JUDI関西 「アイデンティティとまちづくり」
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人・場所・時間

大阪大学

鳴海邦碩

 五時になりましたので、 そろそろ終わらないといけません。

   

 今日のテーマであるアイデンティティというのは、 人に属する概念ではないかという議論がありました。

そして場所のアイデンティティとは、 人に関わる概念が環境に反映してくるプロセスとか結果である、 そういう主張が多かったのではないかと思います。

   

 一方、 場をどのように理解するのかという、 人間側の理解の仕方とか、 技とかに関係するお話がありました。

午前中のレルフさんの場所に対する経験は間主観的(inter-subjective)な性質をもっているということも関連します。

つまりある人がある場所に対して持っている愛着とかそういったものを、 その場所を知らなくても理解することができる、 という性質です。

このことから場が持っている関係性をどうやって認識し、 あるいは読みとって、 それをどうやって伝えるかということが、 アイデンティティを形成していく上で、 大きな役割をもっているのではないか、 という気がしました。

   

 それから時間ということについても、 ずいぶん皆さんの関心が集まっていました。

アイデンティティは時間をかけてできてゆくものということです。

この時間のことと関連しますが、 成長し変化する環境という意味で、 コラージュとモザイク、 あるいはコラージュシティという言葉もでてきたと思います。

   

 今回の震災復興ですぐにつくらないといけないものがたくさんあります。

ゆっくり時間をかけてやっていられないということもあります。

素早くやらないといけないものは、 できてから、 上手く使いこなしていくことを今から準備しておかないといけません。

また、 時間をかけて、 いいものをじっくりつくっていうという、 そういう対応が必要なものもあると思います。

   

 今日お集まりの皆さんの中には、 復興の仕事に参画されている方もおられますし、 ここに上がっている方の何人かも具体的な復興の仕事に携わっておられますので、 今日ここで議論されたような考え方が、 具体的な仕事の中に生かされていくのではないかと思います。

今日のこの第四回目のフォーラムのパネルディスカッションを、 神戸や阪神の復興がまち壊しにならないで、 いいまちづくりになることを祈念して終わりたいと思います。

どうも有り難うございました。

   

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