混じりあう―仕事が混じりあう
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

ネオン街と大学町

大阪芸術大学 田端 修

* * *
時間の経過を忘れて仕事や制作に没頭できるような24時間型の環境から新しい産業や芸術の芽が開き、 都市を支える大きな仕事が育つ。

* * *

画像t073-1 ネオンの深夜から陽光の朝方まで途切れることのない屋台市(いち)の賑わいは、 心を解放し自由にする。

歩いて帰れる範囲にこんな場所があれば最高(香港)

画像t073-2 夜中まで煌煌と明かりの灯る都市の中の大学はこれからの24時間都市を象徴する環境である。

ここから新しい知恵や産業が生まれ育つ(京都市京都大学)

画像t073-3 大学と市街地、 仕事場と住宅が絡み合い、 融合する環境デザインが24時間都市をつくる要件である。

大学都市オクスフォードは古くからそんな構造をもつ(現地絵ハガキより)

浮かれ気分の24時間都市でなく

 バブル期に騒がれた24時間都市論は、 国際金融・情報発信などをキイとして文化・アミューズメント・コンベンションなどの機能が広がるといった浮かれ気分に満ちていた。

ネオンきらめく都市などという表層イメージが優先し、 具体の都市づくりとの接点を欠いたところがあったといえる。

今こそ本物の24時間都市づくりにパワーを注ぐべき時であると思う。

行方知れぬ未来に向うためには、 時間の経過を忘れるほどに人を熱中させる機会や場所が溢れていなければならない。

このための空間・装備や関連支援サービスなどを提供する24時間体制の都市のなかで、 新しい産業もまた開花することになるのだろう。

   

多様な手仕事の場から生まれる24時間都市

 それは、 絵画・彫刻・工芸・デザインなどのアトリエ型手仕事であり、 思考と試行を繰り返す研究室型手仕事、 または小工場型手仕事であり、 それらの入り交じったステュディオ型手仕事かも知れない。

これらの背景として、 朝まで生テレビ型の酒付きの議論・遊びや食べ物や飲み物をはじめ多種の屋台が並ぶ夜店・夜市もまた必要になる。

このような本物の24時間都市から、 未来につながる本物の情報発信が可能になるであろう。

   

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は前田裕資

都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

キーワード集メインページへ
JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ