「みどり・子ども・まつり」に代表される要素が集まり、 寄りあってこそ住むにふさわしい魅力的な環境として見えてくる。「子ども」から都心を再構築しよう。
都心居住の魅力は、 各都市固有の魅力の度合いでもある。
自然をたたえ、 歴史文化資源を継承し、 情報と交流が活発な人間の営みが感じられる都心居住は魅力である。
しかし、 経済・産業のみに特化してアンバランスに成長した都市は住みづらく、 交通「公害」や生活関連諸施設の消滅等子どもや高齢者など社会的弱者にとってハンディも大きい。
わが国の「都市弱者」ともいえる〈居住〉を重視した複合混在型の寄りあう都心環境の再生=住み心地の良い都市づくりが求められる。
その場合、 「もの=みどり」「ひと=子ども」「こと=まつり」に代表される3要素が組み合わさってこそ都心居住にふさわしい魅力的環境がみえてくる。
これまで都心は若者・中年男性向けにつくられ、 結果として子どもを育てる環境を犠牲にしてきたきらいがある。
男性に限らず、 女性や子ども、 高齢者からみた都心居住環境の創造について、 より語られ実践される必要がある。
まつりは子どもを育てる。
まちに引き継がれたまつりなど伝統的コミュニティと新しい都市的コミュニティの息づかいが都心を甦らせる。
その受け皿として、 公共施設に止まらず、 集住によるコモンスペースの豊かさや複合市街地住宅づくりに力を注ぐことが大切である。
「子ども」の生活を中心に、 都心市街地の再編政策を見直すという視点を提案したい。