・名称:船場ギャザリング
・地区:大阪船場のうち、特に御堂筋〜堺筋〜博労町〜中央大通で囲まれた中船場エリア
・概要:インキュベーションスペースの確保とテナントの誘致、テナントのサポートを通じたまちの活性化
・設立:2001年
・会員:井上哲朗、高坂昌利、辰野元彦、日比哲夫、吉村孝司の5人を中心とする企業家有志
◆活動開始の背景と目的
繊維卸問屋が集中する中船場は、倒産した店舗や空き地が並ぶ「シャッター通り」「ガレージ通り」と呼ばれる、大阪の地盤沈下を代表するようなエリアである。
産業の活性化のためにベンチャーの育成が必要とされ、諸制度も整備されつつある。しかし“商売”のまち大阪で具体的な店舗を必要とする人たちにとっては、IT等ハイテクを中心とする支援制度は不十分ではないか。知名度のある船場をベンチャー(商売人)育成のフィールドと位置付け、フリーターやリストラ中高年の起業を促すと同時に、船場の若返り、さまざまな業態への転換ができないか。そのような目的で活動をスタートさせた。
◆活動のスタンス
新たな“箱もの”はつくらない(原則/当面)
卸売業として知名度が高いものの空きスペースが多い南久宝寺商店街と丼池ストリートの空き店舗等にテナント誘致用のスペースを確保し、長期的なリターン(出世払賃料の設定)を実現するため、コンバージョンなどにより新規投資を押さえている。
積極的企業、チャレンジ人間、知的人材を集積
テナントとしてベンチャー精神に富んだ人を積極的に誘致している。入居した企業のネットワークを通じて知り合いの企業を呼び込み、自然にチャレンジスピリットある人材が集積する仕組みを構築している。
ギャザリングによる活性化の仕組みづくり
「船場ギャザリング」が主催する交流会(ギャザリング)の開催、イベント企画、情報発信、テナントへのコンサルテーション(ノウハウ、資金、人材確保etc)などを
通じてベンチャー企業の育成を図るだけでなく、街の自主的運営サポートによるエリアの活性化をめざしている。
◆これまでの主な成果
活動開始当初は“ギャザリング”の開催が中心であったが、2002年には第1号がオープン。それ以降も個性あふれる店舗を次々と開店させている。
hari(2002.09)
店主の好みでセレクトした衣類、若手デザイナーの雑貨作品、オリジナル商品を展開している。一人一人の「自分らしさ」を見つけることができる店を目指している。
マーメイドビル(2003.03)
倉庫を再生したビルに入居するラウンディッシュは、「世界を丸く、地球は回る」をミッションステートメントとするジャズの中古レコード店。ギルドギャラリーは扇町ミュージアムスクエアから移転した、現代アート作品を展示・販売するアートコミュニケーションスペース。
中船場ビル(2003.03)
陶芸教室が入居。船場の真ん中で陶芸を基礎から学ぶことができ、世界に一つだけの作品を作ることができる。
アウラクロス(三休橋エクセルビル:2004.05)
写真などの展覧会を中心とするライブイベントから上映会、アパレル系新作展示会など、幅広く利用できるレンタルスペース。型破りなアートスペースを目指す。