曜日もお客さまで店が一杯で、大変な繁盛店である。また5番目の入村のベルギービールレルトランは深夜まで営業時間を延ばすようになり質のいいお客さまにも恵まれている。
 街のブランディングは集まる人々によってつくられる。淀屋橋WESTの店舗であれば安心できるというクオリティの高さは、まさにそうしたブランドをつくり出すことにつながっていく。
つながっていくことが完成しないコツ
 実際、ブランディングは「そこまでやるか」という努力を、不屈の精神で続けているからこそできるのであり、間違いないという安心の選択がブランドである。“街づくり”も同じで、それがあるから生活者から信頼を得ら
れるのである。
 私自身も、淀屋橋WESTの店々には少なくとも週に2回は顔を出している。そして質のいい人達が集まりそれが続くようにと思い、お客さまのクレームや感想は極力店のオーナーの耳に入れるようにしている。新店のレセプション、現場スタッフの懇親会(バーベキューパーティーなど)、1周年記念企画としてスタンプラリーの抽選で招待したお客様に街を流れる川に船を浮かべて、各店特製弁当を食べながらマジックショーを楽しんでいただいたりもした。年末には、周辺ビルにご協力いただき街のイルミネーションも実現した。エリアで活動している楽団や周辺の美術館とタイアップしたりしている。そうした活動の積み重ねがサスティナブルであり、創造的なのだと確信している。
 常連客が店を育て、店が客を育てる、これが本来の街の姿である。逆に、通行量が多い繁華街で一見さんだけ相手にして成り立つビジネスもある。そこには長い付き合いのなかで商いをしていくという発想はなく、これが文化性、サスティナブルとの違いである。経済効率だけでは計れないモノがそこにある。“完成しない街づくり”と言っているのは、つながって新しいことを生み出し続けていくことが、本来の文化的な街づくりだと信じているからなのである。
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図6 淀屋橋WEST 1948 メンズ&レディスファッションのセレクトショップNAKAGAWA1948
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図7 淀屋橋WEST 1961 フランス料理LA BECASSE
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図8 淀屋橋WEST 1周年記念クルージング
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図9 淀屋橋WEST 12月のイルミネーション
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