人は、 人がいないと寂しいのである。不安なのである。
一人では、 生きてゆけないのである。
大自然のなかにポツンと人の手がけたものをみるとなぜかホッとする(北海道富良野) | |
荒野のなかに集落など見つけた際には、 なおさらである(スペイン) | |
都市はその集合体であり、 時には多くありすぎてパニックをおこすこともあるが、 ひと恋しくて不安になることが少ない(イギリス) |
大自然のなか、 一人旅をしているときなど、 風景のなかで人の気配を感じるとホッとしてうれしくなる。
荒野で集落に出会うと安心して全身の力が抜けてくる。
人は、 一人では生きてゆけないのだと痛感する瞬間でもある。
その気持ちが集まり、 都市を形成したのではないかと感じることがある。
そのなかで、 さまざまな価値観が存在し、 さまざまな事柄が起き、 都市は、 現在のような形に成長してきたのだと考えられる。
北海道にいくと、 街の照明施設に、 やたら目立つものが取りついているケースに出くわすことがある。
このデザインやスケール感は、 寂しさの緩和になっているのかも知れないと思うこともある。
そんな小さな人々の心が集まって寄りそって都市という形になったと思える。
それゆえ、 人の気持ちへの配慮に欠けた都市は、 居心地の悪いものに思われる。
やはり、 思いやりのある程よい暖かさのある場所と、 うれしい、 楽しい、 幸せなのだという心の束でできたにぎわいのある場所は、 基本的に心地が良いのである。