都心はかつて住む・働く・遊ぶ多くの人達が渾然となって、 豊かな都市文化を創造した。生活都心の基本は、 まず近代都市計画が排してきた住人を、 そこらじゅうに戻すことだ。
ビルのペントハウスに、 管理人しか住んでない都心ってなんだろう。
都市活力の衰退は、 都市に、 それも都心に市民が住まなく(住めなく)なった事に始まる。
世界の大都市に共通したこの事実に、 都市計画はなんと答えるのだろう。
これまで住宅は、 都市計画の範疇外とされ、 軽んじられてきた(今も大きくは変わっていないが)。
都心とは物好きか特別な人間しか住めない所なのだろうか。
これでは都市の活力も文化も育たない。
子供や若者から高齢者まで、 健常者もハンディのある人も、 外国人や、 金持ちも貧乏人も、 誰もが混じり合って働き、 憩え、 そして何よりも住む姿があってこそ、 生活文化が醸しだされる。
混住による「逞しさ」が賑やかさを創り、 賑やかさが楽しさを演出する。
都心の集住体は高密度になるとしても、 様々な形や広さや高さのものから、 集住のつくり方(例えばコーポラティブやコレクティブハウス)や、 所有形態(賃貸や分譲、 その中間)、 アフォーダブルな住宅等、 様々な住宅が環境とセットで用意されれば、 もっと多くの様々な市民が戻って来れるだろう。
混住は都心の活力と魅力を増す源である。