◆レンタルショップ「私商箱」─空き店舗事業
阪急箕面駅前の再開発ビル「みのおサンプラザ」1号館は、1〜2階の商店と文化施設が一体となったビルで、当社はビルの施設管理と商店会の「みのおサンプラザ名店会」の事務局を受託している。まちづくり事業を始めてからは、商業活性化につながる事業企画やイベントの実施にも協力してきた。
レンタルショップ「」は、空き店舗事業として当社とみのおサンプラザ名店会が共同で運営し、地域とのつながりや商店街の魅力向上に焦点を当てている(図2)。
店内に並ぶ約30センチ角の60余りの箱を貸し出し、個性的な手づくり品を販売。古い着物を使った和雑貨やビーズアクセサリー、うつわ、アート作品など乙女心をくすぐられる可愛らしさが人気の秘訣で、固定客を獲得し、商店街の回遊性を高める効果が出てきた。
今後は、箱店の店主同士の交流を深め、みのおサンプラザ名店会と連携しながら、活性化イベントを実施していくことを考えている。
◆TMO「箕面わいわい株式会社」の設立
こういった事業を手がけていくなかで、商店主や市民活動団体とのネットワークが徐々に広がり、当社の取り組みが評価されるようになった。
2004年
:まちづくり事業に従事したスタッフが中心となり、本格的に中心市街地活性化のまちづくりを開始する。中心市街地の活性化は以前から箕面市の重要な課題であったが、担い手問題で具体化が進まなかった経緯があり、当社が事業の経験をもとにTMOを設立することで一気に具体化が進んだ。
当社の2年間の準備期間と、商業者・地域住民が組織する「箕面まちづくり協議会」による地道な合意形成活動により、箕面市による基本計画策定が8ヶ月、TMO構想策定が3ヶ月、TMO設立準備が6ヶ月という極めて短
期間で実現できた。
2005年2月
:まちづくり事業部から中心市街地活性化に関する事業部を分割することによって「箕面わいわい株式会社」を設立し、TMO構想事業がスタートし、初年度は、50事業のうち26事業に着手している。
◆「箕面山 七日市」─地元商店会とお寺の連携
TMOの初年度事業のなかで、成果を挙げつつあるのは「」である。宝くじの前身“富くじ” の発祥の地であり、修験道の寺としても知られる「瀧安寺」と、地元の9商店会・1市場が連携し、毎月七日に門前市を開催している。企画と運営、事務局は箕面わいわい株式会社が行ない、商店街のスペースを市民活動団体に提供する青空市もコーディネートしながら、駅前に活気を作り出すことがねらいだ。
開始からまだ日は浅いが、複数の商店会が一丸となって100店以上に及ぶ参加を実現させていることにより、中心地への吸引力づくりに期待が寄せられている(図3)。
◆官から民へのまちづくりの展開
現在は、箕面都市開発株式会社が市域全体のまちづくり、箕面わいわい株式会社がTMOとして中心市街地に取り組むことで住み分けしつつ、両社で協力体制を組みながらネットワークの拡大強化に努めている。
とくに橋本亭はメディアで何度も紹介され、箕面市の新たな人気スポットとして脚光を浴び、行政からも観光資源として認められた。
施設管理に偏重しがちな官の色彩が強い第3セクターの運営から、スリムでスピーディーな民の運営に転換し、専門的なノウハウや情報の蓄積を背景に、箕面のまちづくりの中心となって地域の発展に向けて取り組んでいる。
これからも、遊び心を胸に多くの人が参加する仕掛けづくりにより、企業、商店会や市民の期待に応えるまちづくりを進めていきたい。
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