混じりあう―空間が混じりあう
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複合による生活都心のデザイン

住宅・都市整備公団 千葉 桂司

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窓を開けると街の喧騒が伝わってくる。

ちょっと着替えて住宅から外に出ると、 すぐに店がありレストランがあり、 銀行がある。

それに続く賑やかな街がひろがる。

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画像t083-1 ローマのインスラ(街区住宅)は、 下にお店、 上に住宅と今も健在(ローマ、 ナヴォーナ広場)
画像t083-2 ひろばに露天市がたつ。

午前中の商売が終われば、 又元のひろばに戻る。

都心にこそ、 こうした市場の出せるひろばをつくろう(ローマ、 カンポ・デイ・フィオーリ広場)

画像t083-3 単なる橋ではない。

店や美術館が複合したこの橋を観に、 世界中から人がくる。

こうした橋を日本のどこかに造れないか?(フィレンツェ、 モンテベッキオ橋)

 古代ローマは都市型住宅発祥の地である。

インスラと呼ばれる、 1階店舗で2階以上が住宅の典型的複合建物は、 城郭都市内での高密集住の必要性からうまれた。

歴史的には、 大都市都心部の建物は、 その多くが積層高密住宅であり、 下層部に店舗等の何らかの施設を取り込んでいた。

それが都心居住者の日常生活を便利に豊かにしていた。

   

 ロンドン・パリ・アムステルダム等ヨーロッパの都市の多くは郊外にニュータウンを造ったが、 都心の住宅複合建物も多くを残した。

それが今、 魅力に富んだ都心となり、 そこで生まれる文化情報を世界に向けて発信している。

   

 ところが、 スクラップアンドビルドの早い日本の都心部からは、 住宅が駆逐された。

併せて利便施設の店舗が消え、 一層都心を住み難くした。

都心文化を享受しようにも、 我が家はどんどん遠くなる。

   

 高地価ゆえに、 もっと様々な機能の複合化を進め、 住宅が共存しえる知恵と工夫が必要だ。

店舗は言うにおよばず、 文化施設や児童施設・高齢者施設との複合化、 そしてひろばも露天市と複合できるひろばに、 川に掛かる橋までも、 店や美術館と複合させる等、 そのしくみと楽しい複合のデザインを生みだし、 生活都心を生き返らせよう。

   

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