・名称:大阪小型旅客船(12名未満)運行研究会
・地区:大阪市内の河川(堂島川、土佐堀川、東横堀川、道頓堀川、木津川、大川等)
・組織:小型船旅客運送事業者5名(会社社長、建築家、NPOメンバーなど)
・設立:2004年4月
活動(事業)概要
水上タクシーとは小型ボートで旅客を案内する事業であり、正式には小型船旅客運送事業という。この水上タクシー事業の届出をしている個別の事業者5社が集まり、共同で水都再生の実践に取り組んでいるのが、大阪小型旅客船(12名未満)運行研究会である。
研究会では、2004年から春と秋に開催されている「舟運まつり」や12月に中之島公園一帯で開催される「光のルネサンス」などのイベント時に水上タクシーの実験運行を行っている。
2004年秋に実施された舟運まつりでは、天満埠頭(南天満公園仮設桟橋)を水上のターミナル駅として、中之島周遊コースや大阪国際会議場や大阪ドーム、湊町リバープレイスなど市内各所の桟橋とを結ぶクルージングを船長によるガイド付で行っている。9日間だけの実験運行でありながら、延べ600人以上の乗船客があった。
また、光のルネサンス2004ではX
masリバークルーズと称し、イルミネーションに飾られた小型ボートを中之島公園バラ園橋横の仮設桟橋から公園周辺を運行し、8日間に渡りクリスマスの夜を演出している。
研究会はイベント時に共同で実験運行するが、普段は各事業者が個別に水上タクシーの事業を行っている。その内定期運行しているのが「水都リムジン」と「大大阪クルーズ」である。
「水都リムジン」は伴ピーアール鰍フ伴一郎氏が運行している貸切による水上クルーズで
ある。定員10名のパーティボートで大阪国際会議場前港から中之島や道頓堀を約2時間で周遊し、船上パーティが楽しめる。
「大大阪クルーズ」はNPO法人水辺のまち再生プロジェクトの中谷ノボル氏と吉アかおり氏が運行しているクルーズで中之島の水晶橋付近から東横堀川
、道頓堀川
、木津川、堂島川を巡る約90分のコースが用意されている。
上記はいずれも1週間前までの予約が必要となっている。雨天時には中止になるので、もう少し直前に予約できるようにしたいが、水門の開閉や桟橋の利用の申請が1週間前までであることから仕方ないのだそうだ。
設立の経緯と目標
事業者の1人である伴氏は30年以上前からモーターボート等で堂島川や大川を走っており、2003年夏に一足先に水上タクシーを就航させていた。同じように小型ボートを所有し、舟遊びを楽しむ仲間が増えてきたことから、水や舟が好きな者が集まって一緒に活動してみようと、各々が水上タクシーの届出をして、2004年4月に研究会を発足させた。
共通するのは川や水辺をもっと活用することから、水の都大阪の再生を具体化していこうとの思いである。研究会では1社ではできない実験運行を通じ、より多くの人に水の上から眺める大阪の魅力を楽しんでもらえる機会を作るとともに、桟橋や水門の利用の申請などの管理運営の問題点を改善し、将来は川を多くの舟が行き交い、気軽に舟遊びが楽しめる街をめざしている。