Aワークショップ
 交通問題に関するワークショップを年2回ほどのペースで開催している。
 今年は高倉小学校の児童・PTAの皆さんとともに、総合学習の授業を活用して「まちづくりに関る人たちの紹介」や「都心の自転車問題」をテーマにワークショップとまち歩きを行なっている。
 小学校の統廃合によって、一時、疎遠になった地域と学校の関係が、新たな課題の中で再び回復してゆく。
Bあるくらツアー
 2003年より、都市型エコツーリズムを目指して、年数回のツアーを行なっている。
 当初は高校生の修学旅行を対象にしていたが、今年から社会人の研修や大学の授業へと対象を広げている。
 町並みを見ながら地域の歴史文化を紹介し、伝統産業の工房や老舗や個人宅を訪問しインタビューするプログラムを、立命館大学谷口ゼミと協働で実行している。
 最後にまとめのワークショップを行い、ビジターの眼から見たまちなかの魅力や課題を引き出し、その意見をメンバーで共有し、まちづくりにフィードバックする。
C情報共有と意見交換
 学区や職種の「壁」によって、従来、交流の少なかった各構成団体が、月に一度の幹事会によって、活発な意見交換を行なっている。
 マンション(新住民)対応、地区計画、交通問題、自治形態、産業振興など様々なテーマが熱く語られている。
images/6970_31723782_0_0.gif 人が住むところにまち育つ
 以下、私見を交えつつ、まちなかの現状を分析する。
何じゃかんじゃ言いつつも、京都都心部には多くの人が住んでいる。
 あるくら京都がカバーする9つの元学区エリア(東西
1.7km、南北1.1km)には、1万3千世帯、2万4千人が住み、2つの小学校と1つの中学校と1つの高校がある。多くの人々が都心に愛着を持って住み続け、新たな市民も増えつつあるのが、このまちの大きな特徴である。
 前述したように、従来の自治形態は社会構成の変化によって求心力を失ったが、まち自体の求心力が衰えたわけではない。各地域で自然発生的に起こった「まちづくり」を合言葉にした包括的な活動が、コミュニティの再生を予感させる。
 あるくら京都には、次世代のリーダーとも言うべき人材が集まり、旧来のコミュニティの垣根を越えて連携し、小中学校やPTA、さらには子どもたちにも交流の輪を広げている。
 また、あるくらツアーも(小さな試みではあるが)地域のなりわいや文化を紹介しつつ、ビジターとの交流に刺激されるところがある。
 新たな「まつり」をきっかけに集まった人たちが、新たな「まち」を育てるのだ。

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