かつてまちなかには暮らしの店がたくさんあった。人口がもどれば店が増えるのか、 店が増えれば人口が増えるのか。
十数年前から、 都心人口の減少が問題視され、 各方面で解決策を見いだすべく調査研究がなされた。
そのひとつである大阪市の都心居住者に対する調査から、 彼らの行動をみることにしよう。
都心のマンションに住む人たちの、 一日の地域的な生活行動を調べてみると、 住んでいる場所と職場の他に、 多くの立ち寄り先がある。
それは、 仕事上のものであったり、 プライベートなものであったりする。
右上の図は、 住まいと職場が少し離れている例。
梅田が複数の利用施設が集まる極となっており、 住まいの周りにも利用施設がある。
都心居住者は、 徒歩圏内に3店ほどの馴染みの店をもっている。
スーパーマーケットが一番利用され、 ついでデパート。
食堂、 美容院、 喫茶店、 書店が続く。
離れた場所だと、 飲み屋、 文化教室、 洋品店。
貸レコード屋、 麻雀屋があがっているのも懐かしい。
こうした調査結果を見て、 なぜか〈キングコング〉を思い浮かべた。
摩天楼のジャングルを動き回る様。
都心のジャングルを動き回る都心居住者は、 それぞれに活動拠点をもっているのである。