ガイドラインなどにも取り組むが、あくまで親睦会を基本としている点が特徴的だ。
 また仙台の『一番町三丁目地区まちづくり協議会』は、制度疲労に陥った商店街組合に代わり、ビジネスを中心に結び付く組織として、地権者の有志で組織されている。地区計画の提案や街並みデザイン委員会の運営に当たっているほか、市民との連携イベントも手掛けており、財源として自らに税を課すことまで検討しているという。
 『宗右衛町活性化協議会』も防犯や街の美化に取り組み、街のルール化、コンセプトにあった店の誘致などにより、ピンク街になってしまった街の再生を目指している。
 一方、商業活性化を主目的としたTMOが多数生まれているが、果たして定着してゆくのか、難しい局面を迎えている例が多い。
 そのなかで『新開地まちづくりNPO』は事務局長に若手専門家の古田氏が外部から登用され、@促進事業、A街並みデザイン、B経済立て直しを一体的に展開しており、出色の存在である。
 古くからの成功例として知られているのが大阪ヨーロッパ村の『周防町通商店会』である。たった三人の女性たちの思いが地域の思いにつながり、行政を巻き込んで80年代後半に道路の美装化に結実した。その後も大学院生や地元小学生との協働による取り組みを続けている。「まずは街のお掃除からはじめなはれ」と町会のまとめ役。
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