小浦:
それでは続きまして、澤田さんのほうから淀屋橋WESTを中心に企業からまちをどうプロデュースするかというところをお話いただきたいと思います。 永遠に完成しない街づくり〜淀屋橋WEST〜
ケイオス代表取締役 澤田充
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ここはオフィス街です。大手企業が多く、街区が整備されています。一方通行で一車線で両方に歩道が整備されています。しかも中に入りますと、ほとんど信号がありません。信号がないので、車がスピードを出して走れません。木の文化である日本から見ると少し異質な石の文化という感じがいたします。
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それから老舗の小売店が多いところです。例えば大阪鮨の「すし萬」、あるいはお菓子の「鶴屋八幡」、あるいは「美々卯」等々です。
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特徴 |
まず「良質のストックがある」ということ。我々の前の世代、さらに前の前の世代が残してくださった良質のストックがあります。さらに大阪のビジネスの中心地なので、「上質の生活者」がいらっしゃる。文化的レベル、あるいは学問水準の高い人たちが働いていらっしゃるわけです。それからここはいい所であるという「プライドの高いビルオーナー」に取り囲まれている。ただし「時代に取り残された街」であるわけです。
要するに今っぽいものが、俗っぽいものも高尚なものも含めてないということです。良い街だと皆さんは思っていらっしゃるのですが、マーケティング的には取り残された街であると思ったわけです。
活動姿勢 |
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レストランは文化だと思っています。これはイルミネーションで大阪市のイベントに参加させていただいたときのものです。お金がないので、店の皆さんが自らイルミネーションをつけました。
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2004年の2月に老舗店舗の参加によるニューステージが始まりました。ここから第二幕が始まったと考えています。 老舗の美々卯さんが新たに淀屋橋WESTに参加したいというお申し出があり、法外の喜びでした。花卯という、天ぷらうどんと天丼の専門料理店をオープンされました。
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次に鹿児島県のレストランが来ました。焼酎のお店です。
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これは淀屋橋WESTの一周年記念として中之島の川の上でマジックショーを見ながら特製弁当を食べるイベントです。スタンプラリーで三つ押していただいたお客様から抽選させていただいたイベントです。
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2 RISTORANTE VOGLIO(コンバージョン前と後 |
03 遊亀淀屋橋(コンバージョン前と後 |
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住宅街ではよくイルミネーションをされるのですが、オフィス街にやってみようではないかということで、十数社と協力しつつイルミネーションをやっています。今年もそれを引き続き拡大していこうと思っております。
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11 とり神楽(コンバージョン前と後 |
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その後、2005年4月にはフランス料理店「La Becasse」という国際的メゾンのレストランが参加して、格、奥行きがましています。これもコンバージョンです。
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初めての物販店が8月に入村しました。中川さんという1948年創業の店です。
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一つひとつの積み重ねをどう街と繋いでいって、変えていく力を持つかというのが、少しイメージできたのではないかと思います。
これまでの歩みとこれから
このように、着実に事実を積み上げていくことから始めております。この地域は、大阪のコテコテのお笑いというイメージ、ステレオタイプの情報発信ではないエリアだと思っておりますので、最近はクラシック楽団や中之島の美術館等と提携しながら少しずつ広げていこうと考えております。こうした活動を「永遠に完成しない」というスタンスで、今後も展開していければと考えております。
プロジェクト年表1
プロジェクト年表2
プロジェクト年表3
小浦:
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