学校はまちなかがいい。毎日様々な人々や出来事との出会いがある。
バーチャルではない生身の人と社会が動いているまちから学ぶことは多い。
都会の真ん中の小学校に通っていた。
校庭は狭くて土はなかった。
向かいのビルが取り壊しになってしばらく運動場代わりに使わせてもらっていた。
運動会は中之島公園、 学芸会は三越百貨店のホール。
記憶にあるビル街は暗かった。
この通りは歩いてはいけないとか、 街には恐いところもあるのだと感じていた。
学校は知識を学ぶだけのところではない。
様々な人に出会い、 様々な出来事に出会うことで知恵を磨く。
まちなかの学校は出会いの機会が多い。
欧米の都市には、 普通の町並みの中に大学がある。
学校とは施設の基準を満たせばいいのではなく、 自主的に考え、 議論し、 問題をとらえる機会と環境であればいい。
巨大な実験施設や危険の伴う施設が、 多くの人が生活する場にあることは問題かもしれないけれども、 それ以外は大学は都市にあるほうがいい。
グランドがなくても、 スポーツの機会はつくれるし、 公共施設を使えばいい。
大阪では都心に人が住まなくなって小学校がどんどん閉鎖されていく。
もともとまちの人々が自分たちの子供たちのため、 町のためにつくった学校も多い。
それだけに、 その跡地で商売をするよりも現実と物思いの接点となる環境づくりを考えたい。