街の隙間に一本の樹を植えよう。屋上を活かしてテラスを設ければ都会のオアシス。
四季折々の変化を肴に集まり楽しむ事が出来る。
交通量の多い通りに面していても、 ルーフテラスと一本の樹がゆとりと潤いをもたらす。 都心でも開放感ある戸外での食事を可能にしよう(徳島市南二軒屋町) | |
気軽に集まってパーティーを楽しむ。 飲食物は近所で全て賄える。 これが都心のいいところ。 酒も会話も弾む(徳島市南二軒屋町) |
JR駅近くのこの小さなオフィスビルは、 交通量の多い通りに面しており、 バスの便も多く、 交通至便。
正面入り口には、 街に開放したポケットパークを設けて、 植え込みに一本の花水木を植えた。
花水木を選んだのは、 気に入りの樹種の一つであったことはもちろんだが、 何よりもこの樹は、 季節の移り変わりをさりげなく暮らしの中に織り込んでくれるからだ。
新芽が吹いて、 若葉が色鮮やかに青々と茂り、 愛らしい花を観ることができるかと思えば、 秋には刻々と色づく、 見事な紅葉を楽しむことができる。
葉が落ちたときには、 その樹の姿や枝振りが、 表情豊かに冬のビルの窓からの眺めを演出してくれるのである。
とりわけ、 二階にこしらえたルーフテラスは、 花水木の観賞には最適な場所である。
白い花が咲く頃に、 気の合う仲間に声を掛けた。
「花水木のお花見会に来ませんか」と。
当日は、 事務所から机とありったけの椅子を運び下ろした。
照明を少しとBGMに選ぶ音楽。
あとは一人、 また一人…と仕事を終えて集まってくる仲間を待ち受けるだけ。
集まるにはいたって便利な場所なのだから。
事務所ゆえに、 買い整えた料理ではあったが、 集まる笑顔と楽しく豊かな会話は損なわれない。
次は葉っぱが燃えるような季節に集まろうか。