混じりあう―人が混じりあう
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混住による生活都心のデザイン

住宅・都市整備公団 千葉 桂司

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都心はかつて住む・働く・遊ぶ多くの人達が渾然となって、 豊かな都市文化を創造した。

生活都心の基本は、 まず近代都市計画が排してきた住人を、 そこらじゅうに戻すことだ。

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画像t063-1 マンハッタンには、 東京都心の数倍もの市民が混住する。

今も世界中から人々が集まる。

そこに魅力的な文化や空間や生活が生まれる(ニューヨーク、 マンハッタン上空)

画像t063-2 中層高密な大阪市営住宅には、 都心コミュニティーを育む領域性がある。

高層マンションだけが都心居住のモデルではない(大阪市日本橋筋付近)

画像t063-3 夏の盛、 屋外映画祭を前にウィーン市役所前は、 屋台に群がる人達でごった返す。

市民は世界中から来る人をもてなす。

日本ではこうはいかない(ウィーン市役所前)

 ビルのペントハウスに、 管理人しか住んでない都心ってなんだろう。

都市活力の衰退は、 都市に、 それも都心に市民が住まなく(住めなく)なった事に始まる。

世界の大都市に共通したこの事実に、 都市計画はなんと答えるのだろう。

これまで住宅は、 都市計画の範疇外とされ、 軽んじられてきた(今も大きくは変わっていないが)。

都心とは物好きか特別な人間しか住めない所なのだろうか。

   

 これでは都市の活力も文化も育たない。

子供や若者から高齢者まで、 健常者もハンディのある人も、 外国人や、 金持ちも貧乏人も、 誰もが混じり合って働き、 憩え、 そして何よりも住む姿があってこそ、 生活文化が醸しだされる。

混住による「逞しさ」が賑やかさを創り、 賑やかさが楽しさを演出する。

   

 都心の集住体は高密度になるとしても、 様々な形や広さや高さのものから、 集住のつくり方(例えばコーポラティブやコレクティブハウス)や、 所有形態(賃貸や分譲、 その中間)、 アフォーダブルな住宅等、 様々な住宅が環境とセットで用意されれば、 もっと多くの様々な市民が戻って来れるだろう。

混住は都心の活力と魅力を増す源である。

   

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